台湾当局、全ATR72型機の飛行を停止 墜落事故で
台北で4日に起きた復興(トランスアジア)航空機の墜落事故を受け、台湾の民間航空局(CAA)は台湾で登録されているATR72型機全機の飛行を停止させ、安全点検を指示した。この事故では5日までに32人の死亡が確認され、11人は依然安否が確認できていない。
安全点検は復興航空と立栄航空がもつATR72型機が対象となる。復興航空はATR72―500型機6機とATR72―600型機4機を運航。立栄航空は600型機12機を運航している。4日に墜落事故を起こしたのは600型機だった。
同機は4日、離陸した直後にエンジン停止を起こして墜落したとみられている。この日は3回にわたって使われていたとの情報もある。
復興航空のATR72は昨年7月にも、500型機が澎湖群島への着陸に失敗して墜落する事故を起こしていた。
業界誌の編集責任者によると、復興航空は設立以来の20年で5機を失い、「重大な安全事案」が7件発生している。
過去に人命が失われた事故は4件あり、このうち2件は乗員のみ、残る2件では乗客も死亡した。すべてがATR機の事故だった。
ATRは欧州の合弁企業が製造する旅客機。ATR72と小型のATR42が絡んで乗客が死亡する事故は、4日の復興航空の事故を含めて世界で少なくとも11件起きている。
米国では1994年にアメリカンイーグルのATR72―200型機が墜落して乗客乗員68人全員が死亡した。
ただ、元パイロットの話では、パイロットの間でATRは非常に評判がいいという。
台湾機墜落、前回フライトで機長が「エンジン異常」指摘、地上スタッフが罰金恐れ処理を先延ばしか
台湾メディアの自由新報によると、台湾のトランスアジア航空(復興航空)関係者が、4日に墜落したATR72型機について、機長が同日午前の前回フライト終了時に「エンジンに異常あり」と報告していたと証言した。整備士が遅延による罰金を恐れ、「もう1往復してからにしてほしい」と申し出たため、処理をせずに飛び立った直後に墜落したという。
証言したのはトランスアジア航空に副操縦士として在籍している人物という。事故機が運航していたのは台北(松山空港)と金門を70分ほどで結ぶ路線で、1日のうちに複数回往復する予定だった。
前回フライト終了時に機長が「エンジンに異常あり」と報告。点検と修理を求めたが、地上スタッフが遅延が発生して当局・民用航空局に罰金を科せられるのを恐れ「もう1度往復してからにしたい」と主張。同機はその後、離陸した直後に何らかの異常事態発生で墜落したと見られる。
規則によると、機体に異常を発見した場合には、現場がまず会社に報告し、会社が民用航空局に報告せねばならない。復興航空と民用航空局は4日、「事故機についてエンジン異常の報告は受けていない」と表明していた。
同事故では、搭乗していた乗客53人、乗員5人の計58人のうち、5日午前9時までにまでに32人の死亡と15人の負傷が確認されたという。同時点での行方不明者は11人。
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台湾墜落機のパイロット、最後まで操縦かん握っていた
台湾・台北(Taipei)市郊外で4日に復興(トランスアジア)航空(TransAsia Airways)の旅客機が川に墜落し、乗客乗員58人のうち少なくとも35人が死亡した事故で、最後まで人口密集地帯を回避しようとしたパイロットの遺体は、発見された際にも操縦かんを握ったままだったことが明らかにされた。
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6日の台湾紙、中国時報(China Times)によれば、同機の操縦室で発見されたパイロット廖建宗(Liao Chien-tsung)氏の遺体は両手で操縦かんを握ったままだったという。両足はひどく骨折していた。
復興航空のターボプロップ双発航空機ATR 72-600は4日、台北(Taipei)の松山(Songshan)空港を金門(Kinmen)島へ向けて離陸した直後、連なるビルを避け、機体を大きく傾けて高架道路に接触し、基隆川(Keelung River)に墜落した。乗客乗員58人中生存者は15人、35人の死亡が確認された。現在も川と水中に沈んだ機体で残る8人の捜索が続いている。
パイロットの廖氏は機体が急降下する中、被害を抑えるためにビルの立ち並ぶ地帯を回避したとみられ英雄として称賛されており、指導者や市民らがその死を悼んでいる他、大手新聞各社は多くの命を救ったとして一面で同氏の追悼記事を掲載している。
復興航空、新路線申請1年間禁止
トランスアジア航空(復興航空)の台北発金門行きのGE235便の墜落事故を受け、交通部民用航空局は、今後1年間、トランスアジア航空による新路線開設の申請を禁止することを明らかにした。事故発生日の4日を起算日とし、トランスアジア航空は来年2016年2月4日までの1年間、新路線の申請ができなくなった。
しかし、トランスアジア航空傘下のLCC(格安航空会社)、Vエアについては、トランスアジア航空と異なる法人ということで、この対象には含まれないという。
民用航空局は、「事故原因について一年間しっかりと調査を行う必要がある。もし事故原因がトランスアジア航空にあると明らかになった場合には、期限を設けた上ですみやかに改善しなければならない。ただ、もし改善がなされなかった場合には、台湾元60万元から台湾元300万元の罰金、場合によっては、運航を禁止する可能性もある」としている。
なお、一部メディアが、墜落事故の発生前、整備担当記録にエンジンの異常が見られるとの記載がありながら、離陸が遅れることで交通部民用航空局から罰金を科せられることを恐れ、金門に到着後詳細な検査を行おうとしていたと報じたことについて、民用航空局はこれを否定した。
民用航空局によると、4日夜、事故機と同じATR-72型機について検査を行った際、職員を派遣して関連資料を調査したところ、GE235便に使われた旅客機は4日、事故発生前に既に2回飛行しており、この2回の飛行及び整備記録からはいかなる故障の報告もなく、また事故を発生したGE235便の担当者への聞き取りでも、故障の報告はなかったという。
復興航空墜落事故、懸命の救援活動続く
トランスアジア航空の墜落事故による死者が31人となった。
台北市内の松山空港から離島の金門に向かう予定だった、トランスアジア(復興)航空のGE235便(ATR-72-600型機)が4日午前10時52分、基隆河に墜落、事故発生直後から、消防、警察、国防部などによる懸命の救援活動が行われている。
5日午前6時半からは、33隻の潜水艇、60人の潜水部隊、60人の消防員が出動し、基隆河に入って救援活動を続けており、午前10時には事故機のエンジンと一部残骸が河から引き上げられた。5日午後2時の時点で、既に31人が死亡、12人が行方不明だという。
事故機の引き上げ状況について、交通部民用航空局の林志明・局長は「現在、コクピットと尾翼の部分は河岸に引き上げられ、2つのエンジンもみつかったが、一部の主翼はまだ川の中に残っている。ただ、5日は川の流れが速く、この部分の引き上げ作業が困難だ。そのため、国防部、行政院海岸巡防署及び台北市消防局は、人、船舶、ヘリコプターを使って、水面、水中と空中から捜索を強化している。」と説明した。
三井不動産のアウトレットモール、今年9月開幕
三井不動産と遠雄建設グループは5日、「三井アウトレットパーク」(新北市林口区)の上棟記者会見を行った。全220店の募集のうち現在85%が決定しており、今年9月にオープンする。初年の売上は60億元を見込むという。敷地の7割が物販店で、近隣の人口増を見据え2割の面積を飲食店とした。
最大の飲食店舗は食品大手の南僑グループが手掛ける「点水楼」で、面積は212坪。この他、総座席数1785席・9スクリーンを備えるシネマコンプレックス「威秀影城(VIESHOW CINEMAS)」や、スーパー、書店なども出店する。三井アウトレットは現在建設中の桃園捷運機場線の林口駅近くに位置し、同路線上には華泰飯店が手掛ける大型アウトレット「華泰名品城(グロリアアウトレット)」もオープンを控える。三井不動産は、今後、台中・台南・新北市板橋区などに候補地を探し、郊外型大規模ショッピングモール・住宅・複合開発などへ進出する意欲を見せている。
聯発科、WiFi機能新チップの開発計画発表[IT]
携帯電話などモバイル端末向けIC設計大手の聯発科技(メディアテック)は5日、WiFi(ワイファイ)機能を搭載した新たなシステム・オン・チップ(SoC)「MT7681」の開発計画を発表した。モノのインターネット(IoT)の進歩をにらみ、最新チップの開発プラットホームを公開する。
聯発科は2014年6月に、IoTなど次世代に対応する製品の開発プラットホーム「LinkIt」を立ち上げ、9月には研究・開発者をサポートする計画「メディアテック・ラブズ」を始動させている。MT7681は、メディアテック・ラブズの最新プロジェクトとなる。研究・開発者には、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)であるウインドウズと、公開で開発されているOS「Ubuntu(ウブントゥ)」のソフトウエア開発キット、プリント基板などハードウエアの開発プラットホームを開設する中国の深センセキ遞科技(セキ=石へんに夕、Seeedテクノロジー)のハードウエア開発キットを提供する。
聯発科は、IoT時代への対応を加速させるため、デバイス同士をスムーズにつなぐチップの開発をメディアテック・ラブズで進めている。MT7681の開発で、スマートフォンやインターネットによる電化製品の操作などの簡便化を目指す。
中国大陸高官の金門訪問が延期、現地行き旅客機墜落の影響で
金門島行きのトランスアジア(復興)航空機が4日、台北市内の川に墜落し搭乗していた多くの中国大陸からの旅行者が死亡したのを受け、今月7~8日に予定されていた北京国務院台湾事務弁公室の張志軍主任(閣僚)の金門訪問が延期となった。
対中国大陸政策を担当する行政院大陸委員会が5日に臨時記者会見を開き発表した。いつまで見送るかは明らかにされていない。
張氏は本来、7日に中国大陸沿岸に近い金門を訪問し、王郁キ大陸委員会主任委員と昨年2月以来3回目となる双方主管官庁トップの公式会談に出席、 8日には酒造工場や民宿など金門の特色ある産業を視察する予定だった。(キ=王へんに奇)
事故機には乗客乗員計58人が搭乗、このうち中国大陸からの旅行者は31人だった。5日午後6時現在、31人のうち18人が死亡、負傷者3人、行方不明者10人となっている。
エバー航空、高雄-大阪便が就航 復興機墜落事故の犠牲者に黙祷
エバー(長栄)航空は5日、高雄-大阪間の定期便を就航させた。高雄国際空港で行われた記念式典では、台北市内に墜落したトランスアジア(復興)航空機の犠牲者に1分間の黙祷(もくとう)が捧げられた。
同線は、184人乗りのエアバスA321-200型機を使用し、毎日1往復する。
式に出席した高雄市の許立明副市長は、当時風邪で29日から入院中だった陳菊市長が報道で墜落事故の発生を知った後、すぐに台北市政府に救援や医療、物資提供などに関して高雄市は全面的に協力する旨を伝えていたことを明かした。
また、今回の事故により都市部の交通機関に負担がかかりすぎている実態が明るみになったとした上で、台北松山空港移転の必要性や台湾各地域の発展の不均衡について真剣に考えるべきだと意見を述べた。
宜蘭・太平山で初雪を観測 寒波の影響で
行政院(内閣)農業委員会林務局羅東林区管理処は6日、東部・宜蘭の太平山国家森林遊樂区(標高1950メートル)で初雪を観測したと発表した。
同処によると、午前7時30分ごろから1時間ほどあられ混じりの雪が降ったという。積雪は約0.5センチ。
この日訪れた行楽客らは、雪だるまを作ったり、写真を撮ったりして雪景色を楽しんでいたと同処の担当者は話した。
寒波の影響で、太平山のこの日午前0時から午前9時までの最低気温は零下1.7度だった。
台湾産有機農産物などの専門店、台北に開設 在台日本人客狙う
台湾在住の日本人をターゲットにした自然食品の専門店「こだわりや」(胡田和里家)が4日、台北市中心部の信義区に開設された。全商品約1300品目のうち、台湾各地の特色を持つ生鮮食品や有機農産物の加工品などが4分の3を占めている。
同店は東京の台湾物産館の運営を請け負う池栄青果がオープンさせたもの。台湾進出は今回が初めて。投資金額は7000万台湾元(約2億6000万円)に上る。売り上げ次第では、2号店開設の可能性もあるという。
池栄青果は台北の店舗で買い物をする日本人消費者の好みを日本へ台湾産農産物を輸出する際の参考にする