新竹市が植物油の重金属検出を発表、衛福部と業界団体が反駁
新竹市政府は20日午前、6社7品目の植物油から重金属のクロムと飽和脂肪酸のトランス脂肪酸が検出されたとし、市内の学校や飲食店で使用しないよう発表した。これに対し衛生福利部は、現在のところ健康上・法的な問題はないとの見解を示した。
クロムのうち、三価クロムは人体に必要で、六価クロムは人体に有害。クロム含有量についての国家基準はないが、今回新北市が検出した0.03~0.04ppmは、環境中自然に含まれるとされる平均0.3ppmの10分の1で問題はないとした。また、植物油公会(組合)は、トランス脂肪酸の表示について、現行法では植物油など水素不添加油脂製品における表示義務はなく、今年7月からの新規定で0.3gを超えた場合にのみ表示が求められると反論した。今回の発表により関係業者の株価は一時大きく値下がりし、植物油公会は新北市の軽率な発表に対し法的措置も辞さないと怒りを露わにしている。
昨年12月輸出受注、過去2番目の高水準に[経済]
経済部統計処が20日に発表した2014年12月の輸出受注額は、前年同月比4.5%増の442億3,000万米ドル(約5兆1,900億円)で、単月ベースで過去2番目の高水準となった。前年同月比のプラス成長は11カ月連続。最大の比率を占める「情報通信製品」の受注額は14.7%と大幅に伸び、過去最高を記録した。14年通年では前年比6.7%増の4,728億1,000万米ドルとなり、年間ベースで過去最高となった。
昨年12月単月の輸出受注額を主要製品分野別にみると、情報通信製品は137億8,000万米ドルで全体の約3割を占めた。世界大手ブランドメーカーのモバイル端末新製品の好調な販売などが、受託製造企業やサプライヤーの受注を押し上げた。情報通信製品に次いで全体の比率が大きい電子製品の輸出受注額は5.6%増加。モバイル端末製品の好調な販売や、コンシューマエレクトロニクス製品向けのIC需要の拡大が、ファウンドリー(半導体の受託製造)やIC封止・検査、DRAMメーカーの受注増につながった。
主な発注元の国・地域別では、米国が12.8%増の119億9,000万米ドルとなり、過去2番目の高水準となった。うち、情報通信製品の受注額は20.3%増の7億4,000万米ドルだった。欧州からの受注額は17カ月連続のプラス成長となる9.7%増で、過去最高を更新。中国は、化学品の受注が32.7%(3億2,000万米ドル)減ったことなどが響き、1.1%のマイナスとなった。
経済部統計処は今年について、モバイル端末やウエアラブル端末、第4世代移動通信システム(4G)関連、モノのインターネット(IoT)関連の需要拡大が、台湾の情報通信製品や電子製品など主要な輸出品の受注をけん引すると予測。一方、液晶パネルなどを含む「精密機器」や石化などの従来型産業の受注については、国際競争の激化や中国経済の減速、中国の一部産業チェーンの現地化などの影響を受ける可能性があるとみている。
郵便物投棄の配達人が自首 「3年前からやっていた」
東部・花蓮県の清水断崖で19日、不法投棄された配達途中の郵便物が大量に見つかった問題で、花蓮郵便局の配達人の男が同日夜、花蓮地検に自首した。男は取り調べに対し、郵便物を捨てていた事実を認めている。
この男は、仕事上のストレスのため、3年前から約1カ月に1度、配達中の郵便物を捨てていたと供述している。清水断崖は地形が複雑で、普段から強い風が吹き、他人に見つかりにくいとして投棄場所に選んだという。未配達の郵便物は数万通に達するとみられている。
関係者は男について、10年以上の経験があり、配達の速度は遅かったとしながらも、過去に重大な問題を起こしたことはなかったと語っている。
台湾では郵便物を隠匿、投棄した場合、郵政法第38条違反で60日以下の身柄の拘束や9万台湾元(約33万円)以下の罰金などが科せられる恐れがある。
台湾鉄道、旧正月期間中にプユマ・タロコ号の自由席券試験販売
台湾鉄路は旧正月連休に合わせ、2月17日から23日まで、全車座席指定の特急列車、プユマ(普悠瑪)号とタロコ(太魯閣)号に自由席を初めて設定する。帰省ラッシュの輸送力増強を図る考えだ。
自由席が設けられるのは、全84列車。そのうち半数は7、8号車のみが自由席として開放され、残りは全車自由席となる。また、安全性や快適性を考慮し、通路やデッキに立つ乗客を各車両20人程度にとどめ、カーブ通過時には通常よりも速度を抑えるという。
プユマ号とタロコ号は日本で製造された車体傾斜装置を持つ比較的新しい車両で運行される。週末を中心に乗車券が購入しにくい情況が続いており、台鉄では自由席の導入を検討していた。
チャイナエアライン、グループ全体で中小型機50機の購入を検討
チャイナエアライン(中華航空)の孫洪祥董事長(会長)は20日、今年からグループ会社のマンダリン(華信)航空、タイガーエア台湾(台湾虎航)と共同で中小型機計50機を新規購入する考えを示した。
交通部民用航空局の式典に参加した孫氏は、原油価格の下落を受け、営業利益の増加が見込めると良好な経営状態を強調。その上で、老朽化した航空機20機の更新を含めたナローボディ機と呼ばれる中小型機の導入を示唆した。
孫氏は「急ぐことではない」としながらも、すでに購入に向けた準備を始めているという。また、同社は今年、繁忙期をめどにロシア、トルコ線を開設し、高雄-関西、仁川線も増便する予定だとしている。
台湾の生産年齢人口、来年から毎年18万人減少へ 進む少子高齢化
台湾の生産年齢人口(15~64歳)は、2016年から2060年まで、毎年平均18万人ずつ減少する見込みなのが、国家発展委員会の予測で分かった。
統計によると、現在の生産年齢人口は総人口の約75%にあたる1737万人。台湾では高学歴化に伴い、社会に参加する年齢が高くなる一方で、定年を待たずに退職する人が増えている。このほか、優秀な人材が海外に流出する現象も目立つようになっており、労働力の維持が課題だ。
65歳以上の高齢者1人を支える現役世代は、2014年時点で6.2人なのに対し、2060年には1.2人に減少するという。
国家発展委員会では、中高年や高齢者を対象にした教育訓練や就職斡旋(あっせん)のほか、海外で活躍する台湾出身の人材を引き戻せるような魅力ある環境作りなどに取り組むとしている。
約80ヘクタールの花畑が旧正月をお迎え
高雄市政府工務局養護工程処は、2015年の春節(2月19日)を前に、市内各地の計80ヘクタールあまりの土地に色とりどりの花を植え、にぎやかな雰囲気を作り出している。
高雄市は近年、「城市花田」と呼ばれる緑化計画を進めており、春節の連休時に花見ができる場所を増やそうと、毎年末、休耕期の農地をコスモスやヒャクニチソウ、ヒマワリなどの花で彩っている。これに加え、同処の許瑞娟副処長は、今年は大型公園や主要道路、観光地などの一角にも花壇を作ったと語った。
今後、高雄メトロ(高雄捷運)の駅出口にセンジュギクやセージ、サルビアなどでイラストを浮かび上がらせる花壇を作る計画もあるという。
台湾、外国人HIV感染者らの入境制限など撤廃へ
立法院(国会)は20日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の拡散防止などに関する条例の改正案を可決した。これまで外国人HIV感染者などに設けられていた台湾への入境や停留、居留制限が撤廃される。
現行の法律では、台湾に3カ月以上滞在する外国人や中国大陸、香港、マカオ籍の人のHIV感染が確認された場合、関連機関は該当者の停留、居留などのビザを撤回したり、無効にした上で、強制送還措置とすることが可能。
これに対し行政院(内閣)は、人権保護の観点から、関連の制限を取りやめる必要があるとして、条例の改正を求めていた。
衛生福利部(衛生省に相当)によると、外国人HIV感染者が入境の制限を受けない世界の国・地域は、今年1月上旬時点139に達するという。
日本人建築家設計の「台湾タワー」、建設一時中止へ
林佳龍台中市長は19日、日本の建築家が設計した巨大建造物「台湾タワー」の建設工事を一時見合わせると発表した。建設中止で生じる違約金などの損失額は3億台湾元(約11億2000万円)を下回るとしている。
台湾タワーは台中市の直轄市昇格などを祝うために、胡志強前市長が建設を決めた。デザインは国際建築設計コンペティションで1位に入賞した日本人建築家、藤本壮介氏が携わり、竣工後は市のランドマークになるとして注目を集めていた。
市政府は予算が150億元(約561億円)と当初の見込みからほぼ倍増したことや設計・システムの安全性に大きな問題があるなど工事中断の理由を説明。また、問題解決に向けた専門チームを発足させ、関連の調査報告を1カ月以内に提出する予定。
林市長は昨年末の就任後、台中国家歌劇院(伊東豊雄氏設計)など前市長が在任中に進めていた公共施設の建設の見直しを相次いで行っている。今回の決定について、前副市長の蕭家淇氏は「台湾の名誉が傷つく恐れがある」と述べ、懸念を表明している。
フリッカー、「台湾の美しい写真ベスト10」発表 1位は台北郊外の茶畑
米ヤフーの写真共有サービス「フリッカー」が19日、2014年の「台湾の美しい写真ベスト10」を発表し、1位は新北市南東部・坪林の茶畑の夜明けを写した写真だった。山々の間に雲海が立ち込める中、朝日がわずかに差した幻想的な風景を写し出している。
2位以下には、台南市二寮の日の出や高雄市内の蓮池潭、台北101、離島・金門にある太武山などの風景写真がランクインした。
ランキングは、位置情報タグにより撮影地を台湾としている投稿写真の中から、閲覧数やユーザーにお気に入りに登録された数などを基に決定した。
同ランキングは世界の国・地域ごとに発表されており、フリッカーによると、中国大陸や香港、シンガポールなどのアジア地域では建築物をテーマとした作品が多く選ばれている中、台湾の入選作のうち約8割は屋外の風景を撮影したものだったという。
民間団体、環境への配慮が欠如した日本食レストランなど公表
環境保護団体のグリーンピースは20日、飲食店が食品の安全性確保や水産資源の持続可能な利用に取り組んでいるかを評価した独自の調査結果を公表した。
調査は昨年9月から今年1月にかけて実施。刺し身やすしなどを扱う飲食店9社を対象に環境への取り組みに関するアンケートや取材などを行い、30点満点で評価した。
最低評価を受けたのは、高級日本料理店「三井餐飲」と大手回転ずしチェーン「争鮮」でどちらも2点。いずれの店舗でも顧客の質問に対して店員が的確な回答をせず、食材の仕入れ元に関する情報も提供しなかったなどとしている。
同団体は、飲食店などに対し、太平洋クロマグロなどの絶滅危惧種の捕獲や生態系の破壊をし、人権を軽視した漁業者などの排除や正しい産地の表記、消費者への説明などを求めている。
「台湾ランタンフェスティバル」来月開催 メイン作品のデザイン公開
交通部観光局は20日、台北市内のホテルで記者会見を開き、2月27日から台中市内の3カ所で行われる「台湾ランタンフェスティバル」(台湾灯会)のメインランタンのデザインとミニちょうちんを公開した。
メインランタンは、連なる山々をイメージした土台に、上を向いて遠くを見つめる羊が立っているデザインで、発展を続ける台湾を表現。高さは過去最高の23.4メートル。同作品は台湾高速鉄路(新幹線)台中駅近くの会場に設置され、3月5日から10日間、最新技術を採用したLEDライトが織りなす光のショーを30分おきに実施する。
紙製のミニちょうちんは、民話から着想を得て、白い羊と黒い羊の2種類が用意された。8万個限定で2月27日から各会場で配布される。
今回のランタンフェスティバルは「低炭素、ハイテク、文化都市」をテーマとし、800万人以上の人出が予想されている。高鉄台中駅付近のほか、台中公園、台湾鉄路豊原駅周辺を会場とし、総面積35万平方メートルに様々なランタンのモニュメントが飾られる。会期は3月15日まで。
台湾の山地で降雪 合歓山で積雪5センチ
寒波の影響により台湾の山地で20日夜から21日早朝にかけて雪となり、中部の合歓山(3417メートル)では5センチの積雪を観測した。
台湾最高峰の玉山(3952メートル)では昨夜から断続的に雪が降り、気象観測所によると0.5センチの積雪を観測したという。合歓山では21日午前4時すぎから降雪が確認された。
合歓山の周辺道路では一部でチェーン規制を実施。地元の派出所では雪見客などに対し、防寒や交通安全を呼びかけている。
エイズ感染の外国人送還の規定を撤廃
台湾では1日にエイズ感染者が平均で6人増えているという。写真は12月1日の世界エイズデーに合わせた活動の様子。
外国籍の人でエイズに感染していた場合、強制送還する規定が撤廃された。立法院本会議は20日、「エイズ防止及び感染者の権益保障条例改正案」を可決、台湾に滞在する外国人でエイズに感染した場合は強制送還にするという規定を削除した。これにより、中華民国台湾はエイズ感染者の滞在を認める、世界で140番目の国となる。
国連によると、エイズに感染した外国人の滞在を拒否する国は28カ国で、中華民国台湾の従来の規定では、台湾に3ヶ月を超えて滞在する外国人はエイズ検査を受けなければならず、陽性と診断された場合は国外退去が求められた。しかし、立法院はこの規定を撤廃。
審査に参加した、与党・国民党の楊玉欣・立法委員は、「すべての人が関心を寄せているのは感染予防策であり、人の出入国や滞在を制限しては一種の人権侵害だ」と話した。
英運輸相が26日から訪台、過去最高クラス
イギリスの運輸閣外大臣が今月中華民国台湾を訪問する。中華民国台湾におけるイギリス大使館に相当するイギリス貿易文化弁事処は20日、イギリスのSusan Kramer 運輸閣外大臣が今月26日から27日まで、イギリスの鉄道貿易代表団を率いて台湾を訪問すると発表した。近年で、最もクラスの高いイギリスの政府関係者による訪問となる。
今回の訪問の目的は、台湾とイギリスの貿易と投資の面での往来強化で、イギリスの交通産業の優れた点、特に鉄道、都市再開発などインフラ建設の力をアピールすることだという。
Kramer運輸閣外相は27日、イギリス貿易文化弁事処と中華民国の交通部が共同で開く、「台湾・イギリス鉄道シンポジウム」に出席、あいさつをするとともに、双方の関連の団体の協力覚書や協力意向書の締結に立ち会うということ。