「障害者権利条約施行法」12/3施行
国連が2006年に採択した障害者権利条約を、台湾で執行するための法律が12月3日に施行される。
国連が2006年12月13日に採択した、「障害者権利条約」は、心身障害者が十分に、かつ平等に、人権及び基本的自由を得なければならないことを強調することとともに、障害者を尊重することが目的となっている。
台湾には現在112万人を超える障害者がいる。立法院では今年8月1日、この障害者権利条約を台湾で施行するための法律「障害者権利条約施行法」を可決した。そして、8月20日、馬英九・総統が、12月3日にこれを施行すると公布した。法律的な手続きのため27日、閣議で関連の法案を承認、立法院での議決を求めることになった。
行政院は障害者権利条約施行法の6条に基づき、「障害者権益推進チーム」を設ける。衛生福利部の曽中明・次長は、江・行政院長の言葉として、「障害者権益推進チームにとって最も重要なのは推進計画の策定だ。そして同時にこのチームは、推進計画の実施を監督する。スケジュールは施行法の規定に則したもので、2014年から2019年までの間、関連部会と地方政府がこの規定、スケジュール通りに、関連の法令を検討する」と説明した。
なお、現在、各政府機関、公立の学校及び公営事業などで、職員が34人以上の規模の組織については、就業能力のある障害者の人数が、職員全体人数の3%を下回ってはならないと定められている。江宜樺・行政院長は、衛生福利部、労働部及び行政院人事行政総処に対して、この人数の下限が実務上で影響を及ぼすか、しっかりと分析を行うよう指示した。江・行政院長はまた、世界の先進国の方法を参考にするほか、国内の関連団体、専門家から意見を聞くことによって、真の障害者サポートが行えるようになる、と指摘した。
両岸、中国大陸住民の台湾トランジット初交渉
台湾海峡両岸の交渉窓口機関が、中国大陸住民の台湾でのトランジットについて初めて交渉を行った。
台湾の対中国大陸窓口機関、海峡交流基金会(海基会)は27日、中国大陸の北京で26日、中国大陸の対台湾窓口機関・海峡両岸関係協会と、中国大陸の旅行者の、台湾の空港におけるトランジットに関する議題について、初めて実務的な話し合いを行ったことを明らかにした。海基会は、中国大陸側が実行可能な方法を速やかに提示することを希望するとともに、双方が共に善意によって、今後の話し合いを進めるための努力をしていくことで合意したという。
また、海基会は26日、海峡両岸関係協会会長の陳徳銘氏が、12月15日、16日に台北市で行われる「台湾海峡両岸企業家サミット」の年度総会に参加する予定であることを明らかにした。
海基会の馬紹章・副董事長によると、台湾を訪れる日時については調整中ではあるものの、基本的に「台湾海峡両岸企業家サミット」には参加するという。また、滞在期間は一週間ほどで、行程に台湾東部エリアが含まれる可能性があるというが、具体的な訪問地については双方で話し合っているところだという。
悪質油問題の頂新グループ、本業以外の事業や資産売却へ
飼料用油混入ラード問題を引き起こした頂新グループが26日、本業以外の資産を今後処分するとの声明を発表した。
傘下の通信会社・台湾之星(T Star)、土地開発の頂率開発、ケーブルテレビの中嘉有線電視、台北101ビルの株式、同社保有の土地などが該当するとみられる。頂新グループオーナーの魏家が保有する国内の本業外資産は450億元以上といわれる。今後は、食品企業の味全公司とその傘下のDicos(徳克士)フライドチキン、パン店のThe Bread(布列徳)、松青スーパーの事業に注力するとしている。
台湾国内での「反・頂新」により味全の業績は一時大幅に落ち込んだが、味全の中国事業の業績は伸びている。製パン事業では日本の敷島製パン(PASCO)、伊藤忠商事との合弁企業・頂盛食品が「味全PASCO」ブランドで中国市場への進出を進めている。
JTが台湾でたばこ生産へ、投審会など既に認可[製造]
日本たばこ産業(JT)が、台湾でたばこの現地生産を計画していることが分かった。子会社で海外事業を担うJTI(ジャパン・タバコ・インターナショナル)は今年、工場を建設するための投資計画の認可を経済部投資審議委員会(投審会)から既に取得している。
JTの広報担当者はNNAに対し、「当社は消費地やその近隣で製造することを基本方針として常に検討しており、台湾での工場建設もその一環だ」と述べ、JTIが投審会のほか、財政部からもたばこの製造許可を取得していると説明した。ただ、工場建設地や建設のスケジュール、投資額などの詳細については公表していない。
27日付工商時報は、JTIが南部・台南市の7.6ヘクタールの土地に工場を建設する計画だと伝えた。既に工業局から用地の購入申請を認められたという。
JTは1988年に台湾に事務所を設立し、輸入のほか台湾エン酒(TTL、エン=草かんむりに於)に製造を委託する形で、主力の「メビウス」や「ウィンストン」「モア」「峰」などの銘柄を販売。2013年の台湾市場シェアは39.4%だった。JTIは世界70カ国・地域以上で、計25の工場と約260の事務所を展開。アジアでは現在マレーシアとミャンマーに工場を持っている。
台湾・高雄メトロの新イメージキャラクター「小穹」が話題に
高雄メトロ(MRT)が今月中旬に公開したイメージキャラクター「小穹」がインターネット上で大きな話題を呼んでいる。台湾の複数メディアが報じた。
このキャラクターは15~16日に高雄で行われたアニメ・漫画関連のイベントに合わせて、高雄メトロの運営会社、高雄捷運公司(高捷)が公開したもの。20日には会員制交流サイトに公式ファンページ「進め!高捷(たかめ)少女!」が開設され、27日の時点ですでに2万件を超える「いいね!」を集めている。
高雄メトロの駅員という設定で、駅のポスターなどにも使用されている「小穹」。名前の由来は同メトロの美麗島駅構内にある大型アート作品「光之穹頂」で、頭の髪飾りもそれをモチーフにしたもの。公式ファンページの情報によれば、新しいキャラクターの登場も予定しているという。
高捷は好評を受け、24日から公式HP上で「小穹」などが駅構内や車内でのマナーを訴えるポスターを公開している。
スコセッシ監督、台中市で新作撮影へ
世界的な映画監督、マーティン・スコセッシ監督が来年、台湾中部・台中市で新作を撮影することが明らかになった。
台中市の胡志強・市長は26日、スコセッシ監督が新作のロケを来年旧正月に台中市内で行うと明らかにした。
胡志強・台中市長によると、スコセッシ監督とそのチームは数日前から台湾を訪れ、ロケ地の視察などを行なっており、26日午後には胡・市長が市内の水湳空港において非公式に対面した。
水湳空港には、台湾出身の世界的映画監督、アン・リー監督の作品、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』のために作られた大きな撮影用プールがあり、スコセッシ監督はアン・リー監督の薦めで、台中市での撮影を希望、このほど新作映画の撮影にこのプールを使用することが確定したという。
胡・台中市長は、スコセッシ監督と意気投合したとし、撮影では、『ライフ・オブ・パイ』のときと同じスケールでの協力を約束したと話した。
胡・市長は、「スコセッシ監督による台中ロケを大いに歓迎する。順調なら来年旧正月前後に撮影が始まる。アカデミー賞レベルの映画監督が台湾で映画を撮るのは二人目になる。台湾の映画産業の進歩にも大きな原動力になるだろう」と話している。
『タクシードライバー』、『レイジングブル』、『ディパーテッド』などで知られるスコセッシ監督の新作は、日本の遠藤周作さんの『沈黙』を原作としており、アンドリュー・ガーフィールドさんや渡辺謙さんなどの出演が伝えられている。
台北市長選、有力候補の柯氏 台湾・中国大陸対話の原則に疑問呈す
台北市長選の無所属候補、柯文哲氏(55)が25日、“1つの中国”に関する台湾と中国大陸の共通認識「92年コンセンサス」(九二共識)について疑問を呈する発言を行った。与党・国民党からは批判の声が上がっている。
これは同日に、中国大陸・国務院台湾事務弁公室(国台弁)の張志軍主任が、柯氏が当選した場合、同氏も対話・交流の基礎として92年コンセンサスの共通認識を持つことを望むとするコメントを出しており、柯氏が自らの見解を述べたもの。
柯氏は中国大陸との関係について、大陸は世界で一、二を争う経済体であると指摘した上で、「好むと好まざるとにかかわらず、向かい合わなければならない」と語った。また、いかなる交流においても、台湾の主体性を維持するべきだとの考えを示した。
国民党の広報担当者は26日、柯氏が台北市長に当選した場合、台湾と中国大陸の関係にとって大きな障害になると激しく批判。同氏の考えは、最大野党の民進党と立場を同じくするものだと述べた。
一方、国台弁の馬暁光報道官は同日、台湾の選挙について大陸側はコメントしないとし、92年コンセンサスに基づき、双方の関係を平和的に発展させていきたいと語っている。
【 92年コンセンサス 】 1992年に台湾と中国大陸が窓口機関を通じ確認した両岸対話の原則。“1つの中国”を前提としているがその解釈には触れておらず、国民党は「1つの中国=中華民国」との立場を示している。
日本航空、12月より台湾線に大型機材導入 需要拡大で
日台間の旅行客数が拡大を続ける中、乗客に快適な空の旅を提供しようと、日本航空(JAL)はボーイング777・787型機を12月1日から台湾路線に投入することになった。
このうち、777は松山(台北)-羽田(東京)線に、787は桃園(台北)-関西(大阪)線にそれぞれ就航する。いずれも従来より大型化した機材を使用しており、座席数が増えるほか、座席間隔も広くなる。
松山と桃園の両空港では当日それぞれ、777と787の到着を歓迎するための放水アーチを実施。特に松山空港への777型機飛来は1950年の開港以来初めてで、空港では同機材の機能や特色などを紹介するイベントも行われる。
あっぱれ弱小校、女子選手大量起用で初勝利/台湾版「甲子園」
台湾の高校野球のトーナメント大会「黒豹旗」は26日、台中などで7試合が行われ、女子選手を主力とする士林高商(台北市)が師大付中(同)を11-7で破り、初めての2回戦進出を決めた。
士林高商は、昨年の第1回「黒豹旗」初戦を7回コールドで落とした弱小校だったが、今年は女子選手を9人もメンバーに加えて再出発を目指す。
この日はリードされると同点に追いつく粘り強さを見せ、1点を追う9回に5点を奪って勝ち越した。先発出場した女子選手8人のうち、4番を打った余品萱さんが2安打をマークし、1番打者でありながら9回2死から登板した巫ショウ瑜さんは三振で試合を締めくくった。(ショウ=捷のてへんを女へんに)
今年の「黒豹旗」には過去最多の137チームが出場し、12月21日に決勝が行われる。
台北市長選、2度目のTV政見放送
台北市長選挙の二回目のテレビ政見放送が行われた。台北市選挙委員会は26日、午後6時から、2回めとなるケーブルテレビによる政見放送を行い、有力候補とされる無所属の柯文哲・候補、与党・国民党の連勝文・候補の2人を含む、7人の候補が支持を訴えた。
柯文哲・候補は、都市計画、高齢者のサポート、社会福祉などの政策について説明した他、国民党対最大野党・民進党という価値観ではなく、何が正しいか、何が間違っているかという、物事の是非の価値観のほうが重要であることを理解して欲しいとして、この選挙は、台湾社会の価値観の選択だと指摘した。柯・候補はそして、イデオロギーの壁を超え、有権者の一票で台湾の歴史を変えてほしいと訴えた。
一方、連勝文・候補は、台湾が現在直面している経済面における厳しい環境が台北市に与える影響について触れ、財政、経済面に明るい自身の強みを強調。そして、台湾の成長を願うならば、自分にチャンスを与えて欲しいと訴えた。
統一地方選は明後日29日が投票日で、台北市長選は中でも特に注目されている。
「韓国がほくそ笑む結果は誰が招いたのか?」=台湾の選挙CM
2014年11月27日、台湾・ETtodayは、台湾で激しさを増す選挙戦の中、中国国民党が放送した選挙CMに韓国メディアが注目していると伝えた。
与党・中国国民党は中韓FTAを題材にCMを作成。CMでは「民進党は、中国本土市場はリスクが高いからと、本土への進出に反対した。だが結果、韓国と中国はFTAを結び、対中国貿易で韓国は台湾よりも有利になった。台湾がチャンスを逃したことに誰が謝罪するべきか?韓国がほくそ笑む結果は誰が招いたのか?」と最大野党・民進党を批判した。
同CMが放送されると、多くの韓国メディアが注目。韓国・NEWSisは、「台湾与党、悪い面の題材に韓国を利用した」と批判している。
日本人旅行客、台湾で“選挙グルメ”と人の温かさを堪能
地方自治体首長などを選出する統一地方選挙を29日に控えている台湾で、日本人旅行客が選挙活動の関係者らに振る舞われる“選挙グルメ”をごちそうされ、激しい選挙戦と一味違う台湾の人々の温かさを体験するという出来事があった。
ごちそうしたのは桃園市(現・桃園県。年末に昇格予定)の市議会議員選挙に出馬するある候補者。台湾の選挙では皆が全力でサポートしてくれるよう食事の準備が極めて重要とされており、スタッフらがいつでも腹ごしらえができるよう、同陣営の厨房は1日中フル回転で、焼きビーフンや豚肉の煮込みなどを用意。あまりのおいしさに食事の時間になると大勢の“援軍”が押し寄せてくるという。(レキ=土へんに歴)
数日前に同選挙本部前を通りかかった日本人バックパッカー3人が香ばしい匂いに誘われ焼きビーフンを頬張る人々の写真を撮ろうと近づいたところ、一行は皆との食事に誘われ、“選挙グルメ”と緊迫した選挙戦の中における台湾の豊かな人情味を存分に味わった。
「台湾の松下幸之助」の弟・王永在氏が死去 93歳
台湾の大手企業グループ、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループは27日、創業者の王永在氏が同日、(台北市内の)自宅で亡くなったと発表した。93歳だった。
王氏は日本統治時代の1921(大正10)年、当時の台北庁(現・新北市)で生まれ、1954年に兄の永慶氏と共同で台湾プラスチックを設立。「台湾の松下幸之助」、「経営の神様」などと呼ばれる、カリスマ性のある永慶氏(1917~2008年)とは対照的に、存在感の薄いナンバー2だったが、兄が引退した2002年以降は、グループの舵取りを担っていた。
台湾LCC、V エア、12/17開業
台湾で二社目のLCC(格安航空会社)、V エア(台湾名:威航)が27日、交通部による営業許可を受け、12月17日の開業が確定した。
交通部民用航空局は、27日に営業許可を出したことを明らかにするととともに、それにより、V エアはチケットを正式に販売できると述べた。
V エアは台湾のトランスアジア航空の100%子会社で、台湾桃園国際空港と、タイのバンコクを結ぶ路線で12月17日に一番機を飛ばす。その後はタイのチェンマイ、そして来年には日本へも路線を広げる方針だという。
V エアは公式ウェブサイトでゲームを展開、参加人数が増えるほど一番機の価格を引き下げており、27日時点の最低価格は既にバンコクまで片道台湾元520元(日本円約1950円)となっている。これに空港税などを加えると、800元(日本円約3000円)だという。
美人女子大生がモデルのチャリティーカレンダー発売へ
輔仁大学(新北市)は12月6日の創立記念日にあわせ、女子学生をモデルとしたチャリティーカレンダーを発売する。同校では11月中旬に、マスコミ学科が卒業制作の資金集めのために別の美女カレンダーを販売すると発表し、話題になっていた。台湾の複数のメディアが伝えている。
同大学がチャリティーカレンダーを販売するのは4度目で、これまでの寄付金額は20万台湾元(約76万円)に上るという。今年は「Breaking Free もう1人の自分に出会う」というタイトルで、女子大生の明るさをアピールしたものとなっている。モデルの12人は書類選考や面接により100人以上の中から選ばれた。
同カレンダーは創立記念日にあわせて行われる学園祭で販売が開始される予定で、価格は390元(約1500円)。売り上げは社会福祉法人などに寄付される。
統一地方選が29日投開票 首長選で激しい中部攻防
2016年の次期総統選挙の前哨戦となる台湾の統一地方選が29日、投開票される。6直轄市を含む22の県市の首長や地方議員など九つの選挙が行われる史上最大規模の選挙戦。台湾では北部が与党の国民党、南部は野党の民進党勢力が強いが、今回の首長選では与野党勢力の分水嶺(ぶんすいれい)である中部での攻防が激しくなっている。地盤が動けば総統選にも影響しかねず与野党はトップが頻繁に中部入りし、支持を訴える。
与野党の勢力図は、中部を流れる濁水渓を境に南北に分かれるため「濁水渓の攻防」とも言われる。川の北に位置する台中市、彰化県、南投県は国民党が握る。しかし、今回は国民党の牙城とされてきた台中市の市長選で民進党新人の林佳龍氏(50)が国民党現職の胡志強氏(66)をリードする。
「台湾をひっくり返す。中部台湾から変えよう」。25日、応援で台中に乗り込んだ蔡英文・民進党主席が訴えた。同党は林氏の人気に乗じ、中部を重点地域に置く戦略を鮮明にし、勢力拡大を図る。
隣接する彰化県でも、民進党新人の魏明谷氏(50)が終盤で猛追する。魏氏は25日、林氏と共に立法委員(国会議員)辞職願を出し、背水の陣を演出し、逆転勝利を狙う。
これに対し国民党も党主席の馬英九総統ら幹部がこぞって中部入りし、地盤死守に躍起だ。台中市の現職、胡志強氏は、党の実力者の一人だが、合併前の旧台中市長を含め既に任期が13年に及んでおり、「多選」批判に苦しむ。23日に落成した「台中国家歌劇院」など台中発展への貢献を強調し、必死に巻き返す。
また川の南にある雲林県は民進党が2期県政を担ってきたが、今回は与野党の新人同士の接戦となっている。国民党は、地方派閥を率いる元県長の妹を擁立し、奪還を狙う。成功すれば勢力南下への大きな布石となる。
一方、全体で見れば無所属の花蓮県を除き現有勢力は国民党15に対し民進党が6。馬総統の支持率が低迷する中、現有を守り抜きたい国民党に対し、民進党は7以上を目指す。
また、国民党政権のお膝元である台北市長選では、野党系の無党派新人で台湾大の医師、柯文哲氏(55)が、国民党の連戦・名誉主席の長男、連勝文氏(44)にリード。同党は支持基盤である退役軍人らに訴え、最後の追い上げを図る。