台北101の花火ショー 2万3000発が118万人を魅了
2015年の幕開けを祝うため、台北のランドマークタワー「台北101」では1日午前0時、毎年恒例の花火ショーが行われた。218秒にわたって打ち上げられた計2万3000発の花火が華麗にビル全体を彩り、多くの観客を魅了した。
カウントダウンの合図とともに花火がビルを包み込むと、周辺の道路に集まった観衆から大きな歓声が上がった。
「四季」をコンセプトにデザインされた今年の花火の映像は、衛星中継とインターネットで世界にも配信された。
台北市観光伝播局によると、花火見物や周辺で行われた年越しイベントに集まった人の数は、警察側の発表で約118万人に上ったという。
台北101以外にも、台湾各地で年明けとともに花火が打ち上げられた。
上海転倒事故、台湾女性1人死亡
海峡交流基金会からの情報によると、中国大陸上海市で起きた大規模な転倒事故で、中華民国(台湾)籍の女性1人が死亡したことが分かった。台湾の人はこれまでに2人がけがをしており、そのうち1人は入院しているという。
事故は観光地の外灘(バンド)で31日発生。新年のカウントダウンイベントに参加するため集まっていた人が将棋倒しとなり、少なくとも36人が死亡、47人が負傷した。
台湾バンド・メイデイ、高雄で年越しライブ 5万人と新年を祝う
台湾のロックバンド「メイデイ」(五月天)が31日、台湾南部の高雄で年越しコンサートを行い、約5万人の観客とともに新年を祝った。
3年連続となる今回の高雄での年越しライブは「ライト・アップ・ザ・ホープ」と題し、世間を騒がす事件や事故などが多かった2014年の最後に希望の光を灯そうという思いが込められた。
オープニング曲の「星光」では、観客が持つ5万本のペンライトの幻想的な光が会場を照らした。
1日には7月31日から8月1日にかけて高雄市内で発生した大規模ガス爆発事故の被災地で、イェン・ジュエ(厳爵)やマジックパワー(MP魔幻力量)など同じレコード会社に所属するアーティストらとともにチャリティーライブを行う。
台湾・桃園空港、利用者数過去最高を記録 成長率はアジアトップ
桃園空港は先月31日、昨年の年間利用者数が過去最高の3500万人に達したと明らかにした。前年と比較した成長率は11.4%で、アジアトップとなった。
桃園空港は台湾海峡両岸直行便の就航や、政府による訪台観光客誘致の取り組みなどで2008年ごろから利用客が急増。2013年には年間利用者数が3000万人の大台を初めて突破していた。
増加する旅客に合わせ、現在は第2旅客ターミナルの拡張工事が行われているほか、南側の滑走路の改修作業が1月中にも完成する見通し。今後は総2階建て超大型旅客機のエアバスA380型機に対応するボーディングブリッジ(搭乗橋)も新設する。
空港関係者は、計画中の第3旅客ターミナルの建設についても2021年の完成を目指すとしている。
日本の豪華客船が台湾に寄港 乗客らタロコ渓谷の絶景満喫
日本のクルーズ船「ぱしふぃっく びいなす」が31日午前、花蓮港に寄港し、約480人の乗客が地元の観光名所、太魯閣(タロコ)峡谷の大自然などを楽しんだ。
同客船は全長183.4メートル、総トン数2万6594トン、幅25メートル。台湾には12月26日から1月5日までのツアーの一環で基隆と花蓮に寄港した。
一行はこの日、険しい断崖などで知られるタロコ渓谷の絶景を堪能。午後7時に石垣島に向かって出発し、洋上で年越しと初日の出を迎えた。
花蓮港側によると、同船は近年、冬でも比較的暖かい台湾を年末に訪れており、観光客が増加する春と夏を避ける独自のビジネスモデルを築き上げているという。
台湾・花蓮の初日の出イベントにF16が飛来 新年盛り上げる
花蓮県の七星潭で1日早朝に行われた初日の出の観賞イベントにおいて、空軍のF16戦闘機が飛行パフォーマンスを行い、新しい年の幕開けに華を添えた。
初日の出は当初、厚い雲に阻まれていたが、雲の間から太陽が姿を現し、編隊を組んだF16が飛来すると、見物客からは喜びと驚きの声が上がった。
同地にはこの日1万人を超える人々が集まり、初日の出のほか、台湾原住民(先住民)によるパフォーマンスなどを楽しんだ。
欧米風建築様式の奇美博物館、台南にオープン
台湾の化学工業大手、奇美実業の創業者である許文龍氏が開設した「奇美博物館」が1日、台南市内の台南都会公園に移転オープンした。その欧米風の外観から、台南の新たな観光スポットになると目されている。
白いバロック宮殿風の博物館はギリシャ神話を基にして設計され、敷地内には仏ベルサイユ宮殿のアポロンの噴水にある大理石彫刻の複製品や、オリュンポス十二神の像を飾った橋などが設置されている。
博物館の外観の美しさに、近くを通る台湾新幹線の乗客から何の建物か尋ねる声が多く寄せられていたという。
建設には約13億台湾元(約49億円)が費やされ、4年の歳月をかけて完成した。敷地面積は約10ヘクタールで、建物の延べ床面積は4万平方メートルあまりに及ぶ。
博物館にはおよそ1万点の芸術品が所蔵されており、常設展と半年ごとに変わる特別展では、所蔵品の5~6割が展示される予定。
入場は予約制で、先月1日に今年1月分の予約受付が開始されると、その日のうちに定員が全て埋まるほどの人気だったという。
台東で新年ランニングイベント “ビキニ美女”が砂浜を疾走
台東県太麻里郷の海岸で1日早朝、新年の“ビキニ”ランニングが行われ、砂浜を走るビキニ美女の姿が注目を集めた。
この日はあいにくの天気で初日の出は姿を現さなかったが、砂浜には数十人のビキニ姿の女性が登場し、多くの見物客の興味を引きつけた。
同地では、今年で4回目を迎えるビキニランニングのほかにも、新年を祝う打ち上げ花火や台湾原住民(先住民)などによるパフォーマンスが行われ、会場に集まった人々を楽しませた。
台湾の痴漢・セクハラ被害、加害者の6割以上は“見知らぬ人”
衛生福利部の統計で、台湾で2013年に報告された痴漢・セクハラ被害のうち、加害者の6割以上が被害者と面識のない人だったことが分かった。また、その大半が公共の場で起きていた。
衛生福利部によると、2013年に受理した痴漢・セクハラに関する調査案件494件のうち、49.47%が無理やりキスや抱擁をされたり、臀部や胸などデリケートな部分を触られたりした被害だったという。性的嫌がらせを思わせる言動や態度によるものも26.65%あった。
同部の関係者は痴漢・セクハラに関する調査案件は近年増加傾向にあると指摘する。また、相手がその場で拒絶したり抵抗しなければ悪いことをしていると思わない加害者もいるという。
年末年始には被害が多発するとして、仮に遭遇した場合は周りの人などに助けを求めるように呼びかけている。
台・墺租税協定、2015年から実施
中華民国とオーストリアとの租税協定が2015年に実施される見通し。外交部が31日に発表したところによると、オーストリアと交わした「所得税の二重課税回避、および脱税防止協定」は2015年元旦から実施される。
外交部はニュースリリースの中で、中華民国が7月、オーストリアと調印した、「駐オーストリア台北経済文化代表処とオーストリア台北弁事処、所得税二重課税回避、および脱税防止協定」は12月17日、オーストリアの国会で可決され、立法化手続きが完了したため、2015年1月1日から実施に移されると明らかにした。
この協定は、中華民国政府が諸外国と調印した28個目の租税協定で、ヨーロッパの国々と交した13個目の租税協定。
外交部は、台湾企業による世界各国への進出をサポートし、平等で互恵、そして海外の投資にフレンドリーな環境作りは、政府が経済貿易の発展を促す際の重要な施政項目の一つだ。租税協定の締結は、双方の企業のために租税障害をなくすことができ、台湾企業の国際市場における競争力の向上にプラスになるとしている。
改定電気料金計算公式、立法院を通過
改定電気料金の計算公式が31日、立法院(国会)を通過した。立法院経済委員会は31日、改定電気料金の計算公式を審査、経済部の振中・部長をはじめ関連の政府高官が列席した。しかし、31日には改定電気料金の計算公式が可決されたものの、台湾電力の合理的な利潤や、電気料金の改定周期などについて意見の一致を見ることができず、この問題は、立法院にある政党グループの折衝によって解決されることになる。
改定電気料金について、経済部は3原則を提示。第1に、台湾電力が毎年合理的な利潤台湾元200億元を確保できること、第2に、電気料金の改定周期をできるだけ短くすること、第3に、電気料金の上げ幅に上限を設け、電気料金の急速な値上げを回避することの三項目。
合理的な利潤について、振中・経済部長は、全世界の大規模な発電所、または台湾の規模に近い発電所の合理的な利潤は8%から10%だが、台湾はこのような高水準を要求しなくてもいいが、合理的な利潤を3.5%から5.5%に設定したいという立場を表明した。
経済部は、「電気料金審議委員会」を設置、電気料金の上げ幅と下げ幅を定期的に検討する。電気料金の調整については、委員会の審査を通る必要がある。行政機関とそれに所属する機関からきた委員の人数は、委員全体の三分の一を超えてはいけないと明記されている。これは、電気料金の調整の透明化を図り、利益を回避するため。
なお、・経済部長は、改定電気料金は来年4月に実施できるよう努力するとしている。
陳・前総統刑務所外治療、1/5以降に延期
汚職やマネーロンダリングなどで服役中の陳水扁・前総統の刑務所外治療について一部の台湾のメディアは、年内に実現できる見通しを報じていたが、31日夜6時過ぎになっても、法務部は具体的な方針を示していなかった。健康状態が悪化している、陳・前総統の刑務所外治療の可否を巡って鑑定を行っていた、チームは先ごろ三回目の会議を開き、陳・前総統の刑務所外治療に同意することで意見の一致を見た。医療鑑定チームは30日夕刻、陳・前総統の病状に関する報告を台湾中部の台中刑務所に送った。
台湾のメディアの報道によると、台中刑務所は31日に、その報告と陳・前総統の病状に対する提案を法務部矯正署に送り、陳・前総統は31日夕刻に刑務所外治療を受けられるということだが、これらの報道に対して法務部の陳明堂・次長は、「矯正署は31日正午になっても、台中刑務所からの報告書などを受け取っていなった。報告を受け取ったとしても、審査のメカニズムがあるため、このプロセスがいつ終わるか予想できない。」と、陳・前総統が31日に刑務所外治療を受けられる可能性を否定した。
陳明堂・次長によると、陳・前総統の刑務所外治療に関する公文書には鑑定報告など複数の資料があったため、電子ファイルで送ることができず、矯正署は、慎重を期するため、正月連休明けの来年1月5日午前9時に10人から成るチームの会議を招集、それらの資料を再度審査することを決定したという。
大陸観光客の金門・馬祖・澎湖訪問が、より便利に・・・到着後現地でビザ発行
中国大陸住民の金門・馬祖・澎湖への観光が、より便利になった。台湾側当局は1日から、同地区での15日以内の滞在について、現地に到着してからのビザ発行業務を始めた。
2014年12月31日までは、旅行出発前に書類を提出する必要があった。手続き終了まで4時間と、利便性はすでに大幅に向上されていたが、1日からは到着地入境までに、最短で2分間程度で手続きが終了することになった。ただし、コンピュータシステムの導入までに、事前申請では費用が200台湾ドル(約760円)だが、現地到着後では600台湾ドル(約2280円)とする。
大陸から金門・馬祖・澎湖への15日以内の訪問は、「小三通」制度(解説参照)によるものと位置づけられている。過去3カ月の統計では、同制度を利用して金門・馬祖・澎湖を訪れた大陸人は1カ月あたり6000人あまりだった。2015年には年間7万人あまりが、“ビザ発行の簡素化”の恩恵を受けるとみられている。
台湾側は、大陸からの観光客増加が現地の観光産業振興と経済発展につながると期待しているという。
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◆解説◆
金門島は福建省泉州市の沖合い約2キロメートルの島。馬祖島と大陸との距離は10キロメートル強。いずれも大陸に極めて近いが、中華民国(台湾)が実効支配を続けている。澎湖諸島は台湾本島から約100キロメートルの西にあり、大陸よりも台湾本島に近い。
台湾側は金門島を金門県、馬祖諸島を連江県として、いずれも福建省の一部としている。福建省政府所在地は金門県に置かれている。澎湖諸島は台湾省澎湖県としている。
中国政府は1979年、台湾当局に対して大陸側との「三通(通称・通郵・通航)」を実現すべきと主張。台湾側は「不接触」、「不談判」、「不妥協」の「三不」と称して応じなかった。
しかし1990年代になり台湾資本による中国投資が盛んになると、台湾財界からも「三通」を求める声が高まった。
そのため、大陸・台湾当局は2001年に、廈門・金門島間で客船を就航させ、双方からの人の往来を実施した。大陸と台湾本島の「三通」実現前に始まった、大陸と金門や馬祖における交流は「小三通」と呼ばれた。
2008年に台湾で国民党の馬英九政権が発足したことで、中国大陸部と台湾本島を結ぶ航空便の運航など「三通」が本格化した。
海外旅行にかんして、一部の国は特定の対象国国民に対して、自国の空港に到着してから入国審査前にビザを発行している。空港で発行されるので「空港ビザ」との通称があるが、大陸部から金門島を訪れる場合には、船便も利用できる。
馬英九総統 新年の抱負に「和解と協力と平和」
馬英九総統は1日、総統府(台北市)内で2015年元旦の祝辞を発表し、政府は今後1年間で「社会間の和解」「与野党間の協力」「台湾と中国大陸の平和」に向けて努力するとの抱負を語った。
馬総統は、昨年3月に起きた大規模な学生運動に触れ、和解のためには若年層や社会的弱者などを理解する必要があると強調。国民の不満を、政府への警告や監視する力と見なすべきだと語った。
また、政治の安定のため、いかなる形の与野党間の対話と協力に関しても、その実現に取り組む姿勢を見せた。
一方、大陸との関係については、交流を通じて誤解を減らすことが最も効果的だとして、今後も「一つの中国、それぞれの立場表明」に基づき、台湾海峡両岸の平和的発展を引き続き促していくという従来の方針を示した。