日本の台湾統治を美化? 柯台北市長の発言が波紋
柯文哲台北市長(55)はこのほど、米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」のインタビューに応じた。植民地と近代化との関係について言及した際、同じ中国語圏にある台湾、中国大陸、香港、シンガポールを取り上げ、「(外国による)植民地支配の歴史が長いほど、文化が進んでいる」などと述べ、波紋を広げている。
29日付の同誌(電子版)に掲載された柯氏のこの発言をめぐり、与党・国民党所属の国会議員や台湾独立反対派、一部の大学教授から、「反民主主義的なひどい失言で社会に謝罪するべきだ」、「被植民者が受けた暴行や差別を無視した、偏った見方だ」、「安易に文化の優劣を決めてはいけない」などと批判の声が相次いでいる。
台北市の林鶴明報道官は31日、(柯氏が伝えたがっているのは)これらの国・地域には不愉快な思いのほか、インフラ整備など評価に値するものも植民者によってもたらされたことだと説明。また、「植民地支配が長いほど文明的」とする論調は、歴史学者の間で議論が交わされてきた「植民地近代論」で、柯氏独自の発想ではないと強調した。
寧夏夜市で2月末にもカード支払い可能に
台北市寧夏夜市(ナイトマーケット)観光協会の林定国・会長は1日、寧夏夜市はよりスムーズなサービスを実現するため、2月末から3月初めにかけて、クレジットカードとイージーカード(悠遊卡:台北新交通システムなどで使用する電子マネー)による支払いへの対応を試験的に開始すると明らかにした。
当初は15店舗、5個の屋台で1ヶ月間実施する。寧夏夜市ではすでに1年以上準備。電子マネーでの消費方式により店舗側が偽札を受け取ったり、ごまかされたりするリスクが無くなる。会計作業も正確になり、顧客管理も可能になるという。同夜市では、第二段階では25店舗、180の屋台での導入を計画している。
バニラ・エア、高雄-成田路線を開設
日本の格安航空会社、バニラ・エアが1日、台湾南部の高雄国際空港と日本の成田空港を結ぶ路線を開設。毎日1往復運航する。
日本の格安航空会社、バニラ・エアが1日、台湾南部・高雄市の高雄小港国際空港と日本の成田空港とを結ぶ路線を開設した。高雄市政府観光局によると、これによって高雄市と日本を結ぶ路線は、チャイナエアライン、エバー航空、日本航空、ピーチ・アビエーション、そしてバニラ・エアの5社が週に合計55往復運航することになった。日本側の発着地は、東京(成田)、大阪、琉球、札幌、熊本で、観光面での利便性が高まっている。
高雄市政府はバニラ・エアの一番機を大歓迎、高雄市で人気のゆるキャラ、「高通通」と観光大使の「泰迪熊(テディベア)」が歓迎ロビーで日本からの旅行者を出迎えた。搭乗率は約8割だった。
国民党:次期総統候補6月には決定
来年、立法委員選挙と次期総統選挙を同時に行うかどうかに関心が高まっている。与党・国民党の朱立倫・主席は1日午前、これについて聞かれ、同日実施の最大の問題は新たな総統が選ばれてから引継ぎまでに4ヶ月あることで、この長さは世界でも例が無いと指摘。その上で、台湾の政治が権力と責任が伴う内閣制もしくは内閣制の精神に向かうならば、総統選挙と立法委員選挙を同時に行うことはほぼ不可能で、見直す場合は与野党が共同で検討すべきだとの立場を示した。
最大野党・民進党では、次期総統選挙への出馬希望者は旧正月(2月19日)以前に党内予備選出馬届出用紙を受け取るというスケジュールだが、主席が交代したばかりの国民党は動きが鈍い。党内では、呉敦義・副総統、王金平・立法院長、朱立倫・主席らの出馬を期待する声が上がっている。党関係者は、総統選挙を立法委員選挙と同時に行うかどうかにかかわらず、党の総統候補者は6月までに決めれば間に合うと述べた。
鳥インフルが鶏へ、地鶏が値下がり
鳥インフルエンザが依然として収まらない。鶏への感染が続いており、行政院農業委員会動植物防疫検疫局では引き続き警戒を強めている。旧正月を前に鶏、ガチョウ、アヒルの料理を敬遠する動きも。
行政院農業委員会動植物防疫検疫局は1日、台湾における鳥インフルエンザの状況を説明した。同局の張淑賢・局長は、依然として厳しい状況にあるとの認識を示し、気を緩めることは出来ないと強調した。
異常が見つかりサンプルを検査に送った飼育場は22カ所増えて累計663カ所に。感染が確認されたのは622カ所。サンプル検査に送られた飼育場のガチョウは190万羽に達し、全てが感染していたならば、台湾で飼育されるガチョウはほぼ全滅になるという。また、鶏の感染が増加傾向にある。動植物防疫検疫局は警戒を強めおり、各飼育場が自力での感染防止策を徹底するよう求めた。
鳥インフルエンザにより、鶏、ガチョウ、アヒルを消費者が敬遠。地鶏価格は引き続き下がり気味だという。
水不足深刻、台湾全域のダムで貯水量減
極端気象により台湾では過去10年で最も深刻な水不足に。台湾の主要なダム9カ所のうち7カ所の貯水量は5割を割り込んでおり、4万3600ヘクタールの水田に灌漑できず、今年一期目の稲作は休耕が余儀なくされるという。
桃園県の石門ダムの1月末の有効貯水量は8671万トンで、給水している新北市板橋区、林口区などではすでに第一段階の給水制限が実施されている。新竹県の宝山第二ダムは3147万トンで、2006年に貯水を始めて以来最低の水位を記録。有効貯水量535万トンの宝山ダムは54.83%で深刻な状態になりつつある。
苗栗県の永和山ダム、明徳ダム、台中市の鯉魚潭ダムも50%以下に。明徳ダムは24.39%まで低下。嘉義県・市に給水する仁義潭、蘭潭ダムの水位も下がり、第一段階の給水制限に入っている。
灌漑が主な用途の曽文ダムと烏山頭ダム(いずれも台南市)も1月末には例年より1億トン以上少なく、貯水量は51%に。高雄地区では過去15年で最も深刻な水不足に直面しており、旧正月明けには第二段階の給水制限が始まるものと見られている。
一方、台北市、新北市、基隆市に水を供給する翡翠ダムは例年より2000万トン多く、昨年11月より毎日、板新浄水場に46万トンを供給している。
「富士そば」台中に進出、日本の麺料理激戦地に
台中市のデパート・新光三越中港店が、館内に「名代富士そば」の台湾2号店をオープンする。同デパートは近年、人気ラーメン店「らあめん花月嵐」と「一風堂」、讃岐うどんの「丸亀製麺」を次々と誘致してきた。丸亀製麺台中店は月間売上800万~900万元で、丸亀製麺の店舗売り上げ世界一を誇る。昨年8月開店の一風堂も月売上は900万元超、花月嵐も平均450万元と好調だ。
「富士そば」は台北市の1号店オープン初月に月売上300万元超を記録。ラーメン・うどん・そばの三大麺料理が揃った同デパートでは、年間売上3億元を期待している。同じく台中市のデパート・中友百貨も、昨年末につけ麺の「三田製麺所」の台湾4号店をオープン。台湾中部では唯一の店舗で、月売上は300万元を超える。台中の遠東百貨(TopCity台中大遠百)も、日本の「らーめん山頭火」を2月2日にオープンする予定だ。
セブン、人民元両替業務開始[金融]
統一超商(プレジデント・チェーンストア)が運営するコンビニエンスストア台湾最大手のセブン―イレブンは、2月1日から中国人民元と台湾元との両替業務を3店舗で開始した。中央銀行が先に、同社に両替業務を認可したのを受け、準備を進めてきた。
中銀の担当者は「中国人旅行客の急増に伴い、両替所や銀行、ホテル、百貨店以外の場所での人民元両替ニーズが高まっていると判断した」と述べた。統一超商の発表によると、セブン―イレブンが人民元の両替業務を行うのは、台北市の捷盟店(万華区)と中愛店(中正区)、名宝店(内湖区)。午前7時から午後11時までサービスを行い、1日に1人が交換できる金額の上限は2万人民元(約38万円)。1回の手数料として40台湾元(約150円)を徴収する。
台湾のコンビニエンスストアでは、全家便利商店(台湾ファミリーマート)が初めて両替業務を認められ、2012年に開始。現在は、台北市内の江寧店と寧夏店、嘉義市の中埔明珠店の3店で、人民元のほか日本円や米ドル、香港ドル、韓国ウォンと台湾元との両替を行っている。全家の広報担当者は「両替手続費は徴収していない」と説明している。
中銀によると、コンビニ2社の交換レートは銀行が発表しているレートを参考に各社が決めるとしている。
日本人学者ら台湾大地震被災地を視察 復興への取り組みなど理解
神戸大、京都大などの学者ら6人が先月31日、1999年に発生した台湾大地震の被災地の一つ、南投県国姓郷を訪れ、役場などで復興への取り組みについて関係者から説明を受けた。1日付けの自由時報が伝えた。
震災直後、同郷は台北市政府から人員の派遣や機材、経費などの支援を受けて復興に取り組んだ。丘埔生郷長は、郷と台北市で毎日話し合いを行い、作業は円滑に進められたと振り返る。ほかの被災地でも、別の地方自治体からの援助などを受けて復興したという。
九二一震災重建基金会の関係者によると、1996年の台風9号でも同様の支援が行われたという。災害時の助け合いの精神に学者からは感嘆の声が上がった。
台北アリーナの台湾語は「シウグータン」
台北市民の通勤通学の足、台北新交通システム(MRT)は昨年、松山線が開通した。MRTでは各駅の名称を、標準中国語、台湾語、客家語、英語で車内アナウンスしているが、松山線沿線にある多目的体育館の「台北小巨蛋(台北アリーナ)」は三度標準中国語で発音していた。このため一部の乗客は、「レコードの針が跳んだ」と揶揄していた。
台北市新交通システム局によると、「巨蛋」は外来語のため、台湾語と客家語で発音すべきところを標準中国語で代用していた。しかし、このほど台湾語と客家語の教学聯盟の専門家の協力を得て、正式な台湾語名称と客家語名称を決めた。1日から使用されている台湾語の発音は「シウグータン」となっている。
日本製蒸気機関車、台湾東部を快走 沿線には大勢のファン
台湾鉄路は先月31日、日本製の蒸気機関車CT273が牽引する臨時列車を運行した。沿線には普段見られない車体をカメラに収めようと、大勢の鉄道ファンらが詰め掛けた。
CT273は日本のC57と同型で、日本統治時代の1943(昭和18)年ごろ台湾に持ち込まれた。この日は台北から参加したツアー客を乗せて台東線の花蓮―万栄(花蓮県)を走行。乗客や待ち構えたファンらは独特な音や煙などを楽しんだ。
280枚用意された乗車券は発売後間もなく完売するほどの人気ぶりで、頼東震花蓮駅長は、好評なら今後も東部幹線で運行したいと話している。
台北ゲームショウ最終日 来場者過去最高の50万人目前
世界貿易センター(台北市)で先月28日から開催されている台北ゲームショウが1日、最終日を迎え、多くの人でにぎわっている。主催者側は来場者が過去最高の50万人を超えるのではと予測している。
メーカーなど195社、1471ブースが参加した今回のゲームショウは、4日目までの累積来場者が33万人を突破。土曜日となった31日にはさまざまなイベントが開催され、11万人が会場を訪れた。きょうの台北市は雲の切れ間から時折太陽が顔をのぞかせるまずまずの天気となり、すでに客足は好調だ。
会場には元AKB48メンバーの板野友美やAV女優の有村千佳らがゲームソフトのプロモーションイベントに参加するなどし、来場者の注目を集めている。
台湾・台南市長、先住民の公認求める訴訟への協力を約束
台南市の頼清徳市長は先月31日、台湾の原住民(先住民)の一つとされる「シラヤ族」の人々が政府に対して公認を求める訴訟に協力する考えを示した。今月5日に台北高等行政法院(裁判所)に訴えを提起する際には、頼市長も原告や支持者らとともに台北に赴く。
シラヤ族は西部の平地を中心に生活する原住民「平埔族」の一つとして知られている。現在は台南市が「市定原住民」として認めているが、政府が定める「台湾原住民」には認定されておらず、一部は基本的人権を求めて公認を訴えている。
シラヤ族の関連団体は、何度も政府に対して認定申請をしたが、そのたびに却下されたと悔しさを打ち明ける。頼市長は任期内に問題を解決したいと決意を語った。
残業の多い業種、会計士や弁護士などの専門職
労働部は先月28日、昨年6~7月に行った調査結果を公表した。過去1年間に残業した経験のある労働者は45%に達し、そのうち会計士や弁護士、建築士などの専門職の人は60%以上だったことが分かった。
残業経験のある労働者の数は過去4年間で最低を記録したものの、情報通信業(59%)、運送倉庫業(56%)、金融保険業(55%)などでは調査対象者のうち半数以上が残業していた。
また、残業した人のうち、2割がなんらかの理由で残業代や振替休日の申請をしなかったという。一方で、45%が残業は心身の健康に悪影響を及ぼし、47%が家庭生活に影響を与えると回答した。
日本製の巡視船が引退 密輸取締りなどに活躍
海岸巡防署(海巡署、海上保安庁に相当)で37年間にわたって運用されていた日本製の巡視船「徳星艦」が先月31日、引退した。
徳星艦は日本の造船所で1977年に完成し、密輸取り締まりや救難救助任務に携わった。当初は税関を管理する「海関総税関司」に導入された後、2000年に海巡署に移管された。
近年では2012年の台風14号接近時、高波を乗り越え高雄港沖で大量のヘロインを積んだ密輸船の取り締まりに成功。2013年に台湾漁船「広大興28号」がフィリピンの沿岸警備隊に銃撃される事件が発生した際には漁業関係者の安全確保などに当たった。
関係者は、今後引き取り手を探すとしているが、場合によっては貴重な資料などを保存した上で、解体する可能性もあるとしている。
台湾撮影所で建物倒壊、3人死傷 遠藤周作原作の映画化
台北の警察は1日までに、同市内の映画撮影所で建物が倒壊し、作業員1人が死亡、2人が負傷したと明らかにした。現場ではマーティン・スコセッシ監督の最新作「Silence(原題)」の撮影準備が進められていた。
警察の報道官によると、建物は1月29日、改修作業の最中に倒壊した。負傷した作業員2人は病院に収容され、うち1人は重傷だという。
製作陣は撮影開始を前に、もともと撮影所内に建っていたこの建物の安全性に問題があると判断し、外部業者に補強を依頼していた。
警察は建物などに違法性がなかったかどうかを調べている。
同作品は遠藤周作の小説「沈黙」の映画化。17世紀の日本に渡った2人のイエズス会宣教師と、弾圧されるキリスト教信者らの苦悩を描く。
「Ingress」のレベルを上げたい人は、台湾へGO!
Googleのスマホ向け位置情報・ARゲーム「Ingress」。最近はじめた人の中には、「レベルが全然上がらない」と感じている人も多いのではないだろうか。台湾に行ったら一気にレベル2→5にアップしたので、その状況をレポートしよう。
筆者はIngressを始めたもののレベル2からまったく動かず、つまらなく感じ、最近はほとんど活動していなかった。Ingressのポータルはレベルがあるのだが、筆者の活動範囲の中ではレベル7や8ばかりで、ハックぐらいしかやることがない。ハックで武器の類はやたら集まるのだが、ポータルのレベルが高すぎて、デプロイやリンク、攻撃といった操作はほとんど不可能なのだ。人通りの少ない場所には、攻略できるポータルもあったのだろうが、遠くまで見つけに行く根性もない。
ところが先日、旅行で訪れた台北にてIngressを起動してみたところ、驚愕の状況を目の当たりにした。Ingressは(ここまで読まれたほとんど方は)ご存じの通り、緑と青に分かれて戦っている。ポータルはレゾネーターを置くことで自陣に取り込むことができ、その色で敵か味方のどっちのポータルかが判断できる。まれに白いポータルがあるが、これは緑でも青でもない、中立を意味しており、レゾネーターを配置するデプロイという作業で自陣のモノとすることができる。そしてその際、レベルアップに必要なAPをかなり獲得できるのだが、台北でIngressを起動したところ、この白いポータルばかりなのだ!
アプリを起動したまま移動するので、スマホのバッテリーをかなり激しく消費する。スマホを2台持ちにすると、Ingressとその他の作業(メールやSNSをチェックしたりGoogleマップを見たり)が同時に行なえ、それぞれの電池消費も抑えられるだろう。今回は、SIMフリーの「ZenFone 5」に現地のSIMを入れてテザリング。「iPhone 6」をIngress専用として街中を歩いた。
日本ではレベル2どまりだったが、台湾でIngressを始めてから2日後にはレベル5になった(帰国後すぐにレベル6に)。台北でのIngressがなぜ楽勝なのか。初心者なりに分析してみたが、次のような理由があるのではないだろうか。
1.ポータルの数が多い
駅や観光名所など、一般的なランドマークがポータルになっているのはもちろん、道路沿いに多数ある電気関係など施設にも絵が描かれており、それがポータルになっている。その密度は東京に比べてかなり多く感じる。
2.中立のポータル、弱いポータルが多い
最初に書いたように、なぜかデプロイされていない中立ポータルが多い。敵陣のポータルもレベルが低いので攻撃して中立化することが容易だ。ポータルの数の割にIngressのプレイヤーが少なく、高レベルのプレイヤーもそれほどいないようだ。
3.オセロのようにすぐに入れ替わる
ポータルのレベルが高くないので、すぐに緑と青が入れ替わる。自陣のポータルが、少し散歩して戻ってくると敵陣のものとなっており、攻撃して自陣化。その繰り返しでかなりAPを獲得することができる。
※これらはあくまで2014年10月末時点の状況で変化する可能性があることだけ、お断りしておく。
台湾で国民党への好感度、中国共産党をやや上回る・・・世論調査、政治家で「最大の嫌われ者」は馬英九総統
台湾の世論調査会社「台湾指標民調(TISR)」がこのほど発表した政治家や政党についての評価や好感度の調査結果によると、与党である国民党に対する好感度指数は34.9ポイントで、中国共産党に対する30.8ポイントをやや上回った。最大野党の民進党への好感度指数は49.9ポイントだった。政治家個人については、、好感を示した人の割合が最も多かったのは陳菊高雄市長(72.5%)で、最も低かったのは馬英九総統(好感=28.8%)だった。
調査の対象期間は「1月後半」。好感度指数は、ある対象に対して「大いに好感を持つ」と答えた人の割合をA%、「大いに好感を持つ」をB%、「やや好感を持つ」をa%、「やや好感を持つ」をb%として、「50+0.5×(A-B)+0.25×(a-b)」の数式で算出した。好感を持つ、それも「大いに好感を持つ」人が多いほど、数値は50よりも大きくなる。反感を持つ人、とりわけ強く反感を持つ人が多いほど、数値は50を下回っていく。
国民党に対する好感度指数は34.9ポイントで、中国共産党に対する30.8ポイントをやや上回った。最大野党で14年11月の統一地方選挙に大勝した民進党への好感度指数は49.9ポイントだった。
なお、民進党の支持率も、基準である50ポイントに届かなかったことも、注目に値する。この調査結果によれば「台湾人の民進党を見る目は意外に冷静」だ。14年11月の統一地方選挙での大勝の理由は「馬英九政権が失策を重ねた」という“敵失による高得点”によるとの判断も成り立つ。
台湾では2016年に総統選挙が実施される。現在のところ、民進党が有利との見方が強いが、実際には予断を許さない状態と考えてよい。
政治家個人に対しする好感/反感で、好感を示した人の割合が最も多かったのは陳菊高雄市長(好感=72.5%、反感=13.4%)だった。好感度が最も低かったのは馬英九総統で、好感=28.8%、反感=65.9%」だった。国民党では、王金平立法院長(国会議長)が「好感=63.6%、反感=20.2%」で、好感度が最も高かった。王立法院長は馬英九総統と同じ国民党所属だが、馬総統と厳しく対立している。2014年に発生した学生による議会占拠の際にも、独断で学生側に「改善策」を約束したことが、問題解決のきっかけとなった。
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◆解説◆
台湾では中国共産党に対する不信感や警戒感が根強い。民主的に政権担当者を選ぶようになった台湾が大陸との関係で「現状維持」を続けていることが、その第一の証拠と言える。共産党側の主張を受け入れて「統一」すれば、「万一の戦争」という破滅的な事態は避けることができるかもしれないが、「その後、何をされるか分かったものではない」という“恐怖感”がぬぐえない。
「台湾と中国は別の国」と考える人が多いにも関わらず、「即刻の独立宣言」が世論の主流にならないのは「そんなことをしたら、中国共産党が何をするか、分かったものではない」と思えるからだ。結局は、実質的には中国の統治とは無関係な“独立的存在”でありながら、形式的には「中国からの独立」を宣言することはしない、あいまいな状態である現状を維持していくというのが、現時点における“民意の選択”だ。
台湾の多くの人にとって、複雑な気持ちをぬぐうことのできない“海の向こうの政党”である共産党への好感度と、選挙により与党となった国民党への好感度がそれほど変わらないという、異常な結果となった。