APECでの両岸首脳会談実現せず 馬総統が出席を見送り
総統府は8日、11月に中国大陸の北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に、蕭万長前副総統を特使として派遣すると発表した。これにより、台湾側が目指していた馬英九総統と習近平国家主席の首脳会談は見送られることになった。
馬総統は各メディアのインタビューなどに対し、習氏との会談はAPECの場がふさわしいとの立場を表明していたが、中国大陸側は難色を示していた。
総統府の報道官は蕭氏の特使任命について、過去に5度APECの関連会議に出席するなど経験が豊富な点を指摘し、各国・地域に対して台湾の現状を正確に伝え、アジア太平洋地域における経済的な影響力の拡大を図れる人物であるためと述べた。
また、今回のAPECを通じて、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への参加に有利な環境を整えたいとの考えを示した。
台湾の科学調査船沈没、9人不明 尖閣領海侵入歴も
台湾の科学調査船「海研5号」(約2700トン)が10日午後、離島の澎湖諸島沖で岩礁に接触、夜になり沈没した。台湾の中央通信社によると、36人が救助されたが、9人を捜索中という。
同船は行政院科技部(旧科学技術庁に相当)に所属し2012年に就役。今年7月には尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領海に侵入したこともある。
台湾・中央社、ポルトガルのルサ通信と初の提携
中央通訊社は9日、ポルトガルの国営ルサ(LUSA)通信と協力取り決めを交わした。両社が正式な提携関係を結ぶのはこれが初めて。
双方は今後、中国語とポルトガル語、英語の3言語のニュース、写真、映像などのコンテンツを相互提供していくとしている。
中央社社長の樊祥麟氏は、今回の提携は台湾と欧州の間の情報共有や交流を促すだろうと指摘。一方、ルサ通信のヌノ・シマス氏はこの協力関係によって、台湾とポルトガルの距離を縮めたいと述べた。
ルサ通信は全世界に20カ所あまりの拠点を持っており、傘下に新聞、ラジオ、テレビチャンネルなどを有している。
日華懇会長、「経済分野の日台協定締結に向けて協議を」
日華議員懇談会の平沼赳夫会長は9日、中央社の取材に対し緊密な関係にある台湾と日本は経済分野での取り決め締結を目指して積極的に話し合いを行うべきだと述べた。
平沼氏は10月10日の中華民国の建国記念日、国慶日祝賀大会に出席するため、衆参両院議員など30人近くの訪問団を率いて9日から10日にかけて台湾を訪問している。期間中には馬英九総統を表敬訪問し、日台関係について意見交換を行う。
この日の取材で平沼氏はワーキングホリデー協定の締結(2009年)や台北(松山)-羽田路線の開設(2010年)、九州国立博物館で開催中の故宮日本展などはいずれも日台の密接な関係の表れであり、他の分野でも協力していきたいとの考えを示した。
一行は王金平立法院長(国会議長)や台湾の対日窓口機関・亜東関係協会の李嘉進会長らとの面会も予定している。
東大寺で観光客が大騒ぎ!台湾ネットでも話題=「台湾人として恥ずかしい」
中国台湾網によると、日本を訪れた台湾の観光客が、奈良県の東大寺で大騒ぎしている動画がインターネット上に掲載され、問題となっている。
台湾人観光客一行は、閉門10分前にやって来て、閉門時間になっても帰ろうとはしなかった。彼らは東大寺の“柱くぐり”に挑戦し、失敗した人を見て周りの人が大笑いするなど大騒ぎしていたという。台湾メディアは「台湾のイメージを著しく損ねた」と指摘している。
このほか、日本のホテルでは、台湾人観光客が理由もなく予約をキャンセルしたり、連絡がないまま当日、泊まらないといったケースが頻発。ホームページに「台湾人の予約お断り」を掲げるホテルも増えているという。
こうした報道に、台湾のネットユーザーからは以下のようなコメントが寄せられている。
「本土と五十歩百歩だな」
「そこらで大小の便をしないだけマシ」
「これぞ台湾人。国外だけでなく、国内旅行でもこういうことは頻発している」
「台湾人の恥ずかしい行動は、これが初めてじゃない」
「どこにでも素養の高い人低い人がいる。素養の低い台湾人は非難されるべき。台湾人として恥ずかしい」
「郷に入っては郷に従えだ。現地人の考え方は自分たちと同じだとは限らない」
「台湾に修学旅行に来ていた日本の中学生もこんな感じだった。別に、そこまで厳しくすることはないんじゃない?」
「日本人も台湾で大騒ぎしているんだから、何もおかしなことはない。ただ、規則は守らないとね」
香港デモ 卓球や麻雀に興じた「娯楽派」のメンバー ネット上で謝罪=台湾メディア
台湾メディア・自由時報は10日、香港政府から対話を見送られた「占中」(オキュパイ・セントラル)のデモに参加している一部メンバーが、現場で卓球やマージャンなどに興じ、デモ隊内部から批判の声があがったと報じた。
記事は、デモ隊が占拠している九龍地区の繁華街である旺角(モンコック)に9日夜、あるデモ隊メンバーが道路の中央に卓球台を運びこんで卓球に興じたほか、バスケットゴールを設置する、マージャンで遊ぶといった光景が繰り広げられたと紹介。さらに、綿菓子作りまで始まったとした。
これに対して、ほかのデモ参加者からは「市民の生活を妨げる状況で行われ、すでに市民の批判を浴びている占拠行動において、愉しんでいるようすを見せれば、市民からは『子どものお遊び』とみなされかねない」との憂慮が出ており、両者の間で口論も発生したと伝えた。
記事は、同日午後11時ごろに「娯楽派」が自ら卓球台などを撤去するとともに、ネット上で「抗争に娯楽の要素を持ち込むのは、現場の雰囲気を著しく読み誤るものだった。行動の理念をしっかりと理解していなかったことによるもので、すべての人に謝罪したい」とコメントしたと伝えた。
台湾と日本の「松山駅」、姉妹駅提携1周年で記念イベント
台湾鉄路とJR四国の同名駅「松山駅」の姉妹提携が13日に1周年を迎えることを受け、台鉄は9日、記念イベントを行うと発表した。同社は提携関係を通じて日台双方の往来を増加させ、文化交流の促進を図りたいとしている。
イベント当日の13日は松山市の西泉彰雄副市長などが台湾の松山駅(台北市)を訪れ、日台の松山駅長による新しい駅名標のお披露目式などが行われる。今回、両駅の友好の証として、日本語で書かれた特製のものも用意されるという。
また、9日から19日までの期間中、同駅内で日本の松山にちなんだグルメ展なども開催される。台鉄によると日本と台湾には板橋、桃園、清水、豊原、新市、岡山、池上、関山、瑞穂、田中、追分、新城など、32の同名駅が存在するという。
台湾の違法油問題 学校での使用も発覚 市民に不安広がる
食品会社の正義(高雄市)が販売する複数の食用油に飼料用油が混入していたことが明らかになった問題で、衛生福利部の許銘能常務次長は9日、正義に対して68種類の商品の回収を命じたほか、市民と正義の食用油を使用していた企業に謝罪し、遺憾の意を示した。
台湾では昨年10月と今年9月にも食用油に違法な材料や添加物などが混入していることが明らかとなり、食の安全性が大きく揺らいでいる。
高雄のスーパーで買い物をしていた主婦は「今使っている油も大丈夫か不安になる」と悲痛な声を上げる。花蓮の露店店主は「国の認定マークが表示されているものを使っていたが、問題が頻発し、何を買っていいか分からない」とため息をついた。
教育部によると、小中高校および大学など少なくとも37校で問題となった油が過去に使われていたという。一方、台北市衛生局は、市内7カ所の夜市、21店の屋台で使用の届け出があったとして、いずれも使用の中止を求めた。
また、中国大陸のメディア報道によると、問題の油は厦門(アモイ)や広州、北京、上海、合肥、瀋陽、無錫、寧波などの都市でも流通していたという。オンラインショッピングサイトで販売された商品も相当数あるとみられるが、今のところ中国大陸では検査や回収の動きはない。
衛生福利部では1カ月以内に全国600社の商品を調査する考えを示した。だが、消費者文教基金会の謝天仁名誉董事長(会長)は、同部の検査の信頼性を疑問視し、不買を訴えている。
中国の最終目標は台湾と沖縄の「奪還」=日本にとって唯一の侵略者―露メディア
2014年10月7日、ロシアメディアは、「中国が日本にとって唯一の脅威に、最終目標は沖縄の奪還」と題した記事を発表、日本にとって唯一の脅威は中国であり、最終的には沖縄の「奪還」を狙っていると報じた。環球網が伝えた。
人口が密集し、耕作地や資源の少ないアジアでは、土地の争奪が苛烈なものになる。先日、日本政府はいくつかの離島が外国からの脅威にさらされているとして、防衛力を向上させる必要があると述べた。情勢が激化すれば、離島はたやすく隣国からの攻撃目標となる。日本の統合幕僚監部と指導者たちは、以下の国からの脅威について検討している。
1、ロシア。ロシアは北方領土の占領を続けているが、軍事警戒区域以外では特に何も起こっていない。ロシアの太平洋艦隊は老朽化が激しく、ここ数年、日ロは互いを敵として戦うことは望まないと表明している。米国の横やりがなければ、今秋にも島の問題で合意に達する可能性がある。
2、韓国。強力な海軍、空軍を有するが、防衛に用いるのみであり、比較的弱い相手に攻撃することしかできない。日韓は相互に侮蔑してきた歴史が長く、日本は同国をライバルとみなしている。
3、北朝鮮。海軍の規模は大きいものの、老朽化が著しい。空軍も同様である。危険なのは核ミサイルで、しかも飛行ルートも予測できない。性能が良いのではなく、悪すぎるからだ。総合的には、日朝の軍事力を同列視することはできない。
4、台湾。強力な海軍、空軍を有するが、防衛のためであり、他国の領土に対して侵略戦争を発動することはない。
5、中国が最もやっかいな相手である。巨大な経済力、強大な海、空軍は急速な成長を遂げている。武力によって領土を奪還したことも一度ではない。10年後には中国海軍が西太平洋で最強のパワーになっているだろう。日本にとって唯一の侵略者は中国に他ならない。他国は中国ほどの海軍力を有しておらず、中国も侵攻の意図を隠そうとしない。中国の最終的な目標は台湾の回収であり、日本所領の琉球諸島の奪還である。この戦いに勝てば、中国は自由に太平洋に入る扉を開くことになる。
香港民主化デモ 台湾の馬総統が「確固たる支持」表明、双十節式典で「大陸が民主に踏み出す時」
台湾の馬英九総統は10日、中華民国の誕生につながった辛亥革命を記念する「双十節」の式典で演説し、香港で続く大規模デモに「確固たる支持」を表明した。また、「今こそ中国大陸が民主憲政に踏み出すのに最も適した時機だ」と述べ、中国に民主化を促した。
馬氏が双十節の演説で中国に民主化を呼びかけるのは、辛亥革命100年の2011年以来、3年ぶり。天安門事件が起きた6月4日に出す毎年の談話では言及するが、双十節で詳しく触れるのは異例だ。
馬氏は、香港の現状について、●(=登におおざと)小平の「先富論」を挙げ、「今日の香港で『一部の人が先に民主化する』ことがなぜできないのか」と民主派の要求に応じない中国政府を揶揄(やゆ)。香港と中国の民主化の進展は「指導者が改革に臨む際の智恵と度量にかかっている」と習近平指導部に譲歩を促した。
その上で、1997年の香港返還時に中国が確約した行政長官の普通選挙などを実現することが、中国と香港双方の利益になり、中台関係の発展にも資すると訴えた。
馬氏は9月29日にも、香港のデモに支持を表明している。