総統官邸にあわや乗用車突っ込む 運転の男を逮捕
台北市内の総統官邸(中興寓所)で4日午前、乗用車がゲートに突入しようとする騒ぎがあった。運転していた男はその場で身柄を取り押さえられた。現場では車の外側に装着されていた赤い塗料が容器から漏れ出すなどしたが、官邸にいた馬英九総統を含め、けが人などはいない。
台北市政府警察局中正第二分局によると、乗用車を運転していたのは60歳の男で、過去にバイオ医療関連の基金会のトップを務めていたことがあるという。車は官邸の3番ゲートに突入しようとしたが、不審車両の進入を阻止する装置で停止したため、施設などに被害はなかった。
男は調べに対し、医療政策に不満があり、官邸に直接陳情をしようと思ったと供述している。陳情書などは見つかっていない。
警察は4日昼前、男を公務執行妨害と公共危険罪の疑いで台北地検に送検した。一方、総統府は市民が理性的に意見を述べる権利を尊重するとしながらも、暴力については厳しく非難するとしている。
日本の秋の叙勲で台湾の学者3人が受章
日本の秋の叙勲で、台湾の学者3人が旭日中綬章を受けた。日本政府は3日、今年秋の叙勲受章者を発表。今回の受章者は4029人で、台湾からは3人が選ばれた。
今回受章したのは、淡江大学日本研究所元所長の陳伯陶氏、国立台湾大学元教授の鄭清茂氏、同じく台湾大学元教授の林文月氏で、いずれも旭日中綬章を受けた。外国人の受章者は30カ国で合計57人だった。授章式もしくは勲章の伝達式は5日以降相次いで行なわれるという。
なお、台湾出身で日本の東北大学多元物質科学研究所に勤務する蔡安邦・教授も紫綬褒賞を受けている。
HTC、10月売上高は前月比5.8%減[IT]
スマートフォン世界大手の宏達国際電子(HTC)が3日に発表した10月の連結売上高は157億5,100万台湾元(約582億円)だった。前月比で5.8%減ったが、前年同月比では5.0%増となった。
HTCの売上高は、8月に前月比37.1%の大幅増を記録し、9月も15.0%増と堅調に推移していた。HTCは10月31日に開いた第3四半期の業績説明会で、同月の販売状況について堅調だとしていたが、ミドルレンジ機種「デザイア816」の売れ行きが一巡したことで前月比マイナス成長となった可能性がある。1~10月の累計売上高は、前年同期比11.2%減の1,557億9,600万元。
HTCはきょう4日に、「デザイアEYE」、「デザイア820」のスマホ2機種と、米グーグルと共同開発したタブレット端末「Nexus9」を同時に発表する。同社は第4四半期の売上高を430億~470億元の範囲内に設定し、第3四半期比で増収になると予測しており、目標達成に向け新機種の販売に力を入れる方針だ。
日本文化をテーマにした隔月刊誌「秋刀魚」が創刊
日本文化をテーマにした中国語の隔月刊誌「秋刀魚(サンマ)」の創刊号が5日、台湾で発売される。創刊号の特集は「知りたい日本100」で、建築、野球、音楽、宗教、デザインなどの切り口で日本を紹介している。
単なる旅行情報だけでなく、様々な角度から日本文化を知ってほしいとの想いで編集された「秋刀魚」。今後は日本の現代建築や、2020年の東京オリンピック、皇室、アニメ・漫画文化なども取り上げていきたいとしている。
また、8日から台湾各地で創刊記念イベントも行われる予定。開催地には、日本統治時代から残る「台中刑務所演武場」(台中市)や当時の建物を再利用した喫茶店「衛屋茶事」(台南市)、「一二三亭」(高雄市)など日本に縁のある場所が選ばれている。
食の安全問題影響、各地の夜市で売上減少
ラード・牛脂など食用油の安全問題が相次いだ影響で、夜市を訪れる客が大きく減少している。全国各地の夜市の売上は2~3割減、中には7割以上減となった業者もいる。成形肉への問題牛脂粉使用事件により、特に低価格ステーキ店が甚大な影響を受けている。
飲食店以外に、飲料・雑貨店などでも売上が落ち、桃園県の八徳興仁夜市では4~5店が閉店に追い込まれた。自家製ラードの材料となる豚肉の価格が高騰し利益確保が難しくなり、従業員削減を余儀なくされるなど厳しい状況が続いているという。
台北駅と桃園空港を結ぶ高速バス 24時間運行を開始
桃園国際空港で早朝、深夜に発着する便が増加していることを受けて、高速バスの国光客運は今月1日から、台北駅と同空港を結ぶ便を増発し、24時間運行を開始した。
同社は空港側との協議の末、台北駅発は午前2時、同3時台、空港発は同3時、同4時台の便をそれぞれ1本ずつ増やした。今回の増発により、毎時間に最低1本、台北駅と桃園国際空港を結ぶリムジンバスが運行されることになった。
市内―空港を結ぶ交通手段については、2015年末にメトロ(MRT)空港線の開通も予定されている。
世界で韓国が暮らしやすい国の25位に選ばれた
3日(現地時間)、米国オンラインメディアの「ドラッジ・レポート」によると、英レガタム研究所は世界142カ国を対象にした2014年版「世界繁栄指数(レガタム繁栄指数)」を発表した。
経済、企業家精神、国家経営・統治能力、教育、個人の自由、保健、安全・安保、社会的資本など8分野で点数を付け、暮らしやすい国ランキングを出した。
2013年版の資料を基に作成された今年発表で、韓国は25位を記録した。これはシンガポール(18位)、日本(19位)、香港(20位)、台湾(22位)に続きアジアで5位だった。
韓国は経済(9位)、教育(15位)など6項目で上位圏(1~30位)に入ったが、個人の自由(59位)や社会共同体構成員間の協力やネットワークと称する社会的資本(69位)では中間圏(31~71位)だった。
5項目で上位5位以内に入ったノルウェーは、2009年以来、同ランキングで6年連続1位を記録している。次いでスイスが2年連続2位、ニュージーランドが全体3位に入った。デンマーク、カナダ、スウェーデン、オーストラリア、フィンランド、オランダがこの後に続き、米国は10位だった。
特急プユマ号、牛の群れと衝突 台湾鉄道「まれな事故」
花蓮県内の台湾鉄路台東線で4日午前8時33分ごろ、特急電車プユマ(普悠瑪)号が線路上にいた牛の群れと衝突した。乗客乗員にけがはなかったが、現場周辺で牛4頭と胎児1頭が死んでいるのが確認された。
関係者によると、先頭車両の一部が破損したものの、運行に支障がなかったため同56分に運転を再開したという。この事故の影響で列車2本に遅れが出た。
鉄路警察局花蓮分局では、牛の所有者を探している。鉄路法第57条の規定では線路から5メートル以内の範囲に放牧した人に対して1500~7500台湾元(約5600~2万8000万円)の罰金が科せられ、仮に車両が脱線した場合は公共危険罪で罰せられる可能性がある。
台鉄では牛の群れが線路上に進入したのは「非常にまれ」だと話している。
今年10月の降水量、観測史上最低 南部では水不足の恐れも
台湾の今年10月の降水量が、1947年以降で最も少なかったことが、ウェザーリスク(天気風険)社が3日に発表した統計で分かった。今年7月と9月には月平均気温がそれぞれの過去最高を更新したほか、8月には台湾に上陸した台風がゼロとなるなど例年とは異なる気象状況が続いている。
同社は中央気象局の資料を引用した上で、台湾13カ所にある平地の測候所で観測された今年10月の平均累積雨量がわずか28.58ミリだったと話す。これは同月に発生した台風の数が、例年の3.7個を下回る2個にとどまっただけでなく、降雨をもたらす北東の風も弱かったことなどが原因とみられる。平均気温も24.7度と例年より1.1度高かった。
中央気象局は、北部や北東部では冬から春にかけて降雨が見込めるだろうとする一方、南部では水不足の恐れもあると指摘している。
台湾では今年9月15日に高雄で史上最高となる37.6度の高温を記録したほか、台北では今年、最高気温35度以上の猛暑日が61日もあって過去最多となるなど、厳しい暑さが続いていた。
日本・秋の外国人叙勲に台湾から3人 「源氏物語」全訳の林文月氏ら
日本政府による今年の秋の外国人叙勲受章者が3日に発表され、台湾からは日台関係の発展のため、長年にわたり献身的な尽力をした学者3名が旭日中綬章に選ばれた。
日本の対台湾窓口機関の交流協会によると、受章したのは淡江大学名誉教授の陳伯陶氏(83)、国立東華大学名誉教授の鄭清茂氏(81)、国立台湾大学名誉教授の林文月氏(81)。台湾で日本語教育の発展や、人材育成、日本文学の研究、日台間の相互交流などに寄与したという。
3氏のうち、林氏は散文作家、翻訳家としても活躍しており、「源氏物語」全5巻の翻訳などを通じて台湾における日本理解の促進に大きく貢献したとされている。
台湾の国営通信社とラジオ局、協力覚書に調印 相互利益の最大化図る
台湾の国営通信社「中央通訊社」と国営ラジオ局「中央広播電台」(中央放送局/RTI)の協力覚書調印式が3日中央社(台北市)で行われた。これにより、同社のウェブサイトを通じてRTIのラジオ番組の聴取が可能となった。
調印式に出席した中央社の樊祥麟社長は今回の提携について、視聴者が互いのサイト上で双方のニュース閲覧や番組聴取が可能になるとし、どちらにも利益をもたらすものだと喜びを語った。
一方、RTIの頼祥蔚総局長は、日本語をはじめ英語やスペイン語など9つの外国語で台湾の最新情報を世界に発信しているとPRし、今回の協力でより多くの人々に台湾を知ってほしいと述べた。
受信可能なのはオンデマンド形式で配信される中国語、英語、日本語、スペイン語の4言語による番組で、いつでも聞きたい番組が楽しめる。
台湾で過去最大規模の日本展開催へ 観光や文化アピール
台湾で過去最大規模の日本展が来年4月に台北市内で開催されることが分かった。日本から持ち込むスーパーハイビジョン対応の超大型スクリーンで四季折々の風景を放映するなどし、観光や文化をアピールする。
このイベントは東日本大震災における台湾からの支援に感謝するため、観光振興懇話会などが主催し、来年4月17日~20日に台北市内の花博公園で実施される予定。関係者によると、会場では日本人によるパフォーマンスなどが行われ、“人間ではない”サプライズゲストも登場するという。
会期中は8万人の来場を見込んでおり、毎日10人に日本旅行などが当たるチャンスがあるほか、毎日先着3000人に記念品を配布するとしている。
富山県砺波市長が嘉義市を訪問 チューリップの魅力アピール
チューリップの球根生産量日本一で知られる富山県砺波市の夏野修市長が3日、嘉義市政府を訪れ、同市の黄敏恵市長に対して、来年4月~5月に開催予定の「となみチューリップフェア」のPRなどを行った。
嘉義市では先月27日から5日までの日程で、富山県による観光物産展「富山県美食工芸展」が開かれており、2日には夏野市長自らPR活動に出席した。イベントでは日本酒や伝統工芸品の販売、日本の職人によるデモンストレーションなどが行われている。
同県は3年連続同市で観光物産展を開催しているほか、昨年4月に黒部峡谷鉄道と嘉義の阿里山森林鉄路が姉妹関係を締結するなど、交流を深めている。
黄市長は、交流を積極的に推進してきた富山県の関係者に対し感謝を述べたほか、来年1月に日本での上映が決まっている台湾映画「KANO」の公開後には、同市と日本の関係がより深まるだろうと期待を寄せた。
ゆるキャラグランプリ初参戦の高雄市「高通通」、海外勢で1位
世界各地のご当地キャラクターらが人気を競う「ゆるキャラグランプリ2014」最終日の3日、結果が発表され、初参戦していた高雄市農業局イメージキャラクター「高通通」(ガオトントン)が総合50位となり、海外勢としては堂々の1位に輝いたことが分かった。
先月20日の時点で64位となり、愛知県で行われた決選投票イベントへの参加を果たした高通通。3日間の開催期間中には雨が降る悪天候にも見舞われたが、多くの市民や各地の人気キャラクターと触れ合い、複数の日本メディアの取材も受けるなどし、中部空港の特設会場での投票でさらに順位を上げた。
高雄市ではインターネット投票時、投票方法を中国語で解説したサイトを立ち上げて広く支持を呼びかけていた。農業局の担当者は中央社の取材に対し、日本での人気ぶりについて「高通通がスターになった」と喜びを語った。
今後は日本を含め、海外で行われる農業関連のイベントにも高通通が登場する予定で、高雄の農産物を世界に広めたいとしている。
香港の民主化運動に同情的な台湾
行政長官の選挙制度変更をめぐる香港での抗議運動に対する台湾の反応、また、抗議運動が台湾に与える影響について、Diplomat誌のティエッツィが、10月1日付同誌ウェブサイトで報告しています。
すなわち、中国政府が、香港での抗議運動にどう対処するかは、中台関係と台湾の国内政治に影響を与えるであろう。
馬英九総統は、9月29日に、「世界台湾商会連合総会」の年次会合で、「香港住民が、行政長官の自由な指名と選挙を求めることを、よく理解し支持する。本土の当局が香港住民の声を注意深く聞き、平和的で慎重なやり方で事態に対処するよう要求する」と言った。抗議者に対しては、平和的で理性的なやり方で意見を表明するよう求めた。
台湾の活動家は、香港の「雨傘革命」を支持するデモを行い、また、香港を注意深く観察している。
香港の抗議運動は、中台関係により慎重な民進党の勢力を強める可能性がある。9月30日の記者会見で、民進党のJoseph Wu秘書長は、全ての人々には民主主義、人権、自由を追求する権利があると強調し、中国及び香港当局に自制を求めた。民進党の蔡英文主席も、香港の抗議運動が始まった9月28日(民進党創立28周年に当たる)に、「今日は、民進党創立記念日を祝うよりも、香港への支持を表明しよう」と述べた。
国民党と民進党からの発言は、ともに、香港が完全な民主主義を求めることを支持し、北京に自制を求める点で同じだが、相違点もあり、それが両者を政治的に隔てている。
馬英九は、北京が香港に対する約束を守ることへの希望をまだ捨てていない。一方、民進党は、長年、過度の対中接近には反対しており、香港の抗議運動を、民進党の警告が正しかったことの証明であると見ている。Wuは、北京が香港をどう扱うかを見れば、台湾人は中国の統一の結果何がもたらされるか分かるであろうと指摘して、台湾への影響を強調した。
台湾の人々は、今や、香港に自分たちの将来をみており、それを快く思っていない、と述べています。
赤珊瑚密漁船増殖の背後に密売組織――携帯で映像を送って海上で価格交渉
小笠原諸島周辺に押し寄せてくる中国漁船の数の増え方が尋常でないため、背後に中国政府の思惑があり日本の海上保安能力を偵察するのが目的とする憶測があるが、それは当たらないと思う。なぜなら、宇宙探察まで可能となっている現在の発達したITのさまざまな技術を駆使すれば、このような原始的な犯罪行為をするまでもないからだ。仮に偵察が目的であるなら、日本で拿捕の対象とならない「通過するだけ」という手段を取れば済むこと。密漁者が偽装船製造のために3000万円もの投資をする必要もない。
ましてやAPECの首脳会談が北京で開催されようとしている今、このような犯罪行為を世界にさらし、わざわざ日本に有利な「カード」を与え、APECの場で中国を不利な状況に追い込むような手段を、中国自らがわざわざ取る理由はないからだ。時期が悪すぎる。
それなら、密漁船増殖の背後には何があるのか?
◆携帯で映像を送って海上で価格交渉
筆者は80年代初頭から留学生の教育と受け入れ業務に携わってきたため、福建省には何度も足を運び、偽造書類の発祥地と蛇頭(スネークヘッド)の現状を調査に行ったことがある。
80年代半ばから90年代半ばにかけて日本では「出稼ぎ就学生」という中国人就学生の問題が社会現象となったことを、ご記憶の方も少なくないだろう。
あのころ「偽造書類と言えば福建」、「福建からの留学生(&就学生)と言えば、まず偽造書類を疑え」というのは現場の常識だった。 なぜ福建省が偽造書類の発祥地になったのかに関しては拙著『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』に書いてある。なぜなら習近平は、まさに偽造書類全盛時代に福建省を統治していたからだ。1985年から、厦門(アモイ)、寧徳、福州と異動しながら最後には福建省の副書記となり、2002年に浙江省の書記となった。
その浙江省にも何度も調査に行っているので、福建省と浙江省の地勢と商人根性に関しては一応心得ているつもりだ。蛇頭にも接触した経験がある。
そこでこのたびの赤珊瑚密漁船急増に関して福建省と浙江省にいる信頼できる知人を通し、背後で何が動いているのかを独自に取材した。
その結果分かったのは、密漁船の背後には一定程度まとまった「偽装船製造」をそそのかすマフィアがあり、さらに日本の領海で密漁した赤珊瑚を「海上で!」密売する密売組織ができ上がりつつあるということである。
・・・続 き
馬・総統、APEC参加の代表団と会見
馬英九・総統(右)は3日、総統府で、今年のAPEC首脳会議に参加する代表及び随行する杜紫軍・経済部長らと会見した。
馬英九・総統が3日、「92年コンセンサス」を堅持する立場を重ねて強調した。馬・総統は3日、「2014年第22回APEC・アジア太平洋経済協力会議首脳会議」に出席する中華民国台湾の代表団と会見した。席上、馬・総統は、台湾海峡両岸関係の平和的な発展に触れ、中国大陸側に、「92年コンセンサス、一つの中国、それぞれの立場表明」という基礎の下で、それを進めていきたいという台湾側の立場に何の変更もないことを分からせたいと述べた。
馬・総統は一行との会見の中で、まず、蕭万長・前副総統が特使として今回の首脳会議に出席することに感謝、蕭・前副総統はAPEC会議に何度も出席し、議題内容、や目標を詳しく理解していることから、台湾のAPECにおける存在感をさらに強められると述べ、国家全体の利益にプラスだと強調した。
会議開催期間中、蕭・前副総統が中国大陸の指導者と対面する機会があると見られることから、馬・総統は、「中国大陸側に理解してもらいたいのは、両岸関係の平和的な発展のカギが依然として『92年コンセンサス、一つの中国、それぞれの立場表明』にあることに何ら変化がないことだ。それと同時に、両岸は今後も多くの面で引き続き協力関係を結び、強化できるよう期待している」と話した。
馬・総統は、台湾がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)、及びRCEP(東アジア地域包括的経済連携)参加に取り組んでいることについても言及、年内の具体的な進展は難しいが、今回の会議を通じて各国に、台湾がこれら地域経済統合に参加する決意と誠意を示したいとしている。
王・張会談は12日、非公式な茶話会方式
中華民国政府で対中国大陸政策を担当する行政院大陸委員会の王郁・主任委員と、中国大陸側の張志軍氏の北京での会談は12日に行われることに。今年のAPECアジア太平洋経済協力会議はまもなく、中国大陸の北京で開かれる。中華民国台湾からは蕭萬長・前副総統が馬英九総統の代理として首脳会議に参加する。また、大陸委員会の王・主任委員は昨年(インドネシア)のモデルに従い、顧問として参加する。
中国大陸で対台湾政策を担当する中共国務院台湾事務弁公室の張志軍・主任との対面である「王・張会談」が注目されていたが、王・主任委員は3日午前に行なった記者会見で、APEC首脳会議後の12日に張氏と非公式に対面し、双方が共に関心を寄せる政策についての確認を行なうと明らかにした。なお、今回は非公式な対面であり、形式にはこだわらず、茶話会の形で話し合うということ。
円安で旅行業界の商機が拡大へ
日本円が値下がりしていることで、旅行業界のビジネスチャンスが拡大している。日本銀行が追加の金融緩和を行なったことで、日本円の値下がりが進んでいる。加えて、台北国際トラベルフェアが7日から10日まで台北市内で開催されることで、台湾の人たちの日本旅行がいっそう加速されるものと見られている。
航空会社と旅行業者はこれを機に、様々なサービスプランを打ち出す他、日本が10月1日より、外国からの観光客に対する消費税免除措置の対象を食品、飲料、タバコ、化粧品や薬などに広げたことから、日本へ遊びに行こうとする人が増えると期待。
大手旅行会社、雄獅グループの裴信祐・総経理は、台湾の人が海外旅行する中でショッピングは大変重要な活動だとし、免税範囲の拡大と日本円の値下がりは、旅行者を増やす原動力になるとしている。
また、雄獅グループでは、外交部の統計を根拠に、日本に向かう台湾の人は今年30%増えていると説明、短期的な好材料の他、日本が継続的かつ系統立てて台湾の観光市場を開拓していることで、台湾の人たちの日本旅行は大変安定して成長していると強調した。
食の不安などで10月の購買担当者指数悪化
食の不安が広がったことなどから、10月の製造業購買担当者指数(PMI)が悪化した。中華経済研究院は3日、10月の台湾における製造業の購買担当者指数を発表した。10月の指数は51.5ポイントで、9月に比べて1.8ポイント低下。50ポイントを超えており、依然景気の拡大を示してはいるが、51.5ポイントは今年3月以来の低水準。
指数を構成する5つの指標のうち、納品時期だけが景気の縮小を示すサインに転換。これは市場が買い手市場になっていることを表すという。
注意すべきこととして、参考指標のうち原材料価格指数が、調査を始めて以来最低の36.4ポイントに下がったことがあげられた。9月に比べて10.2ポイントの低下。また、企業の向こう6ヶ月間の景気見通しは、10ヶ月連続で景気拡大を示したのに対し、10月は9月に比べて10.7ポイント低い43.4ポイントで、景気の縮小を示すサインに転じた。この水準は2012年12月以来の低さだという。
中華経済研究院の呉中書・院長は、欧州と中国大陸の景気回復の勢いがはっきりしないこと、iPhone 6 のブームが収まりつつあること、さらに台湾で食の安全性の問題が広がっていることがPMIを悪化させた原因だと分析した。
APECを間近に控える中国大陸
2014年APECが中国大陸の北京で開催される。北京市内には10月30日からAPECを迎える趣旨の旗が掲げる。
APECアジア太平洋経済協力会議が11月5日から11日にかけて、北京で開催される。中華民国台湾は、主要会議の他に、経済部の杜紫軍・部長と、中国大陸商務部の高虎城・部長との二者会談、いわゆる「杜高会談」に向けて調整を進めている。ECFA(両岸経済協力枠組協議)の後続協議に関する議題が討論される模様。
APECでは、11月7日から、2日間続けて閣僚会議が行われる。経済部の杜紫軍・部長、国家発展委員会の管中閔・主任委員はともにこれに出席、杜・部長は、首脳会談の際に、中華民国台湾のスポークスマンも務める。
APEC開催期間、各国の経済・貿易担当大臣や首脳が一堂に会する得がたい機会であるため、中華民国台湾が二者会談を行う相手国や議題などは、常に各界から大きな関心が寄せられている。
中でも、「杜高会談」が実現するか否かに関する関心が最も高い。実現すれば、両者ははじめて対面することとなる。
中華民国台湾では、ECFA(両岸経済協力枠組協議)後続協議についての討論や意見交換を希望しており、これにより両岸商品貿易協定交渉の加速を促すことになるかどうかが注目される。