「安くて質が高い」 台湾の医療サービスが外国人駐在員に好評
英国の金融大手HSBCが外国人駐在員などを対象に行った調査で、台湾の医療サービスについて費用が世界で最も安く、施設も高水準だと認識されていることが分かった。
英紙デイリー・テレグラフの報道によると、7割近くの外国人駐在員が台湾に派遣される前より医療費の負担が減ったと答えたという。また、3分の2は台湾の医療サービスは自分の出身国・地域よりレベルが高く、満足していると回答した。
HSBCのまとめでは、医療費の負担が小さいとされる国・地域は台湾を筆頭に英国、タイ、日本、サウジアラビアの順だった。一方、ブラジル、ニュージーランド、アイルランド、米国の医療サービスに対しては不満の声が多く聞かれた。
調査では、台湾に対する高評価について、外国人労働者にも公的医療保険制度に加入する義務があり、高質な医療サービスを享受しやすいところが受け入れられたのではと分析している。
この調査は今年4~5月、約100の国や地域に滞在する9000人の外国人を対象に行われた。
台湾の都市や政治家をパロディーにした漫画が出版
台湾の主要都市や11月末の統一地方選挙の候補者などをパロディーにした漫画、「六都争覇」が28日、発売された。台湾の複数のメディアが伝えている。
作者の韋宗成氏は5年前に、馬英九総統などの政治家を題材にした作品を出版し、漫画としてはその年の最多販売部数を記録した人気の漫画家。今作では、直接名前は出ないものの、台北市長候補の柯文哲氏が「巨大な猿」、対抗馬の連勝文氏が祭りの際に奉納される「神の豚」などとして描かれている。
ほかにも、台南市長候補の頼清徳氏は、似ていると言われる「大沢たかお」を彷彿とさせる顔に、高雄市長候補の陳菊氏はウルトラマンの「ピグモン」そっくりの容姿になっているなど、各候補者がそれぞれパロディー化されている。
台北、新北、桃園、台中などの6つの都市も可愛らしい精霊として擬人化されており、それぞれの土地の特色や文化の違いなどが描かれているほか、各地の候補者が精霊を奪い合うライバルとして登場するストーリーとなっている。
台湾では11月29日に地方自治体の首長などを選ぶ統一地方選挙が行われる予定で、2016年の総統選挙にも影響を与えることが予想されるだけに、その行方が注目されている。
中台担当閣僚が会談へ
中国国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官は29日の記者会見で、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、同弁公室の張志軍主任と台湾の王郁※(※=王ヘンに奇)大陸委員会主任委員の担当閣僚同士の会談を調整していることを明らかにした。
范報道官は「面会の関係事項と議題について大陸委員会と連絡を取っている」と述べた。
ダウン症のピアニストなど日本人2人が“命のノーベル賞”受賞
“命のノーベル賞”とされる台湾の「全球熱愛生命奨章」(世界命を愛する賞)授与式が29日台北市内で行われ、日本、中国大陸など世界各国・地域から約20人が受賞した。
この賞は小児がんに侵され、わずか10歳で亡くなった少年、周大観くんを偲んで設立された「周大観文教基金会」が、障害を抱えながらも命を大切にする人々などを称えるもの。今年は台湾や日本、アメリカ、韓国、中国大陸、ドイツ、ノルウェーなどの約20人が推薦を受けた2239人の中から選ばれた。
日本からは「生活にも困難な状態にあるにもかかわらず、障害を克服し社会に愛と勇気を与えた」としてダウン症のピアニスト、鈴木凛太朗さんと「クルーズ旅行を通じて平和の理念を数十年間伝えてきた」ことが評価された、国際交流NGO「ピースボート」創設者の吉岡達也さんが受賞した。
来年には長年公益活動に関心を持つことで知られる韓国の女優、イ・ヨンエの受賞も決まっている。イは、今年2月のソウル旅行中に事故で早産した台湾の女性に約300万台湾元(約1075万円)の医療・入院費などを寄付した。授与式参加のため、来年5月に訪台するという。
男性名は「家豪」、女性名は「淑芬」が最多
世界有数の超高層ビル、台北101の広報部長は劉家豪氏。内政部の統計では台湾男性の名前の中で最も多いのは「家豪」。「家を豪華にする」、家庭の繁栄をもたらす意味合いが込められているだろうか、最もポピュラーな名前になっている。(写真:CNA)
台湾で最もよく見られる名前は、男性が「家豪」、女性が「淑芬」。内政部は近く、「全国姓名統計分析」と言う本を出版する。それによると、全国には1510の苗字があり、最も多い苗字は陳列の「陳」、次は、「林」、「黄」、「張」、「李」、「王」、「呉」、「劉」、「蔡」、「楊」という順になっている。この十大苗字は、台湾の総人口2300万人の半分以上を占め、およそ1200万人あまりいる。
内政部の陳純敬・次長は、台湾の命名は、時代の移り変わりと共に変化していると指摘、新生児の名前を見た場合、民国百年、2011年以降、男の子は、前の代を継承する意味が込められている、「承」という字が主流になり、女の子は、「晴」という名前が多くなっていると説明。
台北・高雄・東京メトロ、共同キャンペーン実施
台湾北部・台北市の新交通システム、台北MRTと台湾南部・高雄市の新交通システム、高雄KMRTが11月4日から12月31日まで、初めて日本の東京メトロと共同で、「好好(ハオ・ハオ)METROプレゼントキャンペーン」を行う。
高雄KMRTによると、昨年、台湾と日本の人的往来は、のべ300万人を突破、今年はのべ400万人の目標を達成できる見込み。双方の友好関係を強化し、旅客が環境にやさしいMRTを利用してさらに深みのある旅行をするよう促すため、台湾と日本双方は今回のキャンペーンを実施するという。
キャンペーン期間中、台湾を訪れる日本の旅行者は、台北市の場合、台北市新交通システム、MRT淡水線の中山駅の窓口、高雄市の場合、美麗島駅にあるグッズ売り場に行って、日本のパスポート、およびスマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末を通じて、フェイスブックでこのキャンペーンの公式ウェブサイトをシェアした画面を見せれば、数量限定でそれぞれ記念品が贈られる。
台北市なら、24時間有効の「MRT乗車券」が2000人に、高雄市なら、カラフルなガラス張りの天井が写る、美麗島駅の写真をデザインにした絵葉書が1000人に贈られる。
なお、この間、日本を訪れる、台湾の旅行者は、東京メトロ銀座駅の定期券売り場に行って、パスポート、およびスマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末を通じて、フェイスブックでこのキャンペーンの公式ウェブサイトをシェアした画面を見せれば、、東京メトロから「東京地下鉄」と言う文字が大きく書かれた、手ぬぐいが贈られる。こちらも数量限定で2000人のみとなる。
「好好(ハオ・ハオ)METROプレゼントキャンペーン」
公式ウェブサイト: http://haohaometro.jp/
放射能検査証明必要な日本食品、来年4種類増
日本のお茶類、ビスケット類など4種類の食品が、来年から台湾に輸入される際、放射能検査の証明書を添付する必要がある。日本の福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故発生後、世界各国では食品の放射能汚染への関心が高まっている。
台湾では、2011年より日本から輸入される、「冷蔵の生鮮野菜と果物」、「冷凍の野菜と果物」、「冷蔵の水産品」、「冷凍の水産品」、「乳製品」、「乳幼児向け食品」、「ミネラルウォーター」、「海藻類」の8種類の食品に対して、全ロットの水際での放射能検査を義務付けているほか、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県で生産、製造された食品の輸入を禁止している。
それにしても、一部の環境保護団体は、日本の輸入食品に対する政府の管理が不十分で、国民の健康を守ることができないと不満の声が上がっている。これについて、衛生福利部食品薬物管理署の姜郁美・代理署長は29日、日本から輸入される食品に対する水際検査を強化する方針を明らかにした。
姜・代理署長によると、政府は28日、これまでの8種類の食品のほか、来年から「お茶類製品」、「キャンデー」、「ビスケット」、および「穀物調製品」の4種類の食品に対しても、公的機関が発給する産地証明書、および放射能検査報告の添付を義務付けるという。
食品薬物管理署は、予告期間の60日間以内に、各界の意見を広く聴取する。異議がない場合には予告期間終了とともに、最速で来年からこの新たな制度を実施するとしている。
公務員、30日より中国大陸での研修禁止
中華民国台湾の高級(国家)公務員の中国大陸での研修が30日付で禁止される。台湾海峡両岸関係の改善と交流の活発化につれ、休暇を利用して中国大陸に研修に訪れた中華民国台湾の公務員が次第に増えている。一部の立法委員(国会議員)は、それは国家の安全保障にかかわるとして、懸念を示している。
それを受けて、内政部は28日、新たに修正された、「台湾地区公務員、および特定身分の人員が中国大陸に赴く許可法」を公表した。この許可法では、現職の公務員は、30日から研修のために中国大陸を訪れることが禁止される旨が明記されているが、香港とマカオは、禁止区域から除外されている。
内政部移民署によると、今回の禁止令の主な対象は、「高級公務員」。30日以降、給与のランク付けが11等以上の現職の高級公務員、階級が3を超えた警察官らは、「入学研修、単位取得、テーマ別の研究」を名目に、中国大陸に赴くことを申請することができないほか、上記の条件に符合した、中国大陸在学中の公務員の学歴も認められないという。
移民署によると、2001年、台湾の離島、金門と中国大陸の沿岸部との局地的な、通商、通航、通信のいわゆる「小三通」が解禁されて以降、金門県の多くの高級公務員は、休日や休暇を利用して、対岸の福建省へ行って、修士課程、または博士課程に進学している。国家安全局の統計では、2013年11月時点では、97人の公務員は、研修のために中国大陸を訪れ、そのうちの91人が博士号を取得したという。
内政部の陳威仁・部長は、30日に発効する新たな許可法について、「高級公務員、および機密業務に携わる人員、たとえ契約人員としても、その仕事は国家の機密にかかわっていることから、中国大陸での研修を禁止すべきだ。それに違反した場合、公務員の関連規定に則って処罰する。」と明言した。
社外就業、記録と残業代支払い指導強化へ
労働部は企業に対し、営業担当者や保険外交員など社外で業務に当たる社員の就業時間を記録し、所定の時間を超えた場合には残業代を支払うよう指導する。2015年から企業に対する検査を強化する。こうした内容は現行の労働基準法に規定されているが、「社外での就業時間は判定が難しい」として残業代を支払っておらず、指導強化で適正化を図る。
台プラ系DRAM2社、3Q純利益は前期比増[IT]
台湾プラスチック(台プラ)グループのDRAM大手、南亜科技(ナンヤ)と華亜科技(イノテラ)の2社は29日、第3四半期の連結決算をそれぞれ発表した。純利益は、南亜科が前期比22.7%増の74億6,200万台湾元(約265億円)、華亜科が前期比9.6%増の116億2,900万元となった。
南亜科の第3四半期売上高は、前期比9.9%増の130億9,100万元だった。出荷量の増加と単価の上昇が増収につながった。粗利率は前期の43.8%から47.8%に上昇。営業外収益は、出資する華亜科の利益などを計上し、32.4%増えた。
華亜科の第3四半期売上高は、202億6,700万元で前期比5.5%減った。出荷量の減少と単価の下落が響いた。本業のもうけを示す営業利益は前期比10.3%減。ただ営業外損益は、為替差損などを計上して赤字となった前期から11億1,600万元の黒字に転換、純利益の増加につながった。
両社はそろって、第4四半期のビット単位の出荷量について前期比横ばいになるとの見通しを示した。
交際女性の耳や鼻など切断しトイレに流した男を逮捕
台湾中部の彰化県で29日午前、男(79)が就寝中の交際女性(47)の耳や鼻、唇を果物ナイフで切断し、トイレに流した疑いで逮捕された。女性の命に別状はない。
警察の調べによると、男は寝ていた女性の両手両足を縄で縛って犯行に及んだという。男は女性の生活費などを負担していたが、以前日本を旅行した際、同じツアーに参加していた別の男性から好意を持たれていたのが分かり、腹が立ったと供述している。
2人は普段から口論が絶えなかったという。
台湾・新竹県と有馬温泉、友好交流提携などで覚書に調印
今月27日から台湾を訪問していた有馬温泉(神戸市)からの訪問団が29日、新竹県政府を訪れ、友好交流提携に関する覚書に調印した。双方はこれを機に温泉観光産業の発展につなげたい考え。
県と有馬温泉では今後、人、物産、温泉文化などの交流を促進し、新竹の温泉、グルメ、農産品を有馬で紹介するほか、日本人のベテラン女将を台湾に派遣し、技術交流を行うという。
有馬温泉観光協会の當谷正幸会長は、交流を通じて温泉に新しい命を吹き込み、さらに発展させたいと期待を寄せた。また、邱鏡淳新竹県長は有馬のサービスやPR方法に学びたいと語った。調印式では久元喜造神戸市長が新竹県に宛てた手紙も紹介された。
今回の交流では有馬焼き(山椒焼き)の職人が約1カ月間、県内の有名な観光地、内湾に滞在し、日本の味を楽しんでもらうという。
ダウン症のピアニストなど日本人2人が“命のノーベル賞”受賞
“命のノーベル賞”とされる台湾の「全球熱愛生命奨章」(世界命を愛する賞)授与式が29日台北市内で行われ、日本、中国大陸など世界各国・地域から約20人が受賞した。
この賞は小児がんに侵され、わずか10歳で亡くなった少年、周大観くんを偲んで設立された「周大観文教基金会」が、障害を抱えながらも命を大切にする人々などを称えるもの。今年は台湾や日本、アメリカ、韓国、中国大陸、ドイツ、ノルウェーなどの約20人が推薦を受けた2239人の中から選ばれた。
日本からは「生活にも困難な状態にあるにもかかわらず、障害を克服し社会に愛と勇気を与えた」としてダウン症のピアニスト、鈴木凛太朗さんと「クルーズ旅行を通じて平和の理念を数十年間伝えてきた」ことが評価された、国際交流NGO「ピースボート」創設者の吉岡達也さんが受賞した。
来年には長年公益活動に関心を持つことで知られる韓国の女優、イ・ヨンエの受賞も決まっている。イは、今年2月のソウル旅行中に事故で早産した台湾の女性に約300万台湾元(約1075万円)の医療・入院費などを寄付した。授与式参加のため、来年5月に訪台するという。
台湾の食用油問題 違法企業の前会長に懲役30年求刑
彰化地検は30日、食品安全衛生管理法違反などの疑いがあるとして、頂新製油の魏応充前会長に対し懲役30年を求刑した。
魏氏や同社の前社長、工場長などの関係者は2012年1月から飼料用油などが混入した食用油を製造・流通・販売していたとされ、食品衛生に関する法律違反のほか、詐欺などの罪にも問われている。これによる違法所得は計4億4162万台湾元(約16億円)あまりに上るとみられている。
検察は、国民の食の安全にかかわるもので、問題の食用油を販売したことは社会に大きな危害を与えたとして魏氏に懲役30年を求刑したほか、前社長と現社長にもそれぞれ25と18年を求刑している。
台湾統一地方選まで1カ月 台北で異変 無所属リード 国民党苦戦
■馬政権の支持率低迷 食品安全問題…
【台北=田中靖人】台湾の統一地方選は、11月29日の投開票まで1カ月となった。6直轄市を含む22県・市の首長選では、馬英九政権の支持率低迷や相次ぐ食品安全問題の影響で、与党、中国国民党の苦戦が伝えられる。特に政権の足元の台北市で無所属の新人にリードを許す異例の展開で、2016年の総統選への影響を指摘する声も出始めている。
◇
公務員や大企業関係者が多い台北市は、国民党の強固な地盤。直轄市として初の直接選挙が行われた1994年の市長選で、野党、民主進歩党の陳水扁氏が国民党系陣営分裂の「漁夫の利」も得て当選したが、その後4回は野党時代を含め負け知らずだ。96年の直接選導入以降の総統3人全員が同市長経験者という政界の「登竜門」でもある。
今回は、国民党の連戦名誉主席(78)の長男で新人の連勝文氏(44)と、無所属で出馬した新人で台湾大の外科医、柯文哲氏(55)の事実上の一騎打ち。民進党は6月、柯氏支持に回り、二大政党の一翼が公認候補を出さない異例の構図が確定した。
ただ、連氏は6月以降の主要な世論調査で、一貫して柯氏にリードを許している。直近では、国民党寄りの聯合報の今月21日付調査で、支持率42%の柯氏に対し、連氏は29%と13ポイントもの差がついた。民進党寄りの自由時報(29日付)では、20ポイント開いている。
連氏につきまとうのが、「世襲貴族」批判だ。米コロンビア大で博士号を取得し、米投資会社を経て台北市関連企業の会長に就くなどして富と地位を築いた経歴が、父親のおかげではないかとの反感は根強い。連戦氏が2月、習近平・中国共産党総書記(国家主席)と会談するなど「中台統一派」と目されていることも影響していそうだ。連勝文氏は今月23日の記者会見で「私が『誰か』より『何をするのか』の方が重要だ」と訴えたものの、「最大の敵は自分」という状況だ。
一方、柯氏は民進党への入党を拒否し二大政党のイデオロギー対立を回避することで、若年層を中心に政治や社会に対する不満の受け皿になっている。両氏とも失言が目立つが、柯氏の場合は率直な発言が既得権益との距離感を生み、好感されている面もある。
態度未定者が2割前後いるため、情勢には流動的な要素もあるが、「国民党が台北市で負けた場合、総統選に不利な雰囲気が生まれるのは間違いない」(研究者)との指摘が出ている。
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日本企業の台湾投資期待=太陽光発電、技術協力強化も―行政副院長
台湾の毛治国行政院副院長(副首相)は29日までに台北市内で時事通信とのインタビューに応じ、台湾の太陽光発電所建設に対する日本企業の積極的な投資に期待を示した。
台湾当局は太陽光発電能力を17万5000キロワット(2013年実績)から30年に620万キロワットに引き上げる目標を掲げている。
毛副院長は「台湾は太陽電池の生産大国だが、先進技術の分野で日本と協力できる余地は大きい」と指摘し、日台の技術面での協力関係をより強化する必要があると力説した。さらに台湾企業が日本国内で太陽光発電所を建設している現状に触れ、「日本企業の台湾の発電所への投資も歓迎する」と語った。
台湾「国家安全上の理由」で禁止・・・一定地位の公務員、大陸に赴いての教育機関などでの受講
台湾の馬英九政権は10月30日から、現職の公務員、国家安全局、国防部、調査局の職員が中国大陸に赴いて、教育機関などで受講することに制限を設ける。事実上の禁止令となる。理由は「国家安全上の問題」という。台湾側では聯合報、中国大陸側では中国新聞社が報じた。
民進党の邱議瑩立法委員(国会議員)が2013年末、公務員が大陸に行き、大学など教育機関で受講することには、国家安全上の疑念が持たれると、批判していた。台湾当局で大陸側との交渉窓口である大陸委員会の王郁?主任委員は邱委員の批判に対しtえ「公務員が大陸に行き受講することは法律では禁止されていないが、政府としては支持しないし奨励しない」、「今後は、管理措置が次々に発表され、高級公務員が大陸に行き受講されることが禁止されるだろう」と表明た。
馬英九政権はその後、同問題について目立った動きを見せなかったが、最近になり「急ブレーキ」をかける形で、「台湾地区・公務員及び特定身分人員の大陸地区進入許可弁報道」を修正したという。
大学での受講については、「学位を取得できる場合」、「修了書だけを取得できる場合」などさまざまなケースがある。「11職」以上の高級公務員の場合には、受講が途中の状態である場合でも、継続を認めない。したがって、新たに学位や修了書を取得することはできないことになる。
それ以下の地位の場合、すでに受講を始めている場合には、継続して学位や修了書を取得することを認める。しかし、新たな受講については、所属期間の許可が必要とし、「原則的には不許可」とする。
馬英九政権発足後、台湾側の公務員が福建省の大学などで講義を受け、修士や博士号を取得することが増えてきた。台湾の安全部門の統計によると2004年から13年11月末までに公務員97人が大陸側の教育機関で講義を受けている。うち、91人が博士課程だったという。
公務員の大陸に渡っての受講を禁止する理由である「国家安全上の問題」について、具体的には説明されていない。台湾内部の情報漏洩や、洗脳や異性を利用する、いわゆるハニートラップなどさまざまな手法による「工作員化」などが考えられる。
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◆解説◆
中国大陸側にとって2008年に発足した馬英九政権は、「よりよい政権」だった。前任の陳水扁総統は、「国家指導者」としては性急な独立を主張していたわけではないが、所属する民進党は「独立」を綱領として掲げているからだ。
大陸側は馬英九政権発足後、交流の活性化などを急ピッチで進めた。「経済的恩恵」を大きく与えることで支持を得るという、大陸部で成功した政治手法を改めて用いたと言ってよい。馬英九総統も、大陸側の動きに「乗った」。財界の支持を含めて、政権基盤を確固たるものにする狙いがあったと言ってよい。
大陸側と馬英九政権は、「刺激的」な言動を行わないなど、配慮してきた。
しかし共産党・馬英九国民党政権は、2014年になり学生らが中心となって、大陸・台湾のサービス貿易協定の即時締結を見送らざるをえない事態にして、壁に直面した。
その後、台湾側と中国側の言動における「相互の気配り」が薄らいできた感がある。台湾では、軍関係者が米国の軍需企業側に、潜水艦の建造で協力を申し出た。それ以外にも最近になり、「国防の充実」についての動きが盛んに報じられるようになった。
中国大陸側では習近平共産党総書記(国家主席)が9月26日、台湾問題について、一国二制度による統一が最もよい方法」と述べた。馬英九政権の発足以来、中国大陸側は「一国二制度による統一」という言い方を控え、「(台湾海峡の)両岸はひとつの家族」など、現状を変更する意志をにじませずに両岸に住む人々を「同胞」などと強調する言い方を使うことが多かった。
頼清徳台南市長によると、台湾第2の野党である親民党の宋楚瑜主席が5月に北京を訪問して共産党の習近平総書記と会談した際、習総書記は「国民党は事実と異なるメッセージを送ってきていた」と述べたという。台湾で大陸とのサービス貿易協定に対する猛烈な抗議が発生することを予測していなかったことを認め、その原因は馬英九総統にあると主張するに等しい発言と言える。
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