「刑務所史上最大の醜聞」 台湾、所長が受刑者に便宜供与
台湾の台北地方法院検察署(地検)は13日、刑務所の所長らが受刑者に便宜を図った見返りに賄賂を受け取った疑いがあるとして、収賄容疑で一部刑務所職員の身柄拘束を始めた。財閥の元総裁のほか、暴力団幹部にも便宜を図った可能性があり、「刑務所史上最大の醜聞」(中国時報)と報じられている。
取り調べを受けているのは、離島・緑島の刑務所長(50)ら複数の刑務所の職員ら約20人。刑務所長は2012年3月から今年1月に台北刑務所で副所長を務めた際、財閥「東森集団」の元総裁(59)の秘書から現金やホテルの宿泊券などを受け取り、元総裁が「刑務所内のオフィス」から関連会社の経営方針や人事について指示するのを手助けした疑いが持たれている。
元総裁は、海運会社を大手ケーブルテレビ「東森電視」などを傘下に持つ財閥に成長させた著名人。株式の架空取引などで2007年に懲役判決を受けた。
刑務所長は、緑島でも受刑者家族から計約100万台湾元(約380万円)相当の金品を受け取り、酒や高級茶葉などの「禁制品」の持ち込みを認めていたとされる。
また、暴力団幹部の房から高級洋酒が発見されており、違法行為が複数の刑務所に広がっていた可能性がある。
内政部、故宮南院予定通りの竣工に自信
内政部営建署は12日、建設中の国立故宮博物院南部分院(南院)の、現在の工事の進度は予定を上回るペースであり、予定通り、2015年10月に竣工できるよう工事の進度を引き続きしっかり管理していくと述べた。
国立故宮博物院は、台湾中南部・嘉義県太保市に南部分院を建設している。中華民国政府で公共工事の建設を担当する内政部営建署、南部工程処の呉瑞安・処長は12日、10月23日までの工事の進度は36.35%で、予定の34.47%を上回るペースだと明らかにした。呉・処長はそして、来年10月には竣工できるよう工事の進度を引き続きしっかり管理していくと述べ、スケジュールどおりのオープンに自信を示した。
南部分院は、台湾中南部に文化、社会、経済の発展をもたらせるようにと計画され、オープンしてからはアジア各地の文物を主に収蔵する、「アジア芸術文化博物館」という位置づけになる。収蔵のほか、研究、メンテナンス、教育、展示などの機能が備わっている。
また、建物はグリーン、安全、防災を重視した設計で、耐震機能では新しい、滑り振り子型免震装置を採用しているという。洪水への対抗措置としては、近くにある河川、朴子渓で200年に一度発生する高い水位を想定した施設を設ける。
故宮博物院南部分院は来年中には試験的な運営を始める計画で、2016年10月には、日本の東京国立博物館ならびに九州国立博物館の国宝などによる、「日本美術の粋」展覧会が開かれることになっている。
行政院、「模範公務員」を表彰
行政院が、他の模範となるべき顕著な功績があった公務員を表彰する「模範公務員」の表彰が13日、行われ、江宜樺・行政院長はこのセレモニーに参加し、30人の受賞者を表彰した。
江・行政院長は、台湾中部、彰化県の地方検察署で食品の安全に関する不正を複数摘発し、今は台湾南部・屏東県の地方検察署に勤務する葉建成・主任検察官や、65歳以上の農家を対象した年金改革で、歳出の削減に貢献した、行政院農業委員会補導処農民福利科の陳怡任・科長を讃えた。
江・行政院長はまた、民間業者と提携して台北市のレンタサイクルyoubikeを成功させた、台北市政府交通局の劉嘉祐・科長について「公務員の中で、民間業者と積極的に提携しようと考える人はどれだけいるだろうか。youbikeは何度かの失敗ののちついに成功し、今では他県・市のモデルになっている。こうしたことに黙々と取り組んでいる無名の英雄たちに注目すべきだ」と述べた。
江・行政院長は、毎年の表彰で、より多くの公務員が市民のために奉仕し、有益なことを行い、弊害を取り除くよう奨励したいとし、それによって台湾の人々の、公務員に対するイメージも大きく変わると期待した。
台日がグリーンテク分野で協力
台湾と日本の産業連携を推進するために経済部が設けている「台日産業連携推進オフィス」(TJPO)と、日本の電気メーカー、パナソニックの台湾子会社、パナソニック台湾は13日、地球環境問題の解決策となるような技術、グリーンテクノロジーに関する協力合意書を締結した。
双方は今後、グリーンテクノロジーの分野、低炭素都市などの分野において協力するとともに、研究、開発、技術交流及び合資などの方法、説明会、フォーラム、シンポジウムなどの活動によって、共に全方位的な協力を進め、今後発展がみこめる産業について、双方の国際競争力を強化していくという。
「台日産業連携推進オフィス」(TJPO)は、2012年の設立以来、台湾と日本の産業提携の窓口及びプラットフォームの役割を担い、大企業から中小、地方企業に渡るまで、双方の企業の協力、交流のサポートをしてきた。
経済部によると、今年の10月までの提携は154件、投資金額は台湾元225億9100万円(日本円にしておよそ852億7930万円)に達しているという。経済部では、世界経済の急激な環境変化及びアメリカ、日本など主要国家の産業政策に対応するため、台湾と日本の企業提携を積極的に進めていきたいとしている。
経済部はさらに、中華民国台湾の産業チェーンの不足箇所を補うため、そして日本と共に補いあい、利益をわかちあうという前提のもと、日本の大手企業との協力を進め、台湾のメーカーの新たな領域への発展、世界へのビジネスチャンス拡大を促したいとしている。
台北ドームで上棟式行われる
ファーグローリーグループの趙藤雄・董事長(左から5番め)は、13日、台北市の新たなランドマーク、台北ドームの上棟式に出席。趙・董事長によると、台北ドームの工法は4600トンのドームの屋根部分を、地上62メートルの高さまで持ち上げてつなげる、世界でも非常に珍しい工法だという。
台湾の大手企業グループ、ファーグローリー(遠雄)グループと日本の大手ゼネコン、大林組は13日午前、台北市内で建設中の台北ドームの上棟式を行った。
ファーグローリーグループの趙藤雄・董事長によると、台北ドームの工法は4600トンのドームの屋根部分を、地上62メートルの高さまで持ち上げてつなげる、世界でも非常に珍しい工法だという。
台北ドームの構造は、台湾超偉公司の陳福松・博士設計によるもので、たまご型のデザイン。横230メートル縦170メートルで、非対称の室内ドームとしては、世界最大の建築になるという。ドーム部分の骨組みはすべて円形のパイプで、主構造に対して45度の角度の網の目のように作られている。また、世界で初めて、グリーン建築とクラウド技術を融合したクラウドグリーン建築のドーム球場だということで、趙・董事長は、世界一流の建築であるとともに、国際都市のランドマーク、国際都市の誇りとなる建築だと強調した。
趙・董事長は、台北ドームを中心とする台北ドームパークは、およそ10.2ヘクタール、松山たばこ工場跡地を入れると18ヘクタールの、文化、科学技術、環境保護をテーマとした総合パークだと紹介している。台北ドームでは高さ72メートル、4万人収容の野球場が建設されるほか、ホテル、事務所、ショッピングセンターが設けられる。
台北ドームは、2017年、台北市で開催される大学生のオリンピック、ユニバーシアードの開会式、閉会式、野球競技などで使用される予定となっている。ファーグローリーグループは、再来年の2016年年内に完成し、試験営業を始めたいとしている。
台湾当局、今年の訪台観光客数のべ950万人突破見込む
中国メディア・中国新聞網は台湾交通当局関係者が同日、今年台湾を訪れる観光客数がのべ950万人に達する見込みであることを明らかにしたとする台湾メディア・中央社の報道を伝えた。
台湾交通当局の葉匡氏は、今年の訪台観光客数がすでに800万人を突破し、900万人の達成は間違いないとコメント。950万人に達する可能性さえあるとした。
訪台観光客数は年々増加傾向にある。1976年に100万人を突破してから30年あまりかけ、2009年に400万人を突破して以降は、毎年100万人ペースで増加。13年には801万人に達した。
葉氏は観光客数の増加に伴って空港の利用者も過去最高を記録していると紹介。08年にはのべ2400万人あまりだったが、今年は4000万人の利用が見込まれており、空港のキャパシティの問題が起きているという。08年には43万人だった海路からの観光客数も、今年は130万人を突破する予想だ。
さらに、自由貿易港エリアの業務量も毎年30%以上のペースで増加しており、13年には6000億台湾ドル(約2兆2650億円)の規模に達したと葉氏は明かした。
馬英九総統「台湾は付加価値の創造で新たなスタートを切るべき」
馬英九総統は13日、国営通信社「中央通訊社」が開催した台湾の創造力をテーマにした新刊書の発表会に出席し、台湾は受託産業に頼らず、付加価値を創造することで新たなスタートを切るべきだと述べた。
馬総統は国家発展委員会や経済部による取り組みに触れた上で、ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授の指摘を引用し、台湾は効率を重視した経済から創造性重視の経済に移行することで、高い競争力を得られると語った。
オバマ大統領「台湾の独立は支持しない、チベットの独立も支持しない」
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とオバマ大統領が北京の人民大会堂で会談を行った。会談では米中関係や国際・地域の問題について意見交換が行われたという。
その中でオバマ大統領は「米国は国際社会の平和、繁栄、安定に、中国がより大きな力を発揮することを歓迎し、支持する。これは米国の利益とも合致する」とし、米国のアジア重視政策が「中国を包囲するためのものではない」と強調した。
報道は、オバマ大統領が「台湾の問題における米国の立場に変化はない。米国は台湾の独立を支持しない。引き続き、両岸関係を改善することを支持する」とし、さらに「米国はチベットは中華人民共和国の一部と認識しており、チベット独立を支持しない」と述べたことを伝えている。
国防部「台米軍事関係の発展を継続推進」
国防部が、台湾とアメリカの軍事関係の発展を引き続き推進すると宣言した。
一部のメディアが、アメリカのオバマ大統領と、中国大陸の指導者、習近平氏が12日に中国大陸・北京で会談し、主要軍事演習の相互報告と、海上、空中で遭遇した際の行動基準という、アジアにおける偶発的衝突防止のための2項目の軍事相互信頼メカニズムについて合意に達したと伝えた。
国防部の邱国正・副部長は13日、立法院外交及び国防委員会で、この件が台湾とアメリカの軍事戦略に影響を与えるかどうかを問われ、双方の間にはアメリカの「台湾関係法」における6項目の保障という基礎があり、オバマ大統領も会談においてそれに触れているとし、「今後もこれまでと同様、アメリカと良好な関係が築けるよう引き続き努力していく」と述べ、他の国・地域の言うことで、ただちに自らを疑うことはないとの立場を示した。
TSMC、「16ナノFinFET+」の試作開始[IT]
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は12日、16ナノメートルの「立体構造トランジスタ(FinFET)プラス」製造プロセスによる試作を既に開始したと発表した。同プロセスによる量産は来年7月にも開始する見通しだ。
16ナノプロセスは、TSMCの現在量産可能な最先端の20ナノプロセスの次世代技術。16ナノFinFETプラスは、先行して量産準備を進めている16ナノFinFETの性能をより高めたもので、20ナノプロセスに比べて処理速度が40%速く、消費電力を50%抑えることができるという。
TSMCは今月中にも16ナノFinFETプラスのすべての信頼性検証を完了させる予定。同プロセスを採用した約60製品が2015年末までに設計の最終段階(テープアウト)に入る見通しだ。同社は「これまでの製造プロセスと比べ、歩留まりの改善など開発は最も順調に進んでいる」と、今後の供給体制の構築に自信を示している。
同社は発表で、16ナノFinFTEプラスを採用する顧客からとして、米アバゴ・テクノロジー、米フリースケール・セミコンダクタ、韓国LG電子、台湾・聯発科技(メディアテック)、米エヌビディア、ルネサス エレクトロニクス、米ザイリンクスの歓迎のコメントをそれぞれ掲載した。
日本の皇室とゆかりの五條堀孝氏に名誉博士号
成功大学(台南市)は遺伝学者の五條堀孝氏に対し、全遺伝子情報(ゲノム)に関する研究などでの貢献をたたえ、名誉博士号を授与した。
五條堀氏は成功大生物化学及び科学技術学院の客員教授を務めるなど同大と深い関わりがあり、大学側では国際交流を促進し、研究成果の可視性を高めてくれたと氏の功績を語っている。
五條堀氏は秋篠宮文仁親王が博士号を取得した際の指導教官で、天皇陛下との共同研究を行ったこともある。
適量の鶏肉摂取、認知症予防に効果 台湾の最新研究で明らかに
人民網は、台湾で行われた最新の研究で、鶏肉を適量食べることで認知症や記憶力の低下を予防できることが分かったと報じた。
研究者はビタミンB3の派生物であるニコチン酸を認知症の症状を持つマウスに与えたのち、難易度の高い動作をさせる実験を行った。その結果、マウスの症状が軽減されたことが明らかになった。研究者は、タンパク質に含まれるビタミンB3が欠陥のある脳細胞を改善し、認知症の進行を防ぐとの見解を示した。1日に必要とされるビタミンB3の摂取量は、指3本分程度の鶏肉、あるいは茶碗半分の玄米とのことだ。
鶏肉を食べると認知症予防になるという研究結果にかんして、米ボストン大学の研究も同様の結論を発表している。同大学の研究グループは心臓の健康調査結果について深く分析、コリンの摂取量がもっとも多かった被験者が、記憶力テストで良い成績を残したことを発見した。また、これらの被験者に対して大脳スキャンを行ったところ、脳卒中や認知症の危険信号とされる脳白質病変の出現が少なかったことも分かった。教育、脂肪やカロリー摂取量といった要素を考慮しても、この結果が成り立つという。
同大学の研究者は、コリンの摂取量が偏って低いばあい、記憶力を失うリスクが増加するとともに、認知症にかかりやすくなると説明。コリン摂取量と、大脳の化学伝達物質であるアセチルコリンのレベルが密接に関係しているとした。鶏肉、鶏卵、雑穀などが、コリンを豊富に含む食材だ。
卒業制作の資金集めで 私立女子大生が美女カレンダー発売
輔仁大学(新北市)マスコミ学科の学生らが、卒業制作展示の資金確保のために12人の現役女子学生の写真やイラストを組み合わせた“癒し系”の2015年版カレンダーを発売する。
マスコミ学科によると、来年の卒業制作には約6万台湾元(約23万円)の資金が不足しており、同学科の美女を「総動員した」という。カレンダーは同校の精神である「真・善・美・聖」の概念に基づき、寓話の世界をイメージして作られた。
すでにインターネット上で予約を受け付けており、12月6日の同校創立記念日に行われる学園祭で正式に販売が開始される予定。会員制交流サイトの特設ページでは、学生らのプロフィールやオフショットなどが見られる。
台湾・中央銀行総裁、過度な円安は日本経済に悪影響と指摘
中華民国(台湾)中央銀行の彭淮南総裁(75)は12日、過度の円安は日本経済に悪影響をもたらす恐れがあると述べるとともに、国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事の言葉を引用し、アベノミクスが効果を発揮していないとの考えを示した。
また大幅な円安について、日本の中央銀行は米連邦準備理事会(FRB)と同様に、国際金融市場の安定に責任を負うべきだと語った。
一部から関税の影響を軽減するために中央銀行は台湾元を下落させるべきとの提案が出ていることについて彭氏は、他の国・地域と同じように通貨安を誘導しても、相対的には台湾元安にならないとし、物価上昇などの影響も考慮する必要があると述べた。
国民党幹部「今回の台北市長選は中華民国と台湾独立の対決」
元行政院長(首相)のカク柏村氏は12日、与党・国民党側の決起大会に出席し、29日に投開票が行われる台北市長選の連勝文候補(同党所属)への応援演説の中で、「今回の台北市長選は中華民国と台湾独立の対決」だと語った。(カク=赤におおざと)
カク氏は、台北市は中華民国の首都であり、市長は必ず中華民国に忠を尽くさねばならないとした上で、連氏はその条件を備えていると強調。また、台湾独立は悪影響しかもたらさないと述べた。
連氏の対立候補で、野党が後押しする柯文哲氏(無所属)は13日、メディアの取材に対し、(今回の選挙は)“真の中華民国”と“偽の中華民国”の対決などと述べ、カク氏の発言に反論した。
日台産業の連携推進窓口とパナソニック台湾 LOIに調印
経済部の日台産業協力の支援窓口機関である「台日産業連携推進オフィス」(TJPO)とパナソニック台湾は13日、グリーンテクノロジーの分野で協力意向書(LOI)を交わした。
双方は低炭素社会を目指すスマートエコシティなどの推進に取り組む考え。研究開発や技術交流、合資などを通じて潜在力のある産業の国際競争力を高めたいとしている。
同オフィスは、経済部が推進する「台日産業連携架け橋プロジェクト」の実施後に設立された。経済部によると今年10月までに154件の協力案件を実現しており、投資された金額は226億台湾元(約852億円)に上るという。
経済部では今後も日本企業と台湾メーカーの協力関係を促進し、産業面での弱点を相互に補いながら新たな分野での発展を推し進め、世界的な商機を生み出したいとしている。
「最も懸念すべき事態が起きた」中韓FTA合意で台湾に衝撃
2014年11月11日、鳳凰網は記事「中韓FTA妥結へ=“最も懸念していた問題が起きた”と台湾政府」を掲載した。
習近平(シー・ジンピン)国家主席、朴槿惠大統領は首脳会談を行い、中韓自由貿易協定(FTA)で合意したことを発表した。農業分野を守りたい韓国、機械工業分野を守りたい韓国の亀裂は大きく交渉は膠着していると報じられてきたが、トップ会談で大きく前進した。
この状況に衝撃を受けたのは台湾だ。台湾紙・中国時報によると、孫立群・行政院報道官は「最も懸念すべき事態だ」と危機感をあらわにした。国民党の陳以信報道官は野党・民進党が協議を妨害し両岸経済協力枠組協定(ECFA)の調印を遅らせていると批判した。
台湾では今春、学生が議会を占拠する「ひまわり学運」が起きた。学生の撤退の条件としてECFAを監視する第三者機関を設立する両岸協議監督条例の立法が約束されたが、議論は進んでいない。またサービス貿易協定の批准も延期されたままだ。産業分野が似ている韓国は台湾にとって中国市場を争うライバル。中韓FTAの合意は台湾に衝撃を与えている。
馬英九総統「台湾は付加価値の創造で新たなスタートを切るべき」
馬英九総統は13日、国営通信社「中央通訊社」が開催した台湾の創造力をテーマにした新刊書の発表会に出席し、台湾は受託産業に頼らず、付加価値を創造することで新たなスタートを切るべきだと述べた。
馬総統は国家発展委員会や経済部による取り組みに触れた上で、ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授の指摘を引用し、台湾は効率を重視した経済から創造性重視の経済に移行することで、高い競争力を得られると語った。
歌姫同士のコラボ ジョリンと安室奈美恵、PVで伝統的衣装を披露
)台湾の歌姫、ジョリン・ツァイ(蔡依林)の新曲プロモーションビデオ(PV)の収録が11日に台中市内で行われ、日本から駆けつけた歌手の安室奈美恵とともに中国風の伝統的衣装を披露していたことが分かった。
この日安室が特別出演したのはダンスナンバー「I’m Not Yours」のPVで、ファンへのサプライズとして中国語の歌にも挑戦した。“中洋折衷”を表現し、海を越えたコラボレーションを楽しんだという。
ジョリンと安室は2012年に関係者らと食事をして以来、音楽やダンス、パフォーマンス、スイーツなどの共通の話題があることから意気投合し、今回の訪台PV撮影につながった。
ジョリンは今月15日に約2年ぶりとなるニューアルバム「PLAY」をリリースする。
三菱電機、エレベーター技術者の養成施設開設
三菱電機の台湾子会社で、エレベーターを製造する台湾三菱電梯は11日、桃園県亀山郷で建設を進めていた、エレベーターとエスカレーターの技術者養成センター「台湾三菱電梯桃園新教育中心」の開所式を行った。
12日付経済日報が伝えた。センターは技術者の育成と技術の継承が主目的で、1996年に新竹工場内に開設した施設を移転・拡大した。総投資額は2億台湾元(約7億5,000万元)。エレベーターやエスカレーターは製品の特性上、納入前の厳格な運転試験と納入後の定期検査が欠かせないことから、センターで専門的の技術者を養成し、顧客の安全への信頼に応えていく。
三菱製のエレベーターは台湾三菱電梯が現地生産し、エスカレーターは三菱電機グループが中国やタイに設けている工場から台湾に輸入している。同社の広報担当によると、センターは敷地面積1,000平方メートル、延べ床面積4,500平方メートルで、12月1日から運営を開始する。エレベーターとエスカレーターそれぞれの訓練過程が設けられ、対象となる技術者は約900人。1カ月当たり約50人が受講するという。
世界で優れたホテルを持つ都市、台湾・花蓮は16位でアジア3位
ホテル予約サイトのアゴダが11日に発表した優れたホテルを持つ世界の都市ランキングで、台湾東部の花蓮が世界16位、アジアではベトナム・ホイアン(世界10位)、タイ・カオラック(同15位)に次ぐ3位になったことが分かった。日本の最高位は22位の長野。
このランキングは100以上の宿泊施設を持つ都市のホテルなどを評価した結果をまとめたもの。1位は南アフリカのケープタウンで、以下モルディブ、スイス・ツェルマット、ニュージーランド・クイーンズタウンなどが続いた。
花蓮は大理石の断崖絶壁で知られるタロコ(太魯閣)渓谷や、美しい海岸線が続く七星潭に代表される大自然が観光客を引き付けた。
ランキングはホテルの豪華さ以外に、安さやコストパフォーマンスなどの面でも評価された。ハンガリーのブダペストは、低価格で優良な宿泊施設があるとして6位にランクインした。
金城武の木、ヤカンの石像がお目見え/台湾・台東
俳優の金城武さんが出演したエバー(長栄)航空のCMに登場し、風光明媚な風景で一躍脚光を浴びた台東県池上郷のアカギの木のそばに、花崗岩で作られたヤカンの石像が出現した。
ヤカンの石像は台東県政府や財団などが共同で設置したもので、CMの中で金城さんが腰掛けた石の近くに置かれた。エバー航空では写真撮影の“ベストポジション”の目印になるとしているほか、池上の美しい大自然の風景を大切にしてほしいと呼びかけている。
日本統治時代に建立の開拓記念碑、古跡指定で修復へ
花蓮県によって2012年に県指定の古跡として登録された「呉全城開拓記念碑」(花蓮県寿豊郷)をめぐり、修復などを含めた周辺整備に関する説明会が11日、現地で行われた。県は地域と連携し新たな観光スポットにしたい考えで、参加した地元の住民からは歓迎の声が上がっている。
この碑は、日本統治時代の1940(昭和15)年に当時の塩水港製糖が建立。呉全城と呼ばれるこの地域の歴史が記されている。花蓮の歴史に詳しい張政勝さんによると、1825年に台湾北部・淡水の豪商、呉全などが漢民族約200人と同地の開拓を始めたという。
開拓民らは先住民の襲撃や伝染病などに苦しめられ、集落の周囲には石垣を建設するなどしたが、呉は志半ばで病死し、生き残った人も多くが逃げ帰ったと伝えられている。
一方、日本統治時代には台湾への移民事業を手がけた山口県出身の実業家、賀田金三郎が「賀田移民村」を建設し、住民らはサトウキビ栽培に従事するなどして栄えたという。
記念碑がある場所は台湾製糖の所有地で、整備をめぐり裁判ともなったが、県文化局文化資産科の陳建村科長は、敷地全体を保存して多くの人が見学できるようになればと話している。
<中台閣僚>北京で非公式会談 交流加速を表明
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の台湾代表団に同行していた台湾の対中政策を主管する行政院大陸委員会の王郁※(おう・いくき)主任委員(閣僚)は12日、中国の対台湾政策を主管する台湾事務弁公室の張志軍主任(閣僚級)と北京市内で非公式に会談した。終了後、双方は、関係改善の基礎と位置づける「1992年合意」を堅持し、交流を加速させると表明した。(※は王ヘンに奇)
92年合意は、「一つの中国」を認めつつ、その解釈は中台各自に委ねるとの内容。主管官庁トップの会談は今年2月、6月に続き3回目だが、今回は非公式会談のみが行われ、停滞期にある中台関係を象徴した。「交流加速」は対外的に広がる停滞感を払拭(ふっしょく)させ、体面を維持する狙いがあるとみられる。
2月の初会談では非公式の場で中台首脳会談実現に向けて話し合うなど双方が積極的な姿勢を見せた。
だが、春には台湾で中国とのサービス貿易協定に反発する学生らによる立法院(国会)議場占拠を機に台湾住民の反中警戒感が噴出。同協定の承認は頓挫したままだ。8月には実務を取り仕切る大陸委ナンバー2の高官が中国に対する「情報漏えい疑惑」により更迭された。
さらに9月には、中国の習近平国家主席が「(高度な自治を保障する)『1国2制度』が台湾問題を解決する基本方針」と述べた。従来の台湾政策とは変わらないが、馬英九政権と関係改善を進めてきた中国側は同制度に触れてこなかっただけに、馬総統は「受け入れられない」と強く反発した。
台湾メディアによると、中国の張主任は会談後、中台首脳会談について「今回は話していない」と述べた。
死者13人、高雄市だけで感染1万人突破・・・デング熱「深刻な流行」で国民党が民進党攻撃
台湾では高雄市を中心にデング熱の深刻な流行が続いている。当局によると、2014年1月1日から11月10日までに、デング熱による死者は13人に達した。流行の中心は高雄市で、11月12日までの感染者は同市だけで1万656人になった。高雄市では、統一地方選の一環として29日に市長選が実施される。同市国民党陣営はデング熱の大流行を理由に、民進党所属の陳菊市長に対して「速やかに辞任せよ」と要求した。
台湾・衛生福利部疾病管制署によると、2014年1月1日から11月7日までの台湾全土における累計感染者は1万1130人に達した。デング熱流行が最も深刻な高雄市では、同期累計感染者が1万656人に達した。
高雄市以外の感染確認者数は屏東県(153人)、台南市(98人)、台北市(57人)、新北市(45人)、台中市(36人)、桃園県(24人)、澎湖県(13人)の順。台湾本島から離れた金門県と連江県での感染確認例はない。
衛生福利部疾病管制署によると、2014年1月1日から11月10日までに、台湾全土でデング熱感染者13人が死亡した。感染者の97%が高雄市で発生している。同署の周志浩報道官によると、高雄市では4月以来、過去5年間または10年間と比べて雨が多かった。同様に、平均気温が「0コンマ数度」高かった。このわずかな差が、蚊の成長に大きな影響を与えたことが考えられるという。
さらに高雄市では7月31日深夜から8月1日未明にかけて、大規模なガス爆発事故が発生した。そのため、三多路、外線三路、一心一心など多くの幹線道路が甚大な被害を受けた。破壊された道路に多くの水たまりができて、蚊の大量発生につながった可能性があるという。周報道官は、高雄市におけるデング熱感染拡大阻止について、市政府は人力面で「かなり厳しい状態だ」と述べた。
地方選:窮地の国民党がなりふり構わぬ口撃「辞任せよ」
台湾では29日、主要6地域の首長選挙が実施される。「国民党不利」との見方が強い。そのため、国民党によるなりふりかまわぬ民進党“口撃”が目立つようになった。高雄市では、国民党陣営がデング熱の大流行を理由に、民進党所属の陳菊市長に対して「速やかに辞任せよ」と要求した。陳市長は「ご指摘、ありがとうございます」と受け流した。台北市では国民党側が民進党候補の祖父が日本統治時代に官僚だったとして、選挙戦を、「新しい台北人と古い日本人の戦いだ」と表現した。
台湾全土では10日までにデング熱感染者が13人死亡した。全土における感染者数は12日までに1万1130人に達した。高雄市における感染者数は1万656人で、台湾全土の約96%だ。
高雄市では、統一地方選の一環として29日に市長選が実施される。同市議会の国民党議員団と、国民党から立候補した楊秋興候補の選挙陣営は11日、記者会見を行い、現職で民進党所属の陳菊市長に対して、デング熱対策を怠ったと非難。観光方面などで経済にも大きな影響を出したとして「市民に向ける顔がない」、「速やかに辞任せよ」と主張した。
陳市長は、デング熱の大流行にに見舞われることがあることは、熱帯都市である高雄の宿命であり、シンガポールやタイ、マレーシアも同様と説明。さらに「11月になってもこのように暑い」、「(2014年は)4年に1度とされるデング熱が発生周期のピーク年」など、不利な状況が多く重なったと説明。一方で「感染防止のための努力は一貫して続けてきた」と主張した。
陳市長はさらに「選挙戦時期と重なり、(デング熱問題は)“選挙化”してしまった」と表明。直接言及したわけではないが、国民党陣営はあらゆることを選挙に利用しようとするとの批判をにじませた。国民党側の「辞任せよ」との要求については、「ご指導、ありがとうございました」と述べた。
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◆解説◆
台湾では29日、首都・台北市を初めとして新北市、桃園県(12月25日に直轄市昇格の予定)、台中市、台南市、高雄市という六大都市・県の首長選挙が行われる。6地域の人口合計は、台湾全土の人口の6割以上になることからも、2016年の総統選挙で、現与党である国民党の「藍色陣営」と、最大野党の民進党をはじめとする「緑色陣営」の“勝敗”を占う地方選としても注目される。
現職は台北、新北、桃園、台中と、台湾北部から中部にかけては国民党首長、南部の台南、高雄が民進党首長だ。戦後になり国民党とともに台湾に移ってきた外省人の勢力が強い台湾北部、日本による統治も経験した人と、その子孫(本省人)の勢力が強く、「台湾の独自性」を強調する南部という構図が反映されている。
ただし、現在は国民党の支持率が低下しており、台北、台中でも29日の選挙では、民進党市長が誕生する可能性が高まっているとされる。仮にそうなれば、台湾六大地域の首長は、国民党:民進党=4:2が2:4と、逆転することになる。
苦戦が続いている国民党陣営では、民進党側に対する「なりふりかまわぬ“口撃”」も目立つようになった。
上記の高雄市におけるデング熱の問題については、台湾政府・衛生福利部疾病管制署が、高雄市でもデング熱大流行について、今年(2014年)の高温多雨、夏に発生した大規模爆発で道路が破壊され、多くの水たまりができたことなど、蚊の大量発生に結びついたと考えられる客観的理由を説明。高雄市政府の責任には触れず、むしろ「人力面でかなり厳しい状態だ」など、現地当局の努力が限界に近いニュアンスで説明した。
しかし、高雄市の国民党陣営は、デング熱の問題で市長をことさらに批判した。
台北市では、市長選の連勝文候補の選挙対策事務所の責任者である蔡正元が7日、民進党の柯文哲候補について、祖父が日本統治時代に学校教師・校長、教育関連の行政官を務めたことを強調し、「柯文哲候補は日本の家庭の出身だ。なぜなら祖父が日本の官僚だったからだ」、「日本の官僚は女性蔑視の精神を持っている。新しい台北人は女性を蔑視すべきでない。女性を蔑視する者は台北から消え失せるべきだ」、「今回の選挙は新しい台北人と古い日本人の戦いだ」などと述べた。