米中がITA拡大交渉前進へ、台湾は251億元の減税効果
中国とアメリカが、IT製品への関税撤廃を定めた情報技術協定(ITA)の拡大に向けて交渉を進めることで合意した。早ければ12月にジュネーブでWTO(世界貿易機関) 加盟国の承認が得られる。次世代半導体など200項目余りの製品に対する関税が撤廃され、世界全体で年間1兆ドルの関税が減少し、その一方で世界のGDP は1900億ドル増加する見込み。
台湾の卓士昭・経済部次長(次官)は、台湾の主要輸出製品である液晶装置、テレビなど100項目余りの製品が関税撤廃の対象となり、年間で8億1600万ドル(約251億100万元)の減税効果が期待できると話している。
台湾の出生率は世界最低、このままでは“人口減少・高齢化・貧困化”の可能性
台湾・中央研究院(中研院)によると、台湾で昨年、1人の女性が生涯に産む子供の数を推計した合計特殊出生率は1.065にとどまり、世界最低だった。同地の労働力人口は今後、大幅に減少する見通しで、このままでは台湾は人口減少と高齢化、貧困化に悩むこととなるという。シンガポール・聯合早報網が11日伝えた。
台湾・聯合晩報の報道によると、中研院の研究者、董安氏は「台湾の人口が増えもせず、減りもしない最適な状況を維持するには、全ての女性が平均2.1人を出産する必要がある」と指摘。また、「出生率が過度に低ければ社会で労働力が不足し、生産が減少、所得が減り、政府の税収も足りなくなる。年金や社会保障も圧縮される恐れがある」と説明した。
調査対象となった世界40の国・地域のうち、台湾を含めて高所得の17カ国・地域で合計特殊出生率は平均1.6だった。ロボットが労働力を代替することにより、北米や北欧では合計特殊出生率が2を割り込んでも経済や生活の水準に打撃を与えることはないという。ただ、台湾の合計特殊出生率は低すぎるため、董氏は「もしも政策による対応がなければ、心の準備をしておく必要がある」と警鐘を鳴らした。
オーディオテクニカ、人気ヘッドホンを台湾生産[製造]
音響・映像機器メーカーのオーディオテクニカ(東京都町田市)は11日、台北市で2014年の新製品発表会を開催した。同時に、ロングセラーだったイヤフィットヘッドホン「ATH―EM7」の後継機種「ATH―EM7x」を、来年1月から台湾工場で生産し現地販売することも明らかにした。
主力のヘッドホン新製品には、音楽CDより高音質のハイレゾリューション(ハイレゾ)音源が再生できる機能を搭載。さらに今回、トライジェンスセミコンダクター(東京都千代田区)の独自開発によるデジタル信号処理技術「Dnote」を採用したフルデジタルUSBヘッドホン「ATH―DN1000USB」を発表した。同社の松下和雄社長は「近年、消費者はかつての音楽ファンが追求した高音質志向に回帰する傾向がある」と話し、ニーズに応えるためハイレゾ対応高級ヘッドホンのラインアップを増やしたと述べた。
同社は近距離無線規格「ブルートゥース」を内蔵したワイヤレスヘッドホンにも注力し、重低音再生に注力した「ATH―WS99BT」や、防水効果に優れた「ATH―SPORT4」などを発表した。さらに来年1月からは、鍛造アルミニウム合金を使用した人気ヘッドフォン「ATH―EM7」の後継機種となる「ATH―EM7x」を現地法人の台湾鉄三角で生産・販売する。
オーディオテクニカは高性能マイクにも定評があり、米国の世界的な音楽賞「グラミー賞」授賞式では1998年から17年連続、都市型ロックフェスティバル「サマーソニック」では2002年から13年連続でマイクを提供。五輪でも1996年アトランタ大会以来、夏季・冬季を通じ10大会連続で1大会当たり数百本~1,000本のマイクを提供している。
安室奈美恵、ジョリン・ツァイのプロモ出演のため台湾訪問
歌手の安室奈美恵が、同じく歌手で15日にニューアルバム「PLAY」をリリースするジョリン・ツァイ(蔡依林)の新曲プロモーションビデオ出演のために訪台し、11日に台中市内の霧峰林家花園で撮影を行った。台湾の複数メディアが伝えている。
霧峰林家花園は19世紀中期から台湾中部の豪族として君臨した林家の邸宅を保存した観光地。この日は撮影のために臨時休園となった。安室はロケバスに乗車し昼ごろ現場に到着。手で顔を隠しながら敷地内に入った。
林家花園の外には情報を聞きつけたファン十数人が集まったが、安室は深夜に撮影が終了するまで外に姿を現すことはなかった。また、撮影中には激辛鍋(マーラーグオ)が届けられ、スタッフらに振る舞われたという。
ソフトバンクVに貢献の郭泰源氏、台湾球界に復帰し若手育成に意欲
台湾プロ野球・統一のヘッドコーチ兼投手コーチに就任する元西武の郭泰源氏(52)の入団会見が11日、台北市内のホテルで行われた。背番号は88。
郭氏は2013年から日本プロ野球・ソフトバンクで投手コーチを務め、2014年の日本シリーズ制覇に貢献するも、今月5日に退団が発表されていた。
統一の陳連宏監督は郭氏のプロの技術を借りることで投手陣の強化を行い、チームの競争力を高めたいと述べた。
郭氏は入団を決めた理由を、日本シリーズ終了後に統一の蘇泰安社長から積極的なオファーを受け、球団に誠意を感じたためと語り、いい選手を1人でも多く育てたいと意気込んでいる
“食べられる”奈良の鹿せんべい、台湾で12月から発売へ
奈良県奈良市とライセンス契約を結んだ台湾の食品会社が、12月から食べられる鹿せんべいを販売することが分かった。
訪台した仲川元庸奈良市長は11日、台北で記者会見を行い、台湾での発売の理由について、奈良の知名度を高めるためと説明。製造を請け負う「布里王子の麺包厨房」の梁懿麒総経理(社長)は、原材料の米ぬかに調味料を配合したものだと紹介している。
価格は奈良市側が決めるとして未定だが、1箱7~8枚入りが70~120台湾元(約260~450円)で販売されると見込まれている。記者会見では仲川市長のほか、奈良市観光協会のキャラクター、しかまろくんも登場し、鹿せんべいをアピールした。
台北101の年越し花火、来年も200秒超 協賛金不足の不安も
超高層ビルの台北101は10日、2015年の年越し花火の打ち上げ時間について、前回と同じ218秒になると発表した。だが、同ビルの宋文キ会長は、実施に必要な約3000万台湾元(約1億1000万円)の協賛金を提供するスポンサーがまだ見つかっていないと語っている。11日付の自由時報が報じた。(キ=王へんに其)
宋氏はアラブ首長国連邦・ドバイの超高層ビル、ブルジュ・ハリファの年越し花火の予算は1000万米ドル(約11億5000万円)で、企業とのコラボレーションや広告収入などから捻出していると指摘。台北101も広告会社と積極的な協議を行っているとしている。
宋氏は予算を確保できるよう努力を重ねているが、今のところ大きな進展はないと述べた一方、最終的に十分な協賛金が集まらなかった場合でも、年越し花火は実施するとの考えを示した。
同ビルの年越し花火には前回に引き続き、アテネ五輪の閉会式の花火ショーなどを手がけたフランスの「グループ・エフ」が参加予定。2014年の年明けの際には、218秒にわたって約2万4000発が打ち上げられた。