台湾のデング熱、感染者が1万人を突破・・・流行中心の高雄市では9500人超
台湾では高雄市を中心に、デング熱の感染者が現在も増加している。台湾・衛生福利部疾病管制署によると、2014年1月1日から11月7日までの累計感染者は1万37人に達した。デング熱流行が最も深刻な高雄市では、同期累計感染者が9591人に達した。
台湾・衛生福利部疾病管制署は発病日ベースで、デング熱感染者数を発表している。1月から10月までの感染者数は、24人(1月)、17人(2月)、15人(3月)、18人(4月)、25人(5月)、111人(6月)、395人(7月)、989人(8月)、2281人(9月)、5446人(10月)だった(数字は随時修正されている)。
9月の感染者は1日当たり76.0人、10月は175.7人だった。11月1-7日の発症者は716人で、1日当たりでは102.3人。1日当たりの発症者で10月よりもかなり低下したが、9月以上の高い水準だ。
高雄市以外の感染確認者数は屏東県(144人)、台南市(86人)、台北市(56人)、新北市(45人)、台中市(35人)、桃園県(23人)、澎湖県(11人)の順。その他の県では感染確認者が10人以下。台湾本島から離れた金門県と連江県での感染確認例はない。
台湾初のライトレール、きょうから線路上で試験 来年開業見込む
次世代型路面電車、高雄ライトレール(LRT)で使用される車両の線路上での試験が9日から始まった。お披露目された車両付近にはカメラを持った多くの市民が集まり、開業に期待を膨らませた。
高雄ライトレールは廃止された台湾鉄路の貨物線跡などに建設される全長22.1キロの路線。来年には第1期区間8.7キロの開業を見込む。車両はスペインのメーカーで新造された5両編成で、早朝から写真を撮りに訪れた学生は、興奮した様子で運転席を観察するなどしていた。
記念式典に出席した陳菊高雄市長は、エコでクリーンな交通機関は時代の流れとした上で、「地球温暖化防止につながる」とアピール。また、メディアから今月末に予定されている高雄市長選挙への影響を問われると「選挙とは関係ない」と否定した。
今回の試験は16日まで行われる予定で、高雄市政府では11月下旬にも試運転を実施したい考え。
高雄のライトレール向け車両、台湾に到着
台湾第2の都市・高雄(カオシュン)市で建設が進む軽量軌道交通(ライトレール)の車両の第1陣がこのほど、製造国のスペインから台湾に到着した。ライトレールの計画を進める同市政府捷運工程局が発表した。今後、検査や各種試験ののち、実際の軌道上で試運転を行う。
高雄のライトレールは全長22.1km・全36駅の環状線の計画で、まず第1段階として一部区間の8.7kmが2015年、残りの13.4kmが2019年の開業を目指している。2本のレール幅(軌間)は日本の新幹線などと同じ国際標準軌の1435mmで、停車中に車両の蓄電装置に急速充電することで架線を使わず走行できるシステムを採用する。
車両はスペインのCAF社製で、同社の「Urbos」と呼ばれるシリーズの100%低床車。全長34.2mの5車体連接車で、編成全体で片側に4カ所のドアを備える。同タイプの車両はスペインをはじめ世界各地で既に運行されているが、空調は暑い高雄の夏の気候に対応した高性能なシステムを搭載しているという。
スペインで完成した車両は8月2日にバルセロナを出航、9月11日に台中港に到着した。正式な営業運転開始時には9編成が導入される。
高雄では8月に大規模なガス爆発事故が発生したが、捷運工程局は専門家らと協力し、爆発事故による工程スケジュールへの影響を最小限に抑え、遅れを取り戻していくとしている。
三重県知事が台湾・高雄訪問 建設中のアミューズメント施設視察
鈴木英敬三重県知事は8日、高雄市を訪問し、市内に建設中の大型複合アミューズメント施設「大魯閣(タロコ)草衙道」を視察した。
高雄市の陳菊市長は、今後三重県と相互訪問の機会を増やし、産業、観光、教育交流を強化したいと話したほか、今年発生した大規模爆発に触れ、安全な都市作りのために日本の防災を学びたいと語った。
大魯閣草衙道は40億台湾元(約150億円)以上を投じて建設され、8万7000ヘクタールの土地に鈴鹿サーキットのライセンスを受けたゴーカートコースや250~280店のテナントが入居可能なショッピングモールを備える。年間1200万人の来場を想定し、来年第3四半期の開業を目指す。
鈴木知事は同施設の開業で双方の交流が深まればと期待を寄せた。
APEC参加の台湾・前副総統、習近平氏と会談 関係促進の必須条件提出
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため、北京を訪問中の蕭万長前副総統(75)は9日、中国大陸の習近平氏と台湾海峡両岸関係について意見交換し、双方の窓口機関のトップが1992年に香港で確認したいわゆる「92年コンセンサス」(九二共識)の成果を改めて強調した。
また蕭氏は、双方の関係発展を図るために、両岸の平和的発展を共同で維持すること、「92年コンセンサス」を双方の話し合いの土台にすること、制度化された経済協力関係の推進に変わりがないことを堅持する必要があると語った。
一方、習氏は良好な相互関係を継続させるには両岸の信頼関係増進や相互尊重、交流強化などが必要だとしている。
APEC首脳会議は今月10~11日に開催。蕭氏は特使として派遣されている。
台湾・外交部、エボラ侵入対策で日本人専門家など招き講習会実施へ
エボラ出血熱の世界的な感染拡大が懸念される中、外交部は近く日本や米国の専門家などを招いた講習会を開き、国際非政府組織(NGO)関係者らを対象に同出血熱への知識などを深めてもらう考えを明らかにした。
外交部によると、講習会は今月14日と15日にそれぞれ台北と高雄で実施。国際NGOに携わる医療、ボランティアスタッフがアフリカでウイルスに感染する危険性が比較的高いことなどを注視して行われるという。
講習会では中央研究院の研究員や米国の専門家らが同出血熱に関する現状報告を行い、日本の国立感染症研究所ウイルス第1部の西條政幸部長が日本の防疫情況を説明する予定。
外交部では今後も在外公館などを通じて専門家などの意見を伝えるとしている。
国民党議員、台北市長選は“新しい台北人と古い日本人の戦い”
連勝文氏(国民党所属)と柯文哲氏(無所属)による、事実上の一騎打ちとなっている台北市長選について、連陣営の選挙対策委員長を担当する同党の蔡正元立法委員(国会議員)が7日、“新しい台北人と古い日本人の戦い”だとする発言を行った。台湾の複数メディアが伝えている。
この発言は、柯氏が過去に行った女性に対する差別発言を暗に批判したもの。同氏の祖父が日本統治時代に校長などを務めており、(当時の)公務員の考え方は女性に差別的であったとして、柯氏もその影響を受けていると蔡氏は非難した。
一方で、蔡氏は“新しい台北人”は女性を差別しないとして、このような差別は台北から無くさなければならないと語った。
柯氏は今年9月、元キャスターで嘉義市長選の国民党候補・陳以真氏に対し、若くて綺麗な陳氏は受付や観光局の広報にはなれるが、市長には向かないなどと発言。女性に対する差別だとして批判を浴びていた。
台湾、日本からのコンテナに対する放射性物質検査を強化へ
財政部関務署は7日、日本から輸送される一部のコンテナに対する放射性物質検査を強化する方針を明らかにした。台湾の市民の健康を守るための措置だとしている。
検査の対象となるのは、廃プラスチック、古紙、金属くず。高雄港に設置されている放射性物質監視システムでの測定のほか、10日からは基隆港、台北港、台中港でも測定器を使用して安全性を確保する。仮に毎時0.2マイクロシーベルトを超過した場合は、行政院原子力エネルギー委員会に通報した上で対処するという。
関務署では関係する各業者に対し、関連書類の提出や検査への協力を求めている。
大幅円安で台湾の経済にも影響 輸出産業は減収の恐れ
日本銀行が先月末に追加した金融緩和の影響で大幅な円安が続く中、台湾経済への影響が指摘されている。日本から原材料や部品を輸入する分野でコストの低下が期待される一方、一部からは電子製品などの輸出の動きが鈍る可能性があるとの声が上がっている。
経済部の関係者は、化学原材料、機械設備、自動車電子部品などの日本製品を輸入する産業で円安の恩恵を受けるだろうと語る。反対にスマートフォンやタブレットパソコンの輸出のほか、高級自転車や工作機械などにも影響が出る恐れがあるとしている。
また、今のところ円安に乗じて日本への積極投資を検討する台湾メーカーの動きは見られないとしているが、一部では技術協力や企業の合併・買収に向けた話し合いが行われているという。
円安の影響は旅行業界にも及んでおり、日本旅行を計画している人も増えている。旅行業関係者は、9月から販売が開始された米アップル社の新型スマートフォンiPhone6が日本で台湾よりも4000台湾元(約1万5000円)以上安く購入できることから、問い合わせが相次いでいると話している
老朽艦いまだ現役、独自開発の行方は 台湾海軍の潜水艦
建造開始から70年以上がすぎた第二次世界大戦(World War II)時代の潜水艦「海豹(Hai Pao)」は博物館に所蔵されていてもおかしくない。だが同艦はいまだ台湾海軍の現役艦だ。
かつて米軍に所属した年代物の潜水艦を台湾が現在も使っている背景には、中国政府の顔色をうかがう欧米諸国の支援が得られないため何十年も潜水艦戦力を増強できないでいる現実がある。
台湾を自国の領土と主張する中国は、台湾への武器輸出に反対している。だが台湾の防衛に最新の潜水艦部隊は不可欠だと専門家たちは指摘する。中国の軍事的脅威に対する有効な抑止力になるというのだ。
しかし米国もドイツもスペインも、中国政府への配慮から台湾への潜水艦輸出には後ろ向きだ。
台湾海軍は現在、1940年代に建造された老朽潜水艦2隻のほかに、1980年代に就役したオランダ製の潜水艦2隻を運用している。一方の中国海軍は原潜14隻を含む60隻以上の潜水艦を保有している。
台湾国内で今年、潜水艦の製造計画が検討された。立法院(国会に相当)外交国防委員会に属する林郁方(Lin Yu-fang)議員は「見通しはかなり明るい」と言う。台湾の潜水艦開発計画はまだ正式決定されていないが、林氏は「政府は国産潜水艦開発プロジェクトに予算をつけるかもしれない」と意気込む。
台湾はこのプロジェクトで米国の協力を仰ぐだろうと林氏は言う。米国は台湾にとって主要な武器供給国だ。
林氏をはじめとする議員団は最近、米国の首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)を訪問し、米国の政府当局者や議員たちと武器供給計画について会談した。議題の中心は潜水艦プログラムだった。
「この問題での反応は以前は冷たかったが今回は違った。彼らは熱心に聞いてくれた。私たちがこの件に積極的になったために態度を変えたようだ」と林氏は言う。
潜水艦プロジェクトの賛成派からは、米国が潜水艦そのものではなく戦闘システムとノウハウの提供にとどめるならば、中国からの政治的圧力を減らせるのではないかという見方が出ている。
今のところは海豹と、同じく米国で1940年代に建造された「海獅(Hai Shih)」の、海獅(米グッピー2 Guppy II)級2隻が台湾の潜水艦隊の主力だ。
毎年行われている海軍演習を終えて台湾南部の左営(Tsoying)海軍基地に戻って来た海豹の艦内は見事に磨き上げられて光を放っていた。それは乗組員のプライドだ。
海豹のLiu Si-wei 艦長は昨年、米国で上級潜水艦士官訓練課程を修了した。共に訓練を受けた米国の士官の中には現在、原潜の艦長を務めている人も数人いるという。「海獅級の2隻がまだ現役だと聞いて、クラスメートたちは『素晴らしい』と言っていました。事情が許せばぜひ見てみたいとも言っていました」(Liu艦長)
耐圧殻のゆがみと金属疲労のため、2隻とも今では設計深度の10分の1に満たない水深20メートルまでしか潜水することができない。台湾海軍は来年、8億台湾元(約30億円)以上をかけて、この2隻のうち1隻を改修することを計画している。いずれ2隻とも耐圧殻を更新する計画だ。
アジアの安全保障や公共政策に関する米シンクタンク「Project 2049 Institute」のマーク・ストークス(Mark Stokes)代表は、台湾独自の潜水艦の建造は夢物語ではないと言う。すでに40万トンの石油タンカー1隻や海軍のフリゲート艦7隻などを建造した実績がある台湾の造船業界は、世界全体でみてもトップクラスだと同氏は指摘している。
中国の便所レストラン 大陸22店、台湾3店の人気チェーンに
大小便やセックスなどの下ネタをおおっぴらに語ることは、共産主義下の中国では長らく抑圧されてきた。それゆえ、タブーが解禁されつつある現在の中国では、“下ネタ=今っぽい”というイメージがあるようだ。
そんなイメージを体現したのが『便所餐庁』というレストラン。随分とストレートなネーミングだが、流行りに流行って、現在では中国大陸に22店舗、台湾に3店舗を展開する人気チェーン店なのである。
店内に入ると、客たちは洋式便器に座って食事をしながら談笑している。ガラス製の食卓の下にデカデカと置かれているのは、ウンチの置き物だ。
看板メニューは和式便器に盛られた「馬桶(=便器)5号」という名のチョコレートアイス。リアルな色と質感にまるで食欲が湧かないが、客たちは「面白いねぇ」といいながら笑顔でパクパク。日本にオープンしたら、この店流行るだろうか……。