TPK、3Qは純損失2.4億元[IT]
タッチパネル台湾最大手の宸鴻光電科技(TPK)が23日に発表した第3四半期の連結決算は、純損益が2億4,100万台湾元(約8億4,900万円)の赤字だった。前期は3億2,300万元の黒字。一部製品の設備稼働率が下がり、粗利益が減ったことなどが響いた。
第3四半期の売上高は前期比6.2%増加。ハイエンドのスマートフォンやタブレット端末、ノートPCの需要が旺盛だった。ただ、一部顧客の新製品の投入が遅れたことで設備稼働率が低下し、粗利益は20.8%減少。粗利率は前期の8.9%から6.6%に下がった。営業費用の抑制に努めたものの、粗利益の減少を受け、本業のもうけを示す営業損益は前期の9,800万元の黒字から3億1,300万元の赤字に転落した。営業外損益は、為替差益などを計上し、3,000万元の黒字だった。
同日付聯合報によると、TPKの孫大明総経理は今後について「新技術の歩留まりが改善することなどから、第4四半期、通年ともに黒字化する」と予測。来年第1四半期も、「例年の閑散期だが需要は強い」と楽観的な見方を示した。
台湾新幹線、破産回避に向け財務改善計画を承認
台湾高速鉄路(新幹線)は23日の取締役会で、年末前の破産を回避するための財務改善計画が承認された。
不健全な財務構造により2007年の開業以来、厳しい経営状況が続く高鉄。累積赤字は500億台湾元(約1775億円)を上回っているほか、来年は新駅の開業や耐用年数を迎える施設・設備の更新に伴う支出の増加が想定される。
同社の試算によると、支出を賄うには2018年の時点で年間400~570億元(1420~2024億円)規模の営業収益が必要だが、現在は300億元(1065億円)あまりにとどまっているため、今後5年で収入が支出に追いつかなくなるという。
これを受け、改善計画には政府の持株比率の引き上げ(23%から35%)やフランチャイズ期間の延長(35年から75年)などが盛り込まれ、これによって生じる利益は運賃の値下げなどで国民に還元される。
値下げ幅はまだ明らかにされていないが、実施は来年4月の見込み。高鉄は交通部への報告や立法院(国会)での審議に備えて来年2月に改善案に関する報告を提出する予定。
鴻海精密工業が投資計画見直し、中国へ投資との報道受け
台湾の鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)<2317.TW>は24日、スマートフォン部品製造に向け中国に最大57億ドル投資する可能性があるとの報道を受け、証券当局に提出した文書で、投資計画の見直しを進めていると明らかにした。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は23日、同社が河南省の鄭州市政府と工場新設に向け協議中と報じた。米アップル<AAPL.O>の「iPhone(アイフォーン)」などのモバイル機器のスクリーン製造をするため、最大350億元投資する計画という。
台湾メディアも24日、同様の報道をしている。
同社は報道を受けた証券当局への文書で、投資計画を見直し、取締役会に提出することを明らかにした。
桃園航空城に305億元、大和ハウスなど20社が投資意向書
桃園県の呉志揚・県長(県知事)は23日、台湾内外の企業20社と「桃園航空城(桃園エアロトロポリス)」計画への投資意向書(LOI)を交わした。これらの企業にはアメリカのコストコ、日本の大和ハウス、フランスのカルフール、台湾の遠伝電信(FAR EASTONE)などが含まれる。投資総額は305億元。桃園県工商発展局によると、今年から5年以内に企業による投資が進められる。
桃園航空城計画は、台湾北部の空の玄関口である台湾桃園国際空港および周辺区域を再開発し、空港・産業・都市が一体化して発展を目指すもの。同計画への投資総額は5000億元を超え、30万人の雇用チャンスが生まれるとみられている。呉・県長は、7兆元の経済効果を期待している。
“金城武の木”救った日本人、今度は台北ドームの木の移植に一役
台北巨蛋(台北ドーム)の建設を進める遠雄建設は23日、ドーム周辺の街路樹の移植を行う、日台合同チームの発足を発表した。台風で倒れた“金城武の木”を治療した日本人樹木医も参加する。
ドーム周辺の街路樹については、建設会社が道路の拡張工事のために移植を決めているが、これに反対する市民や民間団体は今年4月から抗議の座り込みを続けてきた。
移植チームに参加するのは30年以上の経験を持つ樹木医の山下得男さん(=写真左2)。今年7月には東日本大震災の義援金への恩返しにと、“金城武の木”の愛称で親しまれている台東県池上郷のアカギの木の治療を無償で行った。
遠雄建設は同日の記者会見で、移植によりもし木が死んでしまった場合には1本につき10本の木を植樹する、全ての木にQRコードを設置し情報を公開するなどの5つの公約を発表した。
これに対し、民間団体は移植は受け入れられないとして、24日現在も、反対の姿勢を崩していない。
台湾、今後半年間の景況に楽観的 消費者信頼度が日韓上回る
カード大手、マスターカード・ワールドワイドが行った景気動向に関する消費者の意識調査で、今後半年間の台湾の消費者信頼度指数は前回の33.0から57.6へと大幅に上昇し、日本の51.8、韓国の41.9を上回っていることが分かった。
この調査は7月から8月にかけてアジア太平洋、中東、アフリカの計27カ国・地域における18~64歳の1万2574人に今後半年間の雇用、景気、固定収入、株式市場、生活の質の5項目について聞いたもの。信頼度「0」は最も悲観的、「50」は中立、「100」は最も楽観的をそれぞれ示す。
台湾は5項目全てで改善が見られ、特に株式市場と雇用の指数上昇が最も顕著で、前者は42.7から71.1、後者は25.3から52.8に上がっている。
月末にロッテと交流試合のラミゴ優勝!2年ぶり歓喜/台湾プロ野球
台湾プロ野球の年間王者を決める「台湾シリーズ」(7回戦制)は23日、台中インターコンチネンタル球場で第5戦が行われ、ラミゴが中信兄弟を8-3で破り、2年ぶり3回目の優勝を飾った。
ラミゴは1回に失策などで3点を先制されるも、5回には4点を奪って勝ち越した。9回はさらに4点を追加し、勝利を不動のものとした。
中信兄弟は、2013年末の身売り以来の初優勝が期待されたが、シリーズの最後まで投打がかみ合わず、4連敗での敗退を免れるのがやっとだった。
台湾プロ野球の頂点に立ったラミゴは、今月31日から本拠地・桃園球場で日本プロ野球・ロッテとの交流試合を行う。ロッテの台湾遠征は初めてで、主将の鈴木大地内野手など一部の主力選手が出場する予定。