HKTが台湾で初ライブ 「台湾仕様」の公演にファン熱狂
アイドルグループ「HKT48」が7日、台北市内のライブハウスで初の台湾公演を開催し、約800人のファンを魅了した。台湾での公演は、AKBグループとしても初めてとなる。複数のメディアが伝えた。
メンバーの指原莉乃が冒頭で、東日本大震災への支援活動について感謝を述べると、ほかメンバーらもそれぞれ「我愛台湾」(台湾大好き)や、台湾でも話題となったドラマ「半沢直樹」の名セリフ「加倍奉還」(倍返し)などの中国語を披露した。
また、故宮博物院や西門町など台湾の観光地を歌詞に入れた「台湾48」や、テレサ・テンの「つぐない」、台湾のバンド「メイデイ」(五月天)のヒット曲などを熱唱すると、観客は大喜び。台湾ならではのパフォーマンスで会場を盛り上げた。
本公演中には、台湾でのAKBグループメンバーのオーディション開催が発表されるというサプライズもあった。公演前日の6日には、台北101の展望台広場で前夜祭も行われ、全5曲を披露するなど、2日間にわたって台北の夜を熱くした。
短文投稿サイト「ツイッター」上にはメンバーが小籠包やタピオカミルクティなどの台湾グルメに舌鼓を打つ写真が公開されている。
台湾・台南で新交通システム路線の建設計画が浮上
台南市政府が、都市交通網整備の一環としてモノレールなどを含めた新交通システム路線の建設を検討していることが分かった。9日付の自由時報が伝えた。
建設が計画されているのは、台南駅東側の平実営区から市の西側にある安平までを横断する安平線と、市中心部を一周する環状線の2路線。
同市交通局の張政源局長によると、台中市で今年8月に本格運行が始まったBRT(バス高速輸送システム)や高雄市などで工事が進むLRT(ライトレール)と異なる新交通システムを採用する計画だという。市ではモノレールやPRTと呼ばれる個人用高速輸送システムなどの導入を検討している。
建設費は1キロ当たり6~10億台湾元(約23~39億円)、全長約10キロの安平線ではおよそ100億元になる見込み。BOT(建設・運営・譲渡)方式か、市単独での建設を予定しているという。
台湾鉄道のカレンダー無料配布 早朝からファンが長蛇の列
台湾鉄路が列車の乗務員をモデルにした2015年の卓上カレンダーを販売するのに合わせて台北駅で8日早朝、鉄道開通128周年にちなんだ128部が限定で無料配布され、多くのファンらが列を作った。
列の先頭になったのは前日夜に桃園から駆けつけ、冷たい雨が降る悪天候の中午前4時から待っていたと話す男性。一方、最後の128部目を手にしたのは同7時に列に並んだ男性だった。
カレンダーには台鉄選りすぐりのフレッシュな顔ぶれが登場している。開南大学(桃園県)日本語学科卒業の張健一さんは、流暢な日本語で車内サービスを提供。お見合いの話を持ちかける乗客もいるという。
台湾原住民(先住民)・アミ族の蕭安ジさんは、中国語をはじめ台湾語、アミ語、英語、日本語などにも精通。電話番号を求める乗客には「先に何かお買い求めにならないですか」と質問し返す販売テクニックが明かされた。(女へんに尼)
台湾・高雄市が観光誘致 日本から約100名の関係者が参加
高雄市政府と交通部観光局、チャイナエアライン(中華航空)は合同でこのほど、日本から旅行会社やメディア関係者を招いた視察ツアーを実施した。同市での観光を組み込んだ旅行プランの提案により日本人旅行客の呼び込みをねらう。
ツアーには東京、大阪、広島、福岡、鹿児島、札幌、沖縄などから約100名の関係者が参加し、「高雄鉄道文化パーク」や「打狗鉄道故事館」、「大樹旧鉄橋」などの観光地を回るほか、客家の伝統的飲み物である「擂茶」の体験やバナナ狩りも行われた。
日本政府観光局と交通部観光局の統計によると、台湾からの訪日旅行者数は今年1月から10月までで238万人、同期間に台湾を訪れた日本人旅行者数は133万人に達しており、今年の相互訪問者数が過去最高となる400万人を突破する可能性もあると見られている。
高雄に宿泊した日本の旅行者数は今年1月から9月までで前年同期比24%増の20万人を数え、同市は日本人旅行者の増加に期待を寄せる。現在日本からの同市への旅行者数は中国大陸に続いて2番目の多さとなっている。
国民党重鎮「対日戦争は中華民族のため」
中華民国軍制服組トップや行政院長(首相)などを歴任し、中国国民党の重鎮とされるカク柏村氏(95)は8日、来年で終結70年を迎える対日抗戦(日中戦争)について、国民党や中国共産党のためではなく中華民族のためだったと振り返り、その価値と精神を台湾海峡両岸の若い世代が理解しなければならないと述べた。(カク=赤におおざと)
これはカク氏が中山大学(高雄市)で行われた「8年間の抗日戦争と両岸関係」と題した講演会で発言したもの。犠牲者数や時間の長さ、戦場となった範囲の広さから見ても、同戦争は「中国史上で最も偉大な戦役」だったと指摘し、後世の子孫は忘れるべきではないとの考えを示した。
先月末に行われた台北市長選で国民党候補を破った無所属の柯文哲氏の祖父や李登輝氏らを「皇民化された人々」などと批判したカク氏。一部の学生は講演終了後「まるで30~40年前の思考だ」、「日本統治時代に生きた人々を皇民とみなすのは冒涜だ」などと抗議の声を上げた。
ASUS、来年からタブレットを2ブランドに[IT]
パソコン(PC)世界大手の華碩電脳(ASUS)は、自社の3ブランドで展開しているタブレット端末を、来年から2ブランドに減らすもようだ。世界的にタブレットの出荷量が弱含む中、製品ラインアップを「少数精鋭化」することで販売に弾みを付ける狙いという。8日付経済日報が伝えた。
華碩は現在、主力の「MeMo Pad(ミーモパッド)」、通話機能を搭載した「Fonepad(フォンパッド)」、キーボードが取り付け可能な「トランスフォーマーパッド」の3ブランドで主にタブレットを展開しているが、来年からはトランスフォーマーパッドと新たな「Zen Pad(ゼンパッド)」の2本柱にする方針という。
タブレット市場をめぐっては、市場調査会社の米インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が来年の出荷量について前年比7.2%減と初めてマイナス成長に陥るとみているほか、華碩も今年通年の出荷量が940万台と前年比で約22%減ると見込んでいる。華碩は、製品ラインアップを絞り込むことで来年のタブレット出荷量を2割のプラス成長に回復させる狙い。ノートPCから撤退したライバルがタブレット市場で従来のノートPCユーザーを取り込んでいるのに対抗し、多機能のタブレット製品で市場シェアの拡大を図る方針だ。
証券関係者は華碩がタブレットのブランドを減らすことで、在庫管理の改善や製品投入の加速などが見込めると指摘。サプライチェーンについては、製造委託先が広達電脳(クアンタ)と和碩聯合科技(ペガトロン)の2大EMS(電子機器の受託製造サービス)に集中する可能性があると予想している。
ファン待望 台湾・新北市消防局のマッチョカレンダー今年も発行
消防隊員のたくましい姿を映したカレンダーを毎年発行している新北市政府消防局は8日、2015年版カレンダーを発表した。勇敢さ、活力、情熱などを市民にアピールする。
同市消防局がオリジナルカレンダーを発行するのは今年で7回目。この日はモデルとなった筋骨隆々の消防隊員が、体を鍛える前の写真を持ち寄るなどして、肉体美を通じて健康を訴えた。適度な運動に対する市民の意識を啓発したいとしている。
4月のモデルを務めた邱聖鈞さんは過去にボディビル競技会に参加した経験もある筋肉の持ち主。10月の田世名さんは元漁師で、社会に貢献したいと消防隊員への道を選んだ。このほか3人の女性隊員も登場している。
カレンダーは1200部の数量限定。今月23日まで一部コンビニで予約購入が可能。
マレーシアへの台北101の株式譲渡、財政部長が反対
張盛和・財政部長は8日、頂新国際集団が台北101(台北国際金融ビル)の株式をマレーシアの不動産開発業者IOIプロパティーズに譲渡することに反対を表明した。
張・財政部長はその理由として、
①台北101は台北市の重要なランドマークであり、外国人に経営を任せるべきではない、
②マレーシアのIOIがより多くの株式取得を目指しており、これは単なる財務投資とは考えにくい、
③台北101の株式を外資に譲渡する場合、その外資に経営権がないことを前提にすべきで、やはり国内(台湾)の業者に譲渡するのが最良である、の3点を挙げた。
台湾の会社員7割「来年の旧正月までに転職を検討」
求職サイト「yes123」が行った調査で、台湾の会社員の71.3%が来年の旧正月(2月19日)前に転職したいと考えていることがわかった。そのうち55.5%はすでに履歴書を送るなど具体的な行動を開始しているという。
yes123によると、今年転職を考えている人は、昨年の調査の69.6%より増加し、2008年のリーマンショック以降で最高になったという。
転職したい理由に関しては59.8%が「給料に不満」、45.7%が「会社の将来を悲観」、42.7%が「昇任の見込みがない」、30.5%が「今の仕事が好きではない」などと回答している。
台湾・台南でファッションショー 日本のデザイナーも参加
台南市政府は6日、台南の服飾産業の発展を目的とする「2014年台南流行ファッションショー」を開催した。
イベントではデザイン品評会や学生による成果発表会のほか、台湾、日本、マレーシアなど国内外から招かれた5名のデザイナーによるショーが行われた。台南で生産された生地を使い、蓮の花など地元の要素をあしらった30着の衣装が披露されると、観客から拍手が起こった。
頼清徳台南市長は、本イベントを通じて服飾産業のレベルが向上し、台南が流行の中心都市となればと期待を述べている。
日本統治時代に建てられ、市の古跡にも指定されている忠義小学校の武徳殿が会場として使われた。イベント開催は今回で4回目となる。
新内閣発足、毛治国氏「世代を超えた協力を」
毛治国・新任行政院長による新たな内閣が発足した。統一地方選で与党・国民党が惨敗したことを受け、江宜樺・行政院長による内閣は総辞職、その後新たな行政院長に昇格することになった毛治国氏による新内閣が8日早朝、総統府で宣誓式を行って発足した。内閣の顔ぶれは、行政院長、行政院副院長、経済部長の他はほぼ変更されていない。宣誓式の後、行政院では新旧内閣の引継ぎが行われた。
毛・新行政院長は、国家の安定した運営を維持し、国民に対応する作業に切れ目ができてはいけないと考え、行政院長を引き受けたと話した。毛・新行政院長は、これまでもさまざまな困難を克服してきたが、今回の危機はこれまでとは比べ物にならないと緊張感をにじませる一方で、「エンジニア出身の自分には、困難に直面したとき、見て見ぬふりをしたり、逃げ出したりする権利は無い。問題を発見したならそれに向き合い、実務的に問題を解決する最適な方法を提示するのみだ」と話した。
そして毛・新行政院長は、江・行政院長の築いた基礎を元に、より謙虚な気持ちで、ネット世代のニーズを理解し、世代を超えた協力関係を推進し、若者たちが夢をかなえられるようサポートしたいと述べた。毛・新行政院長は、若者には就職先を、高齢者にはよりどころを、企業には商機を、立場の弱い人たちには尊厳ある生活環境を用意できるよう努力する決意を強調した。
国防部新ビルが8日に使用開始に
台北市の大直に建てられた新たな国防部ビルが8日、正式に使用開始となった。国防部ではここ半月あまり、台北市博愛特区からの引越し作業が進められており、今月5日からは各部署が次々と新たな国防部ビルに移転した。そして8日午前6時半、国防部の厳明・部長によって新たな国防部ビルで初めての国旗掲揚式典が執り行われた。これをもって、国防部の新たなビルが正式に使用開始となった。
大直には国防部の他、空軍司令部、海軍司令部、さらには衡山指揮所があり、これらの機関が「大直国防特区」を形成する。
国防部の新たなビルは指揮底面積19.5ヘクタール。本体ビルは連合参謀事務所、軍人宿舎、勤務部隊などが入居。総工費は台湾元158億元(日本円約608億円)。施工期間中、設計変更や元の設計担当者が急死するなどトラブルが相次いだため工期が遅れ、竣工までに18年を費やした。今月3日に使用許可を取得、8日に使用を開始した。
宋楚瑜氏が柯文哲・台北市の筆頭顧問に
先ごろ行われた台北市長選挙で当選した、無所属の柯文哲・次期台北市長が、野党・親民党の宋楚瑜・主席に、市の筆頭顧問を要請、宋・主席がこれを快諾した。
柯文哲氏は8日午前、宋氏を表敬訪問、非公開で30分間会談した。会談後の記者会見で柯氏は、宋氏が台湾省政府の主席を務めていた時期、宋氏が率いたチームの能率は最も高かったことを皆が認めていると指摘し、宋氏からは学ぶべきところが多いと考え、筆頭顧問を要請したと説明した。
宋氏はこの要請を快諾。宋氏は顧問は引き受けるものの、無給職であること、人事に関与しないこと、そして、顧問となることにいかなる条件も、また代価もないことを強調した。
毛治国氏が行政院長就任の宣誓 新内閣発足
台湾の新しい行政院長(首相)に内定していた前副院長(副首相)の毛治国氏(66)は8日、台北の総統府で就任の宣誓を行い、新内閣が発足した。統一地方選で与党・国民党が惨敗した責任を取って辞任した江宜樺前院長の後任に抜てきされた。若者の就職難など社会格差の解消や経済振興など課題は多い。
新内閣が発足「政策とその進め方を徹底的に見直す必要がある」
11月29日の台湾統一地方選で引責辞任した江宜樺氏の後任の新行政院長(首相に相当)に8日、副院長の毛治国氏が昇格して就任し、行政院(内閣)の新たな体制が発足した。毛氏は交通部(国土交通省)の官僚出身で、閣僚の大部分が再任された。毛氏は就任後初めての行政院会議(閣議)で、地方選で示された民意を受け、「政策とその進め方を徹底的に見直す必要がある」と述べた。
冷静な両岸関係が台湾の利益になる
台北タイムズ社説が、中台間の諜報活動や香港の「雨傘革命」をめぐる対応が中台関係を冷却化していることを指摘し、中国と適度な距離を保つことが台湾外交にとってプラスになる、と述べています。
すなわち、馬英九総統の就任以来、台湾側があらゆる妥協をしてきたにもかかわらず、両岸関係には警戒すべき兆候がある。
10月27日付け環球時報は、台湾にいる中国人学生がスパイとして台湾の安全保障当局によりリクルートされている、と報じた。国務院台湾事務弁公室(TAO)の范麗青(Fan Liqing)報道官は、台湾はこうした行為を直ちに止めなければならない、と繰り返し強調しており、この問題が容易ではなく、両岸関係は変化しつつあることを示している。
今年、ひまわり運動によって、両岸サービス貿易協定の立法院通過が阻止された。8月には、馬政権は、行政院大陸委員会の張顯耀(Chang Hsien-yao)元副主任が、機密を漏えいしたとして告発した。張は、中国にスパイとしてリクルートされたとの噂がある。この件により、両岸関係は、厄介な行き詰まりに陥っている。
中国は、香港の「雨傘革命」が、台湾の独立要求を刺激することを懸念しており、習近平は「『1992合意』(注:一つの中国を認めるがその解釈は中台それぞれに委ねられる)に代わり『一国二制度』が台湾にも適用される」と言った。それに対し、馬は、香港のデモを支持し、「中国が民主主義の享受を認めることを望む」と述べた。TAOは、直ちに「台湾は香港の政治改革について無責任な発言をするべきでない」と応じた。
馬政権は、両岸関係において、常に中国のリードに卑屈に従ってきたが、もはや以前ほど熱心ではない。これは、台湾と中国、台湾とその他の国々の関係に均衡を取り戻すことになるだろうから、台湾にとって良いことである。たった数カ月で、両岸関係が互角の関係に戻ったのは、最近の中台関係が「冷たい平和」ではなく「冷たい戦争」だったということである。
中台間の敵意も、スパイも、減少していない。ひまわり運動が両岸関係を冷却化させなかったならば、馬はAPECで習と会うために、不利な条件を飲んでいたかもしれない。中国と適切な距離を保つことが、台湾の外交関係を安定化させることになる、と述べています。
香港で起きた「雨傘革命」は、当局による学生運動を孤立化させる作戦が奏功し、差し当たり、当局側に有利に事態が推移しているようですが、こういう運動が起こったこと自体、中国共産党政権への打撃は図りしれないものがあります。その一つは、ちょうど香港が中国に返還された前後に生まれた世代の学生たちの造反が、香港における「一国二制度」の実験が失敗に終わったことを示し、その欺瞞性を露呈させたことにあります。
香港で起きた抗議行動の光景を見て、台湾民衆の心はますます中国から離れ、1945年8月15日以前から台湾に住んでいた「本省人」だけでなく、中国に親近感をもつはずの、それ以降に大陸から移住してきた「外省人」たちも、中国共産党政権の体質に恐怖感や嫌悪感を強く感じたことでしょう。「雨傘革命」発生直後の、馬英九総統による香港学生運動支持への発言や「一国二制度」を拒否する発言は、まさに、台湾の民意の変化の反映でしょう。習近平主席が進めようとする「一国二制度」という枠組みを使っての台湾「平和統一」は遠のいたと思います。
馬英九総統は、最近、記者との会合で「私の任期中、大陸との統一について議論することはない」と述べたと報じられています。これは、大陸との経済関係の推進は追求するが、主権の問題では譲ることはない、とのメッセージです。しかし、11月29日の統一地方選挙の結果を受け、馬政権としては、両岸の経済関係を推進することは、より一層困難になるでしょう。他方、中国側は、10月の福建省視察で習近平が台湾の経済界に対し、経済関係強化、特に平潭総合実験区の推進を呼びかけ、時期を同じくして、TAOは「一国二制度」ではなく「1992合意」を認めるような声明を出しています。中国は、今後とも、硬軟織り交ぜた対応で、台湾に揺さぶりをかけていくものと思われます。