これが中国スピード?!57階建て高層ビルがわずか19日間で完成したワケ
参考消息網は記事「長沙市にわずか19日間で57階建て高層ビルを建設、『まるで積み木だ』と台湾メディア」を掲載した。
台湾・東森新聞網は16日、湖南省長沙市に突如出現した高層ビル「小天城」について取り上げた。遠大科技集団旗下の遠大可建公司が施行したもので、高さ200メートル超、57階建ての高層ビルがわずか19日間で完成した。同社は建設風景の動画を公開しているが、驚異的なペースでビルが完成するさまが映し出されている。
速さの秘密はその工法にある。建築材料はすべて工場で作られており、現場では組み立てる作業だけ。同社は上海万博でもわずか1日で6階建ての建物を完成させたほか、2011年には15日間で50階建てのビルを建設している。
遠大可建公司はもともと838メートル、202階建てという世界一の高層ビル「天空都市」を構想していた。これを基礎完成後わずか3カ月で組み上げるというプランで話題を呼んだが、安全性に不安があると批判が集まり、中止された。そこで今回、サイズを小さくしたミニ天空都市である「小天城」を建設し、技術力をアピールしている。
「日本の商標」を貼るだけで価値が倍増!? 中国製の洗浄便座なのに
中国メディアの国際在線は16日、中国人観光客が春節(旧正月)期間中に日本で大量に買い求めた「洗浄便座」は中国で製造されたものだったと伝える一方、どうすれば中国人消費者に自国の製品を購入してもらえるのだろうかと論じる記事を掲載した。
記事は、中国にとって自国から優れた製品を輩出できるかどうかは「“中華民族の偉大な復興”というテーマにとっても重要な課題」と主張。さらに、日本の洗浄便座が「実際は中国製であるというのに、日本の商標が貼られるだけで価値が倍増する」という点は大いに熟慮すべきであるとした。
続けて、中国の製造業が今後、グレードアップできるかどうかは「設計から技術、品質といった複数の点から一流の製品を提供できるか」、「優れたブランドを生み出せるかどうか」にかかっていると指摘。中国では改革開放によって海外製品が大量になだれ込み、「当時の中国製品は海外製品に技術や設計、品質のあらゆる点で劣っていたため、海外製品を崇拝する風潮が生まれた」と論じた。
さらに、中国の製造業も数十年にわたる努力によって品質は大きく向上したと指摘する一方で、「日本やドイツ、米国など先進国の製品に比べると今なお大きな差があることは間違いない」と指摘し、特に「産業全体に影響をあたえるような基幹的な部分での差は小さくない」と主張した。
一方で記事は、中国人が日本で買い求めた洗浄便座が中国製だったことは「中国の製造業が世界一流の水準に達していることを意味する」と主張。だが、それでも中国人が日本で洗浄便座を購入した理由は「中国には信頼に値するブランドが存在しないためだ」と指摘。中国で生産された洗浄便座に日本のブランド名が付与されるだけで値段が上がり、売れ行きまで異なるのは「まさにブランド力が違うためである」と論じた。
また、中国では改革開放直後に優れた海外ブランドの製品が大量に雪崩れ込み、中国製品は海外製品に劣るというイメージが長年にわたって醸成されたとする一方、「こうしたイメージを転換させるためには、中国企業は製品の品質やデザインを向上させ、サービスを改善する必要があるものの、それができれば中国人消費者も徐々に国産品を信頼できるようになるだろう」と主張した。
世界がうらやむ「サシミで食あたりしない国」ニッポン
外国人観光客向けの観光地として東京・築地の卸売市場はもはや定番になった感がある。ただ、日本人でもどのようなルートをたどって築地まで魚が届くのかを知らない人も多いのではないだろうか。というのも、魚が消費者に届くまでのルートはかなり複雑だからだ。
消費者にまで届くには、(1)漁業者、(2)漁協、(3)産地仲買人、(4)荷受、(5)仲卸、(6)小売店を経なくてはならない。築地はこのうち(4)と(5)が取引をする場所(消費地卸売市場)ということになる。日本全国にはこういう市場が300ほど存在している。
シンプルに考えれば、こんなややこしいルートをたどらず、できるだけ漁業者と消費者の間をショートカットしたほうが良さそうにも思えるのだが、実はこの複雑さが、日本人の誇る魚食文化を支えているのだという。
鹿児島大学水産学部教授の佐野雅昭氏は、『日本人が知らない漁業の大問題』で、「複雑すぎる流通には理由がある」と説明している(以下は同書より)。
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■「サシミでお腹をこわさない」奇跡の国
先日ある国際学会で講演した際、他国の研究者から質問されました。
「私は日本食が好きで日本に来るとよく刺身を食べるが、それでお腹をこわしたことは一度もない。しかし自国に帰って刺身を食べると、必ずお腹をこわす。なぜ日本の魚はこれほど安全なのか?」
日本人には当たり前のことも、他の国から見たら何とも不思議なようです。
卸売市場流通では日常的にサンプル検査が行われ、衛生的に基準を満たさないものは排除されてきました。またどの業種・業態においても専門的知識と的確なハンドリングのノウハウ、高いモラルとプライドを持った魚の専門家が水産物を扱い、刺身で食べることを当然の前提とした迅速な流通と適切な品温管理を行っています。彼らはまた、豊富な知識と柔軟な技能によってどんな魚でも的確に扱うことができます。
だから、これだけいろんな魚種が刺身で食べられていますが、お腹をこわす人は全国的にも年間を通してほとんどいないのです。これ自体が奇跡的で、世界中でここまで柔軟で高度な流通システムは他にありません。
このことを私たちは再認識し、それを大切にすべきではないでしょうか。日本では水産物の安全性は当たり前ですが、国際的に見れば驚きに値する仕組みです。
■国産魚は無印でも安全
卸売市場流通は刺身文化を支える高機能で柔軟な安全装置です。あれこれ認証がついた輸入魚と同じくらい、国産魚は無印でも安全なのです。
この流通システムは、そこで働く「人」を信頼し、「人」に依存してきた制度だと言えます。
一方、主としてアメリカを起点とするHACCP(危害分析重要管理点)などの安全性認証制度は、そこで働く人々がプロではないことを前提としたものです。
経験の浅い非正規労働者でも最低限の衛生管理が実現できるように、厳しい規制や管理制度を重視するのです。「人」を信用しない社会の産物です。
海外に水産物を輸出する際には必要な制度であることは理解しますが、国内で流通する分にはまったく必要ありません。むしろ機能の退化を招くものでしかありません。
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ともすれば、最近は市場原理を優先して、水産物の流通に関しても「合理化」を進めようとする動きがあるという。これに対して佐野教授は「日本が世界に誇る高機能な水産物流通システムを捨て去り、代わりに米国発のシステムを導入する必要はない。それは日本の魚食文化の放棄です」と警鐘を鳴らしている。
漆器、日本で「すごいこと」になっていた
中国では日本の伝統工芸品に対する関心も高まっている。多くの場合には中国で生み出された技術だとした上で、日本の「学習」と「改善」能力に改めて注目する論調も多い。漆器の場合にはネット通販でも出品されることが多くなった。
中国共産党機関紙の人民日報系のニュースサイト「人民網」は2日、「組図:日本の漆器芸術鑑賞」の見出しの記事を配信した。西側国家が日本を「漆の国」と称するのは“誤解”と主張し、理由として中国では2000年前に、漆器が高い水準に達しており、日本には唐代に伝わったと紹介した。ただし日本が「中国から学んだものを消化吸収し、自らの民族的特徴がある芸術として深め、新たな領域を不断に開拓した」と、日本の漆器の水準の高さを全面的に認めた。
江戸時代には「蒔絵(まきえ)」の完成により、日本の漆器は「世界最高」になったと紹介。明治以降は、日本の工芸技術は伝統と現代の間で「徘徊」することになり、経済性と生活への適応性も意識されたと説明し、日本の工芸品は中国など東方国家の文化を吸収し、西欧のデザイン文化も取り入れ、「極めて特徴的な『日本の風格』を形成することになった」と評価した。
文章は「漆関連の仕事には、陶磁器関連についで多くの人が従事している。彼らは漆技術の芸術性や実用性だけでなく、歴史や科学技術を含めて総合的に研究をし続けている。彼らの不断の研究と更新が、日本の漆技術の発展を推進している」と紹介した。
同ページは写真も多く掲載した。伝統的な器などだけでなく、漆を使った万年筆や腕時計なども紹介されている。
中国の大手通販サイトのアリババでは、「日本漆器(日本の漆器)」として、多くの品が出品されている。ただし、日本円に換算して数百円以下のものが主流で、主に合成漆器と思われる。出品者が中国国内の漆器工場である場合も多く、日本向けの品を中国国内向けに販売している可能性がある。中国大陸で日本の「本物の漆器」が広く知られるようになるには、まだ多少の時間がかかると考えられる。
台湾ヤフーのオークションでも日本の漆器が多く出品されている。それほど高価でないが、日本統治時代から残っていたとみられる品が目立つ。「台湾総督府の紀元(皇紀)2600年記念の漆の酒杯」には4日午後1時現在、7500台湾ドル(約2万8600円)の値がついている。