MRT松山線開通式、馬・総統「MRTは四つの特色」
台湾北部、台北市の新交通システムMRTの松山線の開通式が14日午後、台北市の郝龍斌・市長が主催して北門駅で行われた。馬英九・総統、行政院の江宜樺・院長らが招きに応じて出席した。
台北市の東西を結ぶ路線として三本目の松山線は全長8.5キロ。八つの駅が設けられる。松山線は15日午前6時に正式に開業、IC乗車券、イージーカードを利用すれば15日から1ヶ月間は無料。
馬・総統は開通式のあいさつで、台北市のMRTには、便利、安全、高品質、廉価(手ごろな運賃)という四つの特色があると指摘、年間の利用者数が今年は延べ7億人を突破すると話した。
郝・台北市長の前任者である馬・総統は、松山線は台北市内の第一段階のMRT交通網の最後の路線で、その開業により、すべての市民が便利な軌道交通に恵まれることになると喜んだ。
江宜樺・行政院長は、台北市のMRTはあまりにも便利であるため、みなは省エネルギー、二酸化炭素の削減、環境保護への軌道交通の貢献を忘れがちだと指摘、台北市のMRTの成果は世界各国にアピールすべき業績だと指摘した。
なお、松山線の開業により、1999年から15年間で延べ30億人を輸送した、新北市の淡水と新店とを結ぶ「淡水新店線」は15日から、「松山-新店」、「淡水-象山」の二つの新たな路線に生まれ変わる。
台北市政府新交通システム工程局の蔡輝昇・局長は、「四つの駅で他の路線に乗り換えられる松山線は、清朝末期の古跡を展示した北門駅、スポーツイベントやコンサートが行われる台北アリーナ駅、饒河街ナイトマーケットや道教の廟である慈佑宮、衣料品店が集まる「五分埔」のある終点の松山駅など、台北新交通システムでもっとも特色がある線だ。海外からやってくる人もぜひ体験してほしい」と話した。
円安受けて日系業者が値引きへ、経済部の呼び掛けに応じ
経済部は13日に座談会を開き、日系の自動車、化粧品、家電、食品などを取り扱う19の業者を招き、最近の円安ドル高傾向に合わせて日本製品の値下げを行うよう呼び掛けた。経済部がこのような呼び掛けを行うのは9月以来のこと。経済部の呼び掛けに対して、化粧品の台湾奇士美、日薬本舗、資生堂などは値下げの実施や福袋の販売を行うと表明。
また家電の台湾松下が冷蔵庫、電子レンジの一部を値下げ、自動車の和泰汽車(トヨタ)、裕隆日産がキャッシュバックやゼロ金利ローン、強制保険の期間延長を実施する考えを示した。大潤発(RT-MART)、全家便利商店(ファミリーマート)など流通7社も値下げを行う方針を示し、このうち大潤発はカップ麺、菓子などを約48%値下げすると表明した。
TSMC、「16ナノFinFET+」の試作開始[IT]
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は12日、16ナノメートルの「立体構造トランジスタ(FinFET)プラス」製造プロセスによる試作を既に開始したと発表した。同プロセスによる量産は来年7月にも開始する見通しだ。
16ナノプロセスは、TSMCの現在量産可能な最先端の20ナノプロセスの次世代技術。16ナノFinFETプラスは、先行して量産準備を進めている16ナノFinFETの性能をより高めたもので、20ナノプロセスに比べて処理速度が40%速く、消費電力を50%抑えることができるという。
TSMCは今月中にも16ナノFinFETプラスのすべての信頼性検証を完了させる予定。同プロセスを採用した約60製品が2015年末までに設計の最終段階(テープアウト)に入る見通しだ。同社は「これまでの製造プロセスと比べ、歩留まりの改善など開発は最も順調に進んでいる」と、今後の供給体制の構築に自信を示している。
同社は発表で、16ナノFinFTEプラスを採用する顧客からとして、米アバゴ・テクノロジー、米フリースケール・セミコンダクタ、韓国LG電子、台湾・聯発科技(メディアテック)、米エヌビディア、ルネサス エレクトロニクス、米ザイリンクスの歓迎のコメントをそれぞれ掲載した。
台北メトロ、年間乗客数が7億人突破の見通し
馬英九総統は14日、11月15日に開業を迎える台北メトロ(MRT)松山線の開通記念式典に出席し、同MRTの今年の乗客数が7億人を突破する見通しだと述べた。2013年の乗客数が約6億3500万人だった。
馬総統は、台北MRTは便利、上質、安全、廉価の4つの特色を兼ね備えていると賞賛。英国の公立大学インペリアル・カレッジ・ロンドンが世界各国・地域のメトロの分類基準としている「乗客数5億人」もすでに超えていると語った。
台北MRTは首都圏の渋滞緩和のために1988年に建設が始まり、1996年に最初の路線「木柵線(現・文湖線)」が開通。2012年には利用者の累計が50億人を突破している。
世界の都市娯楽レベル調査、タイ・バンコクが「成人の娯楽」で世界1位に
ある旅行サイトが世界の1830都市を対象にした調査で、タイのバンコクが「成人の娯楽」で評価がもっとも高い都市に選ばれたとする台湾メディア・中央社の11日付報道を伝えた。
この調査は、欧州のGetYourGuide and GoEuroという観光情報サイトが世界1830都市に対して、クラブ、バー、成人の娯楽、コンサート、博物館、ショッピングなど11の項目からその魅力について評価し、ランク付けしたもの。もっとも魅力のある都市として、25都市を選んだ。
バンコクは総合で22位だったが、「成人の娯楽」部門で世界1位を獲得。一方、バーやクラブなどの質や量で世界一となったドイツ・ベルリンに比べると、ビールが約2倍の値段とのこと。こういった点での魅力は、残念ながら薄いようだ。
負けない台湾、強さの秘密は指揮官の元阪神・郭李
野球の第1回21Uワールドカップ(11月7~16日、台湾・台中)で、プロ・アマ混成の台湾は絶好調だ。13日の2次リーグ第1戦でオーストラリアを9-3で破り、開幕から無傷の6連勝を飾った。
代表メンバー24人のうち、プロ選手は元巨人で台湾・義大の林イー豪投手など2人しかいない台湾。アマ中心のチーム構成にもかかわらず圧倒的な強さを見せる秘密は郭李建夫監督(45)の「意識改革」にある。(イー=羽の下に廾)
現役時代は日本プロ野球・阪神で中継ぎとして活躍した指揮官は、先月の合宿以来「さらなる高みを目指し、プロ選手より強い精神力を鍛える」ことを求めてきた。
この「郭李イズム」がチーム全体に浸透し、若手らは緊迫した場面でも勝負強さを発揮、それが9日の韓国戦での逆転勝利や、11日のイタリア戦での快勝につながった。
一方、チームの結束力の高さについては、「(ムードメーカーの)陳傑憲内野手のおかげだ」と郭李氏は語る。
陳選手は、日本での野球留学の経験から「明るいチームが勝つ」ことを学び、今大会では特に雰囲気づくりに力を入れたという。
郭李監督の下、快進撃を続ける台湾は14日のニカラグア戦に勝った場合、16日の決勝では日本と優勝を争う。
台湾初のIOC理事、国際ボクシング協会トップに3選
国際ボクシング協会(AIBA)の呉経国会長(68)が14日、韓国の済州(チェジュ)島で開かれた同協会の会合で3選を果たした。任期は2018年までの4年間。
呉氏は1988年から国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めており、2012年には中華民国(台湾)初のIOC理事に選ばれた。2013年はIOC会長選挙に立候補したが、ドイツのトーマス・バッハ副会長(当時)らに敗れた。
中国本土のツアー客がセーターを万引き、「後で払いに行こうと思っていた」と開き直り
台湾のTVBSによると、中国本土からのツアー客の女(56)が衣料品店で買い物中、「値段が高い」ことを理由に代金を払わずに商品を持ち去り、警察に連行されたが、「後で代金を払いに行こうと思った」と開き直っていたことが分かった。14日付で中国新聞網が伝えた。
女は衣料品店で買い物中、ショッキングピンクのセーターを気に入り、早速店員と値段交渉を始めた。定価8680台湾ドル(約3万2000円)が2割引になったが、女はそれでも高いと感じた模様。結局、セーターをその場に置いて、立ち去った。ところが、しばらくすると再びセーターを手に取る女の姿があった。セーターを体にあてて、似合うかどうかをしきりに確認している。すると、店員が他の客に気をとられている間に、セーターを丸めて店の外に持ち出した。
監視カメラの映像から、女は近くのビジネスホテルに宿泊している中国本土のツアー客であることが判明。警察官が翌日、ホテルの前で待ち伏せ、女を探し当てた。スーツケースの中を開けさせると、店から持ち出したセーターが入っていた。女は近くの派出所に連行されたが、調べに対し、「手持ちの金が足りなかっただけ。後日代金を払いに行こうと思っていた」と開き直った。だが、店は午後からの営業で、女は朝早い時間に集合し台湾 を離れてしまう。女は「6日5泊の旅行が台無しだ」と文句を言うだけで、反省の素ぶりは見せなかったという。
台湾最高峰・玉山で初雪 2.5センチの積雪
台湾最高峰の玉山(3952メートル)で、14日午前4時30分から同6時50分にかけて今年秋に入って初めての雪が降り、2.5センチの積雪が観測された。
中央気象局は、玉山の初雪は毎年11月8日~12月24日の間に降り、昨年の11月21日に続いて今年も例年通りだとしている。
同局によれば、玉山で観測史上最も早く初雪が降ったのは1986年の10月1日で、最も遅かったのは2008年の1月17日だという。
日台のホテル業者、アライアンス契約を締結 国際市場を視野に
ホテル業の台北イングループ(TIG)とアゴーラ・ホスピタリティーズ(東京都港区)が13日、東京でクロス・マーケティングアライアンス契約を締結した。今回の提携で互いの市場拡大に期待がかかっている。
宿泊客により良いサービスの提供を目指す両社は今後セールス・マーケティング、広報活動、人材交流などの分野で協力することになる。
台北市に本社を置くTIGは2005年の創業以来、世界中の顧客に台湾の人々の温かさや独創性を感じてほしいとの理念に基づき、中低価格でホテルを展開。現在、台湾各地で4ブランド10施設を運営している。
昨年の訪台客約800万人のうち、日本からは約2割に相当する142万人と1位の中国大陸に次ぐ規模だった。一方、台湾は同年の訪日外客ランキングで2位にランクインしており、互いにとって重要なマーケットとなっていることも今回の提携の理由として挙げられている。
馬・総統、カナダに台湾のTPP参加支持求める、
馬英九・総統がカナダに対し、台湾のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加支持を訴えた。馬英九・総統は14日午前、カナダ議会の議員連盟、台湾友好協会のメンバーによる訪問団と会見した。
馬・総統は、青年ワーキングホリデー協定、入国ビザ免除措置、双方を結ぶフライトの増加など、ここ数年の間の関係の進展ぶりを喜んだ。馬・総統によると、台湾とカナダの貿易額は年間60億カナダドルに達し、カナダにとって台湾はアジアで4番目、世界では11番目の貿易パートナー。また、二重課税防止協定の交渉も終えており、まもなく調印する予定。馬・総統は、投資保障協定と経済協力協定の調印も希望した上で、さらに、台湾のTPP環太平洋パートナーシップ協定参加をカナダが支持してくれるよう要請した。
馬・総統は、「カナダが我々のTPP参加を支持してくれるよう希望している。今回のAPECアジア太平洋経済協力会議ではアメリカでさえ、TPPとAPECのFTA自由貿易協定を結び付けられると考えるなど、地域経済の統合は皆が一致して賛同している」と述べた。
台湾、再来年に初の水銀灯街路灯全撤廃
中華民国台湾が再来年末には世界初の、水銀灯をすべて淘汰した国になる。政府は2008年、LEDを用いた交通標識(信号機など)計画に着手、全国の交通標識全てをLEDにした世界で二番目の国となった。
同じ年、世界に先駆けて、LEDの街路灯の国家規格を定め、LED街路灯のモデル計画をスタート。2014年までに合計28万4000個のLED街路灯を設置した。これにより、年間で約2億3000万キロワットアワーの電力を節約、二酸化炭素排出量を12万トン減らす効果を上げた。
行政院によると、LED照明のオプトエレクトロニクス産業の発展を加速させ、省エネと二酸化炭素削減を拡大するため、政府は2015年から水銀灯の街路灯淘汰計画をスタートさせる。
行政院の孫立群・スポークスマンは、「中央政府は向こう2年間で台湾元54億9000万元の予算を組んでいる。目的は地方自治体が管理する69万2000個の水銀灯の街路灯を2016年末までにすべて更新し、LED街路灯に交換するのを支援することだ。これが完了すれば、わが国は世界で初めて、水銀灯の街路灯をすべて無くした国になる」と話した。
すべてをLEDの街路灯に取り替えると、毎年6億4000万キロワットアワーの電力が節約でき、二酸化炭素の排出量を33万トン減らせると同時に、生産額で台湾元60億元以上を生み出せるということ。
台湾情報機関 台湾留学の大陸学生から情報収集で中国が抗議
このところ台湾の大学や研究機関に留学する中国大陸の学生が増えている。それに伴い、台湾の情報機関が留学生の出身家庭を調査し、中国共産党や政府、中国人民解放軍の幹部を両親にもつ学生を個別に呼び、中国の内部情報を聴取するケースが多くなった。これに対し、中国政府機関が台湾側に抗議していることが分かった。中国共産党機関紙「人民日報」系の国際関係紙「環球時報」が報じた。
台湾では2009年以降、中国大陸の留学生の受け入れを解禁、年々、その数は多くなっている。2012年だけで1万1000人で、全体では約3万人に上る。
このなかには、両親が共産党や政府、軍の幹部である者も含まれており、台湾の情報機関である国家安全局や台湾国防省軍事情報局、法務省などの機関が個別に調べ上げ、データを作成。
これらの情報機関員が2009年から2013年にかけて、台湾内の約20大学で留学生にアンケート調査を実施し、中国内の内部情報を収集したという。また、留学生には将来的に中国共産党・政府、軍事関係の機関に就職するよう勧めているという。
中国教育省当局は、こうしたケースをすでに40件以上、確認しており、台湾の教育省を通じて、厳重な抗議を行なっている。
中国教育省が発表した声明によると、中国人学生が台湾に留学することは、中台関係を平和的に発展させるうえで極めて重要としながらも、「台湾の情報機関による扇動は、中台間の協力的な教育交流への重大な妨害であり、台湾側は直ちに、情報収集活動をやめるべきだ」と指摘している。
これに対して、台湾の国家安全局は「台湾の情報当局は学問の自由と大学の自治をつねに尊重しており、中台間の学術的な交流や進展に干渉するようなことはしていない」としたうえ、大学の キャンパスで情報活動は一切、行なっていないなどとの声明を発表し、情報活動を否定した。
台湾の馬英九政権は今年、中国人留学生を受け入れる中国の高等教育機関を320大学・研究機関に拡大。中国との教育交流の拡大に力を入れているが、台湾の情報機関による、こうした活動が実際に行なわれているとすれば、情報機関の独自の判断に基づく行動なのか、あるいは関係当局ぐるみなのか、極めて興味深いところだ。
ネット上では「中国政府も台湾の留学生を受け入れており、彼らから台湾の内部情報を収集している。また、中台間で、それぞれスパイ工作が暴露されており、台湾側が情報工作を仕掛けてもおかしくはない」との書き込みも見られている。
馬・総統:任期内の服貿と貨貿の完成目指す
馬英九・総統が、総統任期内に、中国大陸とのサービス貿易協定(服貿)と商品貿易協定(貨貿)を発効させられるよう希望した。馬・総統はこのほど、日本の日本経済新聞のインタビューに応じた。その中で、馬・総統は、行政院大陸委員会の王郁・主任委員が先ごろ中国大陸側の対台湾政策担当者、張志軍・主任と会ったことに触れ、中国大陸との商品貿易協定に向けての新たな交渉を年内に行えるよう期待した。
王・主任委員と張氏の会談では、双方の両岸交渉窓口機関の事務機構相互設置や中国大陸からの旅行者の台湾における乗り継ぎなどについても、引き続き話し合いを進めることで合意したとのことで、馬・総統は両岸関係にとって前向きな進展だと述べた。
馬・総統は台湾は地方選挙の真っ只中で、立法院の議事の進み方がゆっくりしていると説明した上で、すでに締結済みで、立法院の承認を待つ形となっている両岸サービス貿易協定と、現在交渉中の両岸商品貿易協定は中華民国台湾の対外貿易に極めて重要だとし、向こう1年半の総統任期内にこれらを実現できることを強く望んだ。
馬・総統はまた、過去半年間、両岸関係には一部ぎくしゃくしたところがあったが、中国大陸の北京で行われたAPECアジア太平洋経済協力会議で蕭萬長・前副総統が中国大陸の習近平氏と会い、双方ともに「92年コンセンサス」が両岸関係の平和的な発展の基礎であることを確認したことで、「関係は元のレールに戻るだろう」と楽観的な見方を示した。
さらに、自身が習近平氏と対面する可能性について馬・総統は、「国家が必要とし、国民が支持し、国会の監督を受ける」という原則の下、常に可能性を探ると述べた。また、「これまでに結んだ21の協定は和平協定ではないものの、いずれも両岸平和を基礎として結ばれており、広い意味では和平協定だ」と説明、真の和平協定を取り交わすには時期尚早ながら、平和的な関係発展、ウィンウィンを目指す方向に変わりはないと話した。