中国軍の退役少将をスパイ容疑で逮捕、今後の中台関係に暗雲漂う
台湾紙・聯合新聞によると、台湾国家安全局の王徳麟(ワン・ダーリン)副局長は、中国人民解放軍の退役少将・鎮小江(ジェン・シャオジアン)をスパイ容疑で逮捕したと発表した。5日付で中国・環球網が伝えた。
鎮容疑者は軍を退役後、福建省アモイ市で公職に就き、台湾と取引のあるビジネスマンや台湾の退役軍人らと接触。その後、活動の場所を香港に移し、情報提供者となる人物探しを行った。先の台湾統一地方選挙で、金門県の県長候補として出馬し落選した退役少将・許乃権(シュー・ナイジエン)は鎮容疑者の協力者として当局に身柄を拘束された。また元空軍士官学校教官の周自立(ジョウ・ズーリー)容疑者も、鎮容疑者に軍事情報を提供した容疑ですでに逮捕されている。
これまで台湾当局が明らかにしてきた中国によるスパイ活動は、すべて中国本土か海外で行われていたもの。鎮容疑者は台湾で初めて逮捕された中国籍のスパイであり、今後の中台関係に大きな影響を及ぼすのは必至だと同紙は伝えている。
台湾当局が「大陸人の違法行為」取り締まり強化へ 2015年から、情報漏洩警戒か
台湾・国家安全局の王徳麟副局長は4日、2015年1月1日から、大陸から訪れる旅行者による、台湾における違法活動の捜査を、他の政府関連部門と共同で行うと発表した。国家安全局はいわゆる「情報機関」で、大陸関係の工作に作業の多くを割いている。中国新聞社などが報じた。
王副局長は4日、政府機構内の安全部門、交通部門、国家通訊伝播委員会、中華電信の関係者を招集して状況を報告し、同時に出席者からの報告書と質問を受理。その上で、共同作業は2015年1月1日に開始という日程を明らかにした。
国家安全局は中華民国総統直属の国家安全会議に所属する機関。国家安全会議には人事、会計、政治指導を行う秘書処があるだけであり、国家安全局は情報工作の「実行部隊」と考えてよい。国家安全局局長には軍人が就任する。
国家通訊伝播委員会は電信、インターネット、放送など業界指導を行う組織。政府の指導を受ける独立機関との位置づけだ。中華電信は台湾最大の通信事業者。
今回の動きは、大陸からの旅行者や滞在者による情報漏洩の防止の目的があると考えられる。
台湾では、馬英九政権が4月に大陸側とのサービス貿易協定の発効を反対派に阻止されてから、大陸側とやや距離を置くような動きが目立つようになった。10月30日からは現職の公務員などが大陸の教育機関で講習を受けることを、事実上禁止した。軍事関連では、米国企業に改めて潜水艦建造における協力を求めた。
台湾高速鉄道で「爆破予告」 運行停止・警官隊駆けつけるなど大騒ぎに・・・訓練時に使用した「爆弾仕掛けた」の紙を撤去し忘れ
台北市で5日、高速鉄道の車両内に「爆弾を仕掛けた」と書かれた紙が見つかり、列車の運行を取りやめたり、警官隊が駆けつけるなどの騒ぎになった。しばらくして、鉄道会社が2日前に実施した訓練時に使用した紙を撤去し忘れていたものと分かった。“爆破予告”があった編成の運行を取りやめるなどで、乗客約1000人の足が乱れた。東森新聞雲などが報じた。
通常通りの出発前の清掃作業中だった。作業員が車内の電話ボックスで「爆弾を仕掛けた」と書かれた紙を見つけた。時刻は午後0時48分ごろだった。作業員はただちに鉄道会社と鉄道警察に報告。この種の事態が発生した際の決められた手順通りに行動した。
警察も非常事態に驚き緊張したが、決められた手順通りに行動した。警官隊が現場に急行した。鉄道会社側は、“爆破予告”のあった1編成の運行停止を決定。別の1編成を他のホームに向わせた。さらに、同列車への乗車開始を待っていた人々を新たに用意した車両へと誘導した。
鉄道会社職員と警察官が、“爆破予告”が置かれていた電話ボックスに到着。すぐに分かった。2日前の「爆発物が仕掛けられた場合の緊急行動」の訓練で用いた紙だった。撤去するのを忘れていたという。清掃作業員は2日前の訓練に参加していなかったので、「ダミー」とは気づかなかった。
“爆破予告”が見つかったのは台北駅午後0時51分発、台湾南部の高雄市内にある左営駅行きの1155便列車だった。代替として用意した列車の発車が32分遅れたので、規則にもとづいて乗客には料金の半額を払い戻した。その他の列車にも遅れが出た。計1000人の乗客の足に乱れが生じた。
台湾高速鉄道では2013年4月に、荷物に爆発物を入れて列車内に入った乗客がいたことが分かり、それ以降は定期的に訓練を実施している。5日の騒ぎは結果として「最高度の緊張をもって実施された訓練」になった。職員らの対応は申し分なく、東森新聞雲は「台湾高速鉄道に対する高い評価は失われなかった」と記した。
台湾の大手信託、七十七銀と協定調印 日台金融サービスさらに充実へ
台湾の大手金融グループ、中国信託ホールディング(中信HD/中信金控)は5日、七十七銀行(宮城県)と協力協定に調印した。
中信HDの日本におけるサービスが強化され、七十七銀も台湾に進出する取引先への資金調達やビジネスマッチング機会、現地に関する投資環境情報の提供など、支援体制の充実化が図られる。
銀行、証券、保険などの企業からなり、傘下には中国信託商業銀行(台北市)を持つ中信HDはこれまでに日本の20以上の金融機関と提携関係を結んでおり、日台間の金融プラットフォーム整備に取り組んでいる。
24時間耐久マラソン 男女ともに日本人選手が優勝
東呉大学(台北市)で6日から行われた「2014ニューバランス東呉国際ウルトラマラソン」の24時間部門で、日本から出場した原良和と工藤真実が男女それぞれで優勝を果たした。
24時間走り続け、走破距離を競うウルトラマラソンは、今回で14回目の開催。今年は42人が参加した。昨年の覇者である原は285.366キロを走り2連覇となったほか、アジア新記録を樹立。一方の女子は工藤が222.431キロで6連覇を達成した。
また、過去に7連覇を果たし、今年で12回目の出場となった関家良一は途中、疲労のためにわずかな休憩を取ったものの241.099キロを走った。
米国、台湾にミサイルフリゲート4隻売却へ
米上院は4日、軍艦の移転に関する法案を可決した。これにより米国から台湾にオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート4隻(テイラー、カー、ゲイリー、エルロッド)が売却されることがほぼ確実となった。
同法案は、2014年初めに下院を通過しており、台米間でフリゲートの売却数などについて協議が行われていた。
法案通過について国防部は6日、中華民国の防衛能力を引き上げるものだとして、米国に対して感謝の意を表明している。
台湾の高校生、「ピータン」で日本からの修学旅行生をおもてなし
熊本県立大津高校の1年生ら約300人が修学旅行のために訪台した。5日には新北市の海山高校を訪れ、地元の生徒らと交流を行った。台湾の複数メディアが伝えている。
大津高校が台湾への修学旅行を実施するのは今年で4回目。「国際的な視野と双方の絆を深めること」を目的に行われている。海山高校では日本語を学ぶ生徒らが「交流エンジェル」となり、日本の高校生をもてなした。
昼食の時間には台湾で食べられるアヒルの卵を熟成させた「ピータン」(皮蛋)が振る舞われ、日本の生徒らは独特のにおいや味に苦戦しながらも珍しい食材に果敢にチャレンジ。その後はグループに分かれて台北市内などを観光した。
双方の生徒らは、日本語や英語、ジェスチャーを交えて交流。ホスト役を務める女子生徒は「事前講習のとき、途中であきらめようと思ったけれど、最後までやり遂げたかった」と話し、龍山寺や西門町、士林夜市などを案内したという。
水不足の台湾、8日から取水制限の実施地域拡大へ
経済部水利署は、一部のダムの貯水率が低下していることを受け、8日から取水制限の実施地域を拡大する方針を明らかにした。台湾では今秋、降水量が例年を下回っており、西部の大半で渇水の状態になっている。
現在ではすでに桃園県、新北市林口区、新竹県、新竹市、苗栗県、台中市、彰化県北部、台南市で夜間(午後11時~午前5時)に水道水の給水圧力を下げる減圧給水が実施されている。水利署では8日から板橋区、新店区などの新北市西部と高雄市でも同様の措置を行うとしている。
台北市の水道供給は現在のところ通常通り。ただ、台湾は乾季に入り、ダムの貯水情況が改善される見通しは立っていない。経済部の杜紫軍前部長は先月19日、今年の水不足について「過去10年間で最も深刻」と述べており、影響の拡大が懸念されている。
日ハム・陽、ファンミーティングで台湾観光PR
プロ野球・日本ハムの陽岱鋼が5日、台北市内の天母球場でファンミーティングを行った。自身の打撃フォームを取り入れたダンスを披露するなどして台湾グルメや生まれ故郷の台東県をアピールした。
このイベントは、交通部観光局と製作会社の黒剣テレビによる観光促進プロジェクトの一環として開催されたもので、参加者は日本からの団体客だけで数十人に上ったという。
2006年の渡日以来、台湾旅行を楽しむ余裕がほとんどないという陽だが、「ぜひ本場のタピオカミルクティーを味わってほしい」などと呼びかけ、PR役に徹した。
日台双方で人気の陽は昨年12月、スポーツ選手としては初めて台湾観光親善大使に任命された。
一方、来季の目標については(打率3割、30本塁打、30盗塁の)トリプルスリーを達成したいと宣言し、ファンにさらなる飛躍を誓った。
疾管署、虚偽申告の男性を処罰へ
衛生福利部疾病管制署の荘人祥・スポークスマン(右)によると、男性患者は出境記録がない上、パスポートを申請したこともないという。荘・スポークスマンは、男性のこの虚偽申告に対し、「伝染病防治法」に則って、処罰を与える可能性を示唆した。(写真:CNA)
台湾南部、高雄市の高雄栄民総合病院は5日夜、アフリカのナイジェリアから帰国したと自称する19歳の男性を収容した。男性は、アフリカで動物と接触をもったと話し、また発熱症状を訴えたことから、エボラウイルス感染の可能性が疑われ、疫病対策を行う各部署には緊張が走った。しかし、患者の検体を検査した結果、陰性であることが判明。衛生福利部疾病管制署(疾管署)は、6日午後記者会見を開き、男性がエボラウイルスに感染していなかったことを明らかにした。
衛生福利部疾病管制署の荘人祥・スポークスマンによると、男性は5日夕方、高雄市の高雄聯合病院に救急外来で訪れ、ナイジェリアに旅行し、発熱症状があると訴えた。しかし、聯合病院から高雄栄民総合病院に転院する際、自分で行けると話し、姿を消した。その後、高雄栄民総合病院に現れた患者は、11月25日にナイジェリアを訪れ、当地で生のコウモリを食べ、12月2日に帰国、3日から発熱、嘔吐、下痢の症状が出てきたと話した。しかし、高雄栄民総合病院が防疫対策メカニズムを発足後、患者の説明のつじつまが合わなくなったという。そして、調査の結果、この患者には出境記録がない上、パスポートも持っていないことが判明した。
衛生福利部疾病管制署では、患者がなぜこのような虚偽申告を行ったかを明らかにするとともに、虚偽の渡航記録と伝染病症状の申告について、「伝染病防治法」に則り、台湾元1万元から15万元の罰金に科すという。
なお、男性は入院しているものの、いかなる症状もないため、既に一般病棟に移っているという。
日本統治時代に活躍した土木技術者の胸像がお披露目
日本統治時代の屏東県来義郷に地下ダム「二峰シュウ」を建設した農業土木技術者、鳥居信平の胸像が、潮州鎮の林後四林平地森林公園に建てられ、7日に披露式典が行われた。(シュウ=土へんに川)
二峰シュウは、急流で河水がとどまりにくい同地でも農業用水を安定して供給できるよう、5年の調査期間の後、2年がかりで建設され、1923(大正12)年に完成した。90年以上経過した現在でも現役で使用されており、地元の生活に欠かせない存在となっている。
式典には曹啓鴻・屏東県長や建設当時に多くの人が作業に携わったとされる台湾原住民・パイワン族の長老、鳥居信平の孫で東京大学教授の鳥居徹氏などが出席。鳥居氏は、水の供給以外に発電ができればもっとよいとした上で、地下ダムが各地に広がってほしいと語った。