【台湾ブログ】日本で暮らす場合の鉄則！「暗黙のルール」の理解が必須
日本で生活する時に気を付けるべき点を考えた台湾人が、その内容をブログに書きつづった。日本の文化にあこがれ、礼儀正しく秩序ある日本人の道徳観をうらやましく思うのが台湾人らしいが、裏事情があると述べ、隠れたルールがあると説明した。日本人は多くの犠牲を払っている、と感じたようだ。
ハンドルネーム・Ｍｉｓｓ Ｇさんは、丁寧な言動でマナーの良いのが日本人の姿だが「陰では感情を抑え、秩序を守るために多様性を失っている」と述べた。日本にはとにかくたくさんのルールがあり、「どうしてこれほどにルールを重視するのか？」と、考えてしまったそうだ。
著書の中で「日本人は世界観に欠けている」と指摘している日本の作家がいる事実を知った筆者は、「メディアが取り上げるのは国内の話題が主で、国際的な話題をニュースとして伝える機会は少ないらしい。ニュースのほかは、“下品”なバラエティ番組が中心になっている」と気付き、「このようなメディア環境下にあれば、単純な日本人は日本のルールが世界のルールと勘違いするだろう」と不安を覚えたとのこと。
海外に旅して他国を学び、考えを改めてほしいと日本人に求めたいという筆者だが、「海外に旅する日本人は、先進国の中で最低数らしく意外だ」と述べた。例え外国に行ったとしても、日本人はガイドや通訳の同伴を依頼し、「受動的で、現地の人々とのコミュニケーションに欠ける」と、海外旅行の醍醐味が薄く「国際的な概念を高められない」と悲しんだ。
筆者はそのような行動は台湾人と近いと思いつつ、日本人に比べると相手の立場で物事を考えられるのが台湾人だと述べた。厳しさを持つ日本人は、台湾人が持つ曖昧さやルーズな面は存在しないと断言しており「日本人にはグレーゾーンがなく、明確なルールや暗黙の了解を求められるのが原則」だと感じているそうだ。日本人と付き合うと息苦しい、と実感した経験を持つのかもしれない。
続いて食文化だが、似ていると思っていた「箸使いは、日本と台湾では全く異なる」と気付いたそうだ。食器のどこに置くか、どんな風に持つかと細かい部分に違いがあり、日本の箸マナーに戸惑いを覚える台湾人が少なくないらしい。そして服装や身だしなみ面でも、日本人と台湾人はかなりのズレがあるという。
日本女性について、「ほとんどが化粧をしており、メイク用品を持ち歩いている」、「ムダ毛に敏感で処理している」、「状況に合わせた服装を深く意識する。靴の選び方や脱ぎ方にもルールがある」と説明。そのような場合に女性は教養を試され、細かいルールがエチケットやマナーになると述べている。
筆者はワキや足を脱毛するようにと日本人に勧められ、「外国人に日本のルールを強要するのはおかしい」と感じた。台湾では脱毛機器が日本ほど普及していない、という現実もあるそうだ。だが台湾人であっても日本にいると、そのルールを守らないとエチケット違反だと受け止められてしまう、というのが経験から来た筆者の実感だ。
また大学３年生の内から社会人としての訓練が始まる点も、違和感があるようだ。「会社説明会に参加し、全員が同じようなスーツ・靴・バッグを身に付ける。新入社員になったら、３コール内に電話に出る。出られなかったら、待たせたと詫びるなどといったマナーを強要される」などといった風に細かく指導され、たくさんあるルールが窮屈だと感じるようだ。
これらの面から、自己に厳しく他人にも礼儀正しく接するのが日本人のライフスタイルであるとまとめた筆者は、「日本人は細かいルールを重視した結果、伝統文化や洗練された技術を積み上げて成功したのだ」と締めくくった。いろんな事柄をきちんと決め、それを地道に守っている日本人だからこそ、立派な道徳観が生まれるというのだ。
家族を始め周囲の人と交流していく過程で、道徳観が芽生え成長していく。日本人はその中で暗黙のルールを学び実践している、と筆者は見ている訳で、外国人にとっては理解できない感覚だろう。日本の清潔な街並みや、マナー良い日本人の姿など表面的なシーンにあこがれや好感を抱く外国人は多いだろう。だが実際に日本で暮らすとなると、異文化で育った人には理解できない暗黙のルールが存在している訳で、暮らしにくいと感じる外国人が多いことを知らせてくれるブログであった。