台湾で最も愛されている日本の現代作家は村上春樹
台湾のウェブサイト「デイリービュー」が6日に発表した「日本の現代作家ランキング」で、村上春樹が1位に輝いた。
村上の代表作の1つ「ノルウェイの森」は台湾で50万部以上販売され、昨年には私立・淡江大学(新北市)に研究センターも開設された。
2位は推理小説の大家、東野圭吾。台湾では「ガリレオシリーズ」が有名で、俳優の福山雅治がドラマなどで演じた主人公の湯川学はインターネット上などで高い人気を誇っている。
3位には作品の半数以上が映像化されている、湊かなえが選出。松たか子主演で映画化された「告白」の公開以降、台湾でも読者が増えているという。続く4位は今春公開予定の映画「ソロモンの偽証」の原作を書いた宮部みゆきが選ばれた。
5位はランクインした作家の中で最も若い三浦しをん。台湾で人気なのは「神去なあなあ」シリーズで、「神去なあなあ日常」が2011年に最も売れた翻訳小説となっている。6位から10位には伊坂幸太郎、京極夏彦、吉田修一、百田尚樹、よしもとばなながそれぞれランクインした。
調査は昨年7月1日~12月30日の期間に収集した、インターネット上で話題になったキーワードやそれに対するコメントなどを含む「ビッグデータ」を分析する方法で行われた。
HTC、14年は2年ぶりに黒字転換へ[IT]
スマートフォン世界大手の宏達国際電子(HTC)が6日に発表した2014年第4四半期の連結純損益は、4億7,000万台湾元(約18億円)の黒字となり、通年で2年ぶりに黒字転換が確実となった。
昨年第4四半期の連結売上高は、前期比14.4%増の478億7,000万元。前年同期比では16.1%増と堅調に推移した。営業利益は1億8,000万元で前期比12.5%増。純利益は第3四半期から26.6%減少したものの、営業損益と純損益は3期連続で黒字を確保した。
HTCは昨年、旗艦機種の「HTC One(M8)」を発売し、第2四半期の売上高が大幅に増え、営業損益と純損益が黒字転換した。その後もミドルレンジの新機種などを相次ぎ投入した。11月にはスマホ「HTC デザイアEYE」と「HTC デザイア820デュアルSIM」に加え、米グーグルと共同開発したタブレット「Nexus(ネクサス)9」を、続いて12月には小型ハンディカメラ「RE」を矢継ぎ早に発売。これら新製品が第4四半期の売り上げ増に貢献した。14年通年の売上高は、前年比7.6%減の1,879億1,000万元となった。
同社は近く、営業利益や純損益など昨年通年の業績を発表する。第3四半期までの営業損益は5億3,500万元、純損益は10億1,700万元のそれぞれ黒字となっている。
駐米代表、国内での潜水艦建造の必要性指摘
駐米代表処の沈呂巡代表(大使に相当)は7日、立法院(国会)外交・国防委員会に提出した報告書の中で、米国から購入を急いでいる潜水艦について、同国に対して技術や関連設備・部品の提供を求め、国内で建造する方向で検討していることを明らかにした。
沈氏は、中華民国が保有する潜水艦は4隻全てが老朽化し、うち2隻は建造から70年以上経過しているため、更新が急務であるとしている。
米国は2001年にディーゼル潜水艦8隻を中華民国へ売却することを承諾しているが未だ実現していない。沈氏は同国がこの14年間、原子力型ではない通常動力型の潜水艦を生産していないため、事態の進展には限りがあるとの見解を示した。
潜水艦の更新を巡っては、国防部が2024年に1隻目の完成を目指して、国内で建造する計画を進めている。
台湾新幹線の財務改善案成立せず 交通相が引責辞任表明
立法院(国会)交通委員会で7日、台湾高速鉄路(新幹線)の財務改善案の審議が行われたが、反対多数で不成立に終わった。これを受け交通部の葉匡時部長が引責辞任を表明した。
交通部は、高鉄の運行については維持されるとしている。
2007年開業の高鉄は不健全な財務構造が原因で多額の累積赤字にあえいでおり、葉氏は改善案が成立しなかった場合には3月にも経営破たんする恐れがあると強調してきた。だが、切迫した状況にはないなどとして立法委員(国会議員)の理解は得られなかった。
「目標は1軍定着」西武入団の郭俊麟、日本へ出発
日本プロ野球の西武に昨年オフに入団した郭俊麟投手が7日朝、開幕に向けた準備のため、日本へ出発した。来年はシーズンを通して1軍にいられるように頑張ると意気込んだ。台湾の複数メディアが報じている。
また、郭は出国の際、海外でプレーできることが嬉しいと喜びを語った一方、台湾を長期間離れるため、家が恋しくなるだろうと話し、自身のラッキーアイテムである「クマのプーさん」のぬいぐるみを2つ日本に持ち込むという。
日本到着後、郭は他の新人選手との自主トレーニングに参加する予定で、春季キャンプで1軍スタートできるかどうかは今月末にも判明する。
台湾の大学生がユニーク地図作成 心霊スポットをテーマにしたものも
台北市内の大学で工業デザインを専攻する学生らが、お化け屋敷や駅、台湾土産などをテーマとした31枚のユニークな台湾ガイドマップを作成した。地図は期間限定でポストカードとして販売されている。
お化け屋敷地図は、心霊番組や怖い話などを研究したという学生が、全土を迷路に見立てて作成した。赤い服の少女が出没するとされる台中大坑風景区や夜中にすすり泣きが聞こえるという噂がある嘉義の劉家古サクなど計12カ所の心霊スポットを出口のようにあしらった。(サク=がんだれに昔)
また、鉄道ファンの学生は台湾各地を旅し、数カ月かけて集めた100カ所の駅にある記念スタンプと現地の特色ある風景を組み合わせて地図をデザインした。トルコ出身の学生によって作られた台湾土産をテーマにしたものもある。
学生を指導した教授は、地形や気候などで台湾を読み解こうとする人が多い中で、さらに関心を持つべきなのはその土地の過去の歴史や現在起こっていることだと、地図作成の動機を語っている。
台湾・エバー航空、今年も「安全な航空会社」に選出
航空会社評価サイトの「AirlineRatings.com」が発表した「世界で安全な航空会社」の10社に、エバー(長栄)航空が選ばれたことが分かった。また、ドイツの調査機関、JACDECが公表した安全度ランキングでも5位に輝いている。
エバー航空以外で「安全な航空会社」とされたのは、カンタス航空(豪州)、ニュージーランド航空、ブリティッシュエアウェイズ(英国)、キャセイパシフィック航空(香港)、エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)、エティハド航空(アラブ首長国連邦)、フィンランド航空、ルフトハンザドイツ航空、シンガポール航空。
エバー航空は昨年も同サイトの安全度ランキングトップ10入りを果たしている。
一方、JACDECの安全度は過去の事故数や死傷者数、輸送旅客数などから格付けされ、1位はニュージーランド航空。以下、キャセイパシフィック航空、フィンランド航空、エミレーツ航空と続いた。
台湾でファストファッション競争激化 台北イーストエリアが激戦区に
台湾でファストファッション店の競争が激しさを増している。台北市の東側、東区(イーストエリア)と呼ばれる繁華街は、世界各国・地域のブランドが軒を連ねる台湾最大の激戦区に変貌し、各店がしのぎを削っている。
その発端は2010年。ユニクロが台北メトロ(MRT)市政府駅直結の統一阪急百貨店内に1号店を構えたほか、翌年には明曜百貨店に世界で6番目の旗艦店をオープンさせた。どちらも大きな注目を集め、連日入店を待つ長蛇の列ができた。
成功したユニクロの後を追うように台湾に進出したスペインのZARA(ザラ)や米国のGAP(ギャップ)、韓国のE-LAND(イーランド)も東区に1号店を開店。スウェーデンのH&M(エイチ・アンド・エム)も今年、同地域に出店する計画で、競争はさらに激化する様相を呈している。
また、これらのファストファッションを迎撃する香港のGIORDANO(ジョルダーノ)も、夜市などの収益の悪い店舗を閉鎖し、東区を中心とした繁華街への再出店を予定しているという。
台湾で200店舗を持つ同社では、新たに低価格の姉妹ブランドを立ち上げ、収益拡大を目指す。
一方で、同じく香港のBaleno(バレーノ)は昨年、一時は200店舗を持っていた台湾市場からの撤退を決めた。東区を中心としたファストファッションの生き残りをかけた競争の熾烈化は、台湾の衣料品店勢力図を大きく変える可能性を秘めている。
ミスタードーナツ業績15%増、麺類導入で男性客誘引
統一超商が50%の株式を保有する「ミスタードーナツ(多拿滋甜甜圏)」は、昨年は1店舗のみの増加に留まったものの売上は15%増加した。顧客の8割が女性で、年齢層は15~19歳が最も多い。麺類メニューを開始した結果、食事時間帯の売上は3割から2倍に増加し、男性や会社員、家族などの新たな顧客層開拓に成功した。
日本ミスタードーナツと中華の「料理の鉄人」陳建一氏とが共同開発した四川風麺2種を全国11店舗で発売した。この他、カフェ風の新型店への改装や、セブンイレブン店頭でのドーナツ販売開始など、新たな戦略を打ち出した。同社の昨年時点の総店舗数は56店、年間売上は7億2000万元の見込み。今年は8店舗(うち3店は新型店)を出店し総店舗数を64店にまで拡大するほか、セブンイレブンのドーナツ販売店数も100店舗を目標とする。今年も売上15%増を維持し、総売上8億元に挑戦する。
クラウド・ルーの新曲MV、広島・愛媛で撮影
歌手のクラウド・ルー(盧広仲)が新曲「天然的最好」のミュージックビデオ(MV)を広島と愛媛で撮影し、映像が動画投稿サイト「ユーチューブ」上で公開されている。
MVには尾道市の商店街や神社、しまなみ海道などが登場し、学校の屋上でクラウドが児童らとギターを演奏している場面もある。
所属レーベルによると、同MVは、日本側の招きで撮影されたものだという。
台湾・桃園空港の南側滑走路、8日から運用再開 春節の混雑緩和に期待
)改修工事が行われていた桃園空港の南側滑走路の運用が、8日に再開されることになった。2月中旬の旧正月連休期間中の混雑緩和が期待されている。
桃園空港では2011年から滑走路や誘導路の全面的な改修を行っており、南側滑走路では昨年2月から作業が進んでいた。
南側滑走路は長さが3800メートルに延長され、超大型旅客機のエアバスA380の運航にも対応する。また、視界が悪い場合における離着陸の安全性が向上するという。
3月からは北側滑走路の改修工事に取り掛かる予定で、全ての作業が終了するのは2015年末としている。
同空港では利用者の増加に対応するため、第3旅客ターミナルと第3滑走路の建設を計画しており、早期の実現を目指す考えだ。
台湾ミスド、ラーメンの販売拡大 セブンイレブンへの進出も検討
台湾でミスタードーナツを経営する統一ドーナツ(多拿滋)は昨年4月から一部店舗でラーメンの販売を開始し、サラリーマンなど新たな客層の開拓に取り組んでいる。また、今年はコンビニ最大手の統一セブンイレブン(超商)での取り扱いも予定しており、事業の拡大を加速させている。
同社の洪尭欣総経理(社長)はドーナツ専門店からの脱却を図りたいと話す。ラーメンを販売する新形態店舗は今年中にさらに3店舗増やす見通しだという。内装も温かみのあるカフェの雰囲気に変更し、従来のイメージを一新した。
ラーメンの販売は、毎月約1000杯を売り上げるなど好調で、業績が少なくとも3割上昇したという。昨年9月からは日本同様に料理人、陳建一氏監修の「麻婆豆腐麺」などを販売し、冬に合う味として攻勢をかけている。
新形態店舗の展開で、同社の昨年の販売額は15%増加した。今年は同じ統一グループが経営するセブンイレブン100店でもドーナツを販売し、さらに15%の売り上げ増を目指すとしている。
旧駐米大使官邸で国旗掲揚
今年の元旦、中華民国の旧駐米大使官邸、ツイン・オークスで中華民国の国旗掲揚式が36年ぶりに行われたことに対して、米国務省がそれを知らなかったと回答した。これについて、中華民国外交部が理解を示した。
中華民国の旧駐米大使官邸で中華民国の国旗掲揚式が行われたことに対して、米国務省がそれを知らなかったと回答したことについて、中華民国外交部が理解を示した。
中華民国の駐米大使館に相当する、駐米代表処は今年の元旦、米ワシントンにある、中華民国の旧駐米大使館、ツイン・オークスで、1979年中華民国と米国との国交断絶後、初めての国旗掲揚式を行い、沈呂巡・駐米代表は、米駐在の軍事代表団の軍官に勲章を授与した。これは、両国の国交断絶後の歴史的な一時だと考えられている。
しかし、米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官(女性)は、米東部時間5日、事前にこの国旗掲揚式に関する知らせを受けておらず、その国旗掲揚式は米国の政策に合致しないとし、米国は今後も、中国大陸と交わした三つのコミュニケ、および台湾の防衛を約束する、米の国内法「台湾関係法」を基礎とする、「一つの中国政策」を遵守するとコメントした。
この国旗掲揚式の挙行は、中華民国台湾と米国との関係がさらに強固になることを意味するかどうかとのメディア関係者の質問に対して、サキ報道官は、台湾と米国との相互信頼と関係は変わっていないと強調した。
米国務省の発言に対して、中華民国外交部の高安・スポークスマン(報道官)は6日、「台湾と米国との意思疎通が非常にスムーズに行われている。米国側が説明したように、台湾と米国双方の関係は変わっていない。米国側が政策の一貫性に基づいて行った回答と説明は理解できる。」と述べた。
ツインオークスは米ワシントン.に位置する古跡とされる建築物で、中華民国政府の国有財産でもある。1937年から1978年の間、米国駐在の中華民国大使の官邸として使用されていた。1979年、米国のカーター元大統領は、中共と国交を樹立、ツインオークスが中共に占拠されるのを防ぐため、中華民国に友好的なアメリカの政府要人は、20米ドルという象徴的な価格で、ツインオークスを同じ中華民国に友好的なアメリカの民間団体、「自由中国の友協会」に売却、一年後、この協会は財務危機を理由に、それを中華民国政府に売却した。
「婚姻処罰税」が廃止、小売業に有利か
所得税法部分条文修正草案が6日、立法院(国会)を通過した。夫婦の賃金以外の所得は、最も有利な計算方法で課税されることになり、今年5月に始まる昨年の所得税の申告に適用される。台湾の現行の所得税法第15条の規定によると、総合所得税の申告は世帯を単位にする。夫婦の所得を合わせて世帯単位で申告することが義務付けられている。所得が多ければ多いほど、適用される税率が高くなる。結婚後、租税の負担が重くなることから、納税者の間ではこの税制のことが「婚姻処罰税」と呼ばれている。
憲法、法律、命令の解釈や正副総統への弾劾案の審理などを司る、司法院大法官は、結婚後の税負担が結婚前より増えたことは、憲法における平等の原則に違反したとして、2012年に所得税法第15条の規定が2年以内に効力を失うと明らかにしたため、この規定は2014年に効力を失った。
法改正に参与した、与党・国民党の盧秀燕・立法委員は、「およそ65万組の夫婦が今回の法改正の恩恵を受けられると見られている。一組は税金を台湾元2万3000元節約できる。悪名高い『結婚処罰税』をなくすことができるほか、昨年の所得税を申告する際に適用されるため、国民にとって最適のニューイヤープレゼントとなるだろう。」と述べた。今回の税制改革により、国庫は年間税収が台湾元150億元減少すると見積もられているが、「婚姻処罰税」の廃止は、市場の資金の増加、小売業などへの消費の増加、株式市場への投資の増加にプラスになると予測されている。
台湾人「日本に行きたい」、香港人「日本に行きたい」、中国人「日本に行きたい」、日本人「中国に行きたくない」
米国の大手旅行専門インターネット・メディアの「トラベルズー(Travelzoo)」はこのほど、オーストラリア、日本、中国(大陸部)、香港、台湾に住む会員を対象に「2015年に訪れたい旅先」を質問するアンケート調査の結果を発表した。台湾、香港、中国では「2014年」について行った調査に引き続き、「日本」と回答した人が最も多かった。日本人で、訪れたい旅先に中国を選んだ人は、いずれも10位以内に入らなかった。
トラベルズーは日本、中国大陸、香港、台湾、オーストラリアの会員4322人を対象に「2015年に訪れたい旅先」についてのアンケートを実施した。
調査対象とした地域で、「2015年に訪れたい旅先」に日本を選んだ人が最も多かったのは台湾で、前回調査の「2014年に訪れたい旅先」の調査結果よりも3ポイント増56%が、「2015年に訪れたい旅先」に日本を選んだ。第2位はスイス(22%)で、以下は第3位のイタリア(20%)、第4位の米国(20%)、第5位のモルディブ(19%)と並んだ。日本は第2位のスイスにも大きな差をつけた。
香港では、「2015年に訪れたい旅先」が前年比6%増の49%だった。第2位はオーストラリア(31%)、第3位は韓国(28%)、第4位はモルディブ(25%)、第5位はタイ(21%)と並んだ。
香港でも、「日本」を選んだ人が最も多かったが、台湾ほど「行きたい旅先」として日本が突出しているわけではない。また、香港では「行きたい旅先」として韓国が2014年、2015年ともに第3位と安定している。なお台湾で「行きたい旅先」に韓国を選んだ人は、14年、15年ともに第10位以下の「圏外」だった。
中国が「2015年に行きたい旅先」として日本を選んだ人は前年比11ポイント増の40%だった。第2位から5位までは米国(31%)、ニュージーランド(27%)、オーストラリア(26%)、台湾(25%)だった。
日本が「2015年に行きたい旅先」として選んだ第1位から第4位までは米国(38%)、日本(28%)、イタリア(22%)、フランス(20%)、スペイン(18%)で、オーストラリアと台湾がとも17%で続いた。
日本で「行きたい旅先」に中国(大陸部)を選んだ人は2014年、15年ともにランキング10位以下の「圏外」だった。香港でも、両年ともに「圏外」だった。
台湾では「2014年に行きたい旅先」に中国を選んだ人が21%で第3位だったが、「2015年に行きたい旅先」では15%で第9位と、大きく後退した。
**********
◆解説◆
台湾では大陸との交流活性化を政策の柱のひとつとしてきた馬英九総統が、大陸とのサービス貿易の制限解除や市場の大幅開放を盛り込む「海峡両岸サービス貿易協定」締結についての大陸側との協議を2011年3月に始めたが、協定内容そのものと強引な進め方に問題があるとして、14年3月から4月にかけて、反対する学生らが立法院(国会)を占拠するとの事態になった。
馬総統の「大陸との交流活性化」は結果として台湾で、「大陸に旅したい」という“友好感情”を減じたと考えることができる。
**********
中国大陸、台湾、香港という中華圏社会の主要地域で、旅先としての日本の人気が安定して高いことは、日本の「国力」、なかんずく「ソフトパワー」の強さの表れと考えてよい。
大陸からの観光客については、マナーの問題で眉をひそめる日本人も少なくはないが、「来てもらえるうちが花」ということは事実だ。歴史的にみても、古代ローマ、中国の長安など、さらに現代では米ニューヨークなど、繁栄した国の主要都市は、国際色が濃厚だった。外国人や外国文化が流れ込む中で、「現地社会が本来もつ、本質的な長所」をいかに保つかは、外国人側でなく、むしろ「本来からの住人にとっての課題」だった。
古代ローマや長安などでは、繁栄を失うとともに訪れる外国人も少なくなり、国際色は薄れていった。