藤原竜也、ハムレット台湾公演に向けて意気込み「期待に応えたい」
俳優の藤原竜也が24日、台北市内で26~29日に行われる蜷川幸雄演出の舞台「ハムレット」の記者会見に出席し、公演への意気込みを語った。
藤原は「大家好」(みなさんこんにちは)と中国語であいさつし、「素敵な劇場に呼んでもらえて嬉しいです」と台湾公演開催の喜びを語った。稽古について「(出演を)後悔するほど大変だった」と苦労を明かしながらも、「みなさんの期待に応えられるよう演じられれば」と自信をのぞかせた。
台湾での楽しみについて聞かれた藤原は「仕事でなければ」とした上で、「ハムレットは大変。シェイクスピア作品の海外公演も初なので、落ち着いて集中してやりたい」と観光などの予定はないと話した。一方で、前日にホテルの近くで食べたフカヒレが「おいしかった」と笑顔を見せた。
金森美弥子プロデューサーは、体調が芳しくないため訪台を断念した蜷川がこの日午前、役者を見送るため、車いすに乗り酸素ボンベを持って羽田空港まで来ていたとのエピソードを披露。蜷川は直前まで医師に相談していたものの、結局来られなくなったことを申し訳ないと話していたという。
公演は國家両庁院が主催する「台湾国際芸術祭」の招きで開催されるもの。4公演のチケットは発売から1週間で完売した。蜷川演出の舞台が台湾で上演されるのは、1993年の「王女メディア」以来22年ぶりとなる。
李登輝氏「リー・クアンユーとは思想異なる」自身との違い強調
李登輝元総統は24日、23日に亡くなったシンガポールの「建国の父」、リー・クアンユー元首相について、「親友だった」と述べる一方、自身は民主主義社会を目指したが、リー元首相は「アジア的価値」を主張したとして、思想は異なると語った。
李氏はリー元首相が主張したアジア的価値とは「中国5000年の歴史であり、皇帝制度である」と指摘。さらに、「彼は中国に頼ったが、私はそうしなかった」とする持論を展開した。
また、李氏は米国の国際政治学者サミュエル・ハンチントン氏の「李登輝が亡くなっても台湾の民主主義は残るが、リー・クアンユーが亡くなればその制度は失われる」という言葉を引用し、双方の違いを強調した。
輸入規制の日本食品流通発覚 人気商品も
台湾で24日、東日本大震災直後から輸入が規制されている福島、茨城、栃木、群馬、千葉で製造、生産された食品の一部が流通していたことが、発覚した。行政院原子能(原子力エネルギー)委員会は当該食品の安全調査に乗り出している。
衛生福利部の調べによると、台湾の業者10社がこれらの地域から輸入していた食品(25日現在294種類)は、産地を偽装して販売されていたという。中には「午後の紅茶」などの人気商品も含まれていた。コンビニやデパートなどでは商品の撤去が進められている。
ただ、現在までに規定値を超える放射性物質が検出された報告は入っていない。また、衛生福利部の蒋丙煌部長は25日、輸入規制の撤廃を検討していると明かした。
一方、日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所は、日本では安全な食品だけが流通しているとして、輸入解禁に向けて引き続き理解を求めたいとしている。
日本製食品、輸入禁止の5県の表示偽装で283品目販売
東京電力福島第1原発事故を受け、台湾当局が現在輸入を禁止している福島、茨城、群馬、栃木、千葉の5県の食品が、製造地を偽装して台湾に輸入・販売されていた。新北市などの貿易会社計10社が輸入し、日本語の製造表示の上に中国語表示を貼付する際、5県の表示を東京や大阪、北海道などに偽装したもので、商品は日本系デパートや量販店、スーパー、コンビニなどに広く流通していた。
当局は各社の倉庫にある当該商品の差し押さえや店頭からの回収を進めている。今回発覚したのは283品目で、キリンの「午後の紅茶」やキッコーマン醤油、カルピスなど、日本の大手食品会社の有名商品が数多く含まれる。日本の表示では製造者は代表工場の住所を記載し、実際の製造工場の多くは消費期限の隣にアルファベット記号のみで示され、わかりにくいことを利用した手法と見られる。当局は、製造地の改ざんは食品安全法違反だとし、虚偽表示のある商品を販売停止・回収、払い戻しの措置を取るよう指示した上、偽装を行った企業は法的処罰を受けるとしている。
夏の兆しが一転、台湾最高峰・玉山でまた積雪
台湾の最高峰、玉山で25日午前4時40分ごろから、雪が降った。中央気象局によると、6時50分までに2センチの積雪を観測したという。同地では24日朝にも積雪が確認されている。
中国大陸南部からの湿った雨雲の影響で、25日は午前中から北部や北東部の宜蘭を中心に豪雨となった。中央気象局は山間部では落石や土砂災害に注意するよう呼びかけている。
台湾では19日、台中で今年いちばんの暑さとなる最高気温34.1度を観測。夏めいた天気となっていた。
「併用軌道では電車優先」 台湾・高雄LRT沿線で交通規則PR
建設が進む高雄ライトレール(LRT)の車両試験が高雄市内で23日から行われている。8月からは本格的な試運転が始まる予定で、運営元はドライバーなどに対して併用軌道では電車優先などの交通規則を守るよう呼びかけている。
25日早朝には牽引車に引っ張られた真新しい車両が、同市内の目抜き通りを時速20キロで走行。通勤時間と重なったため、多くの市民の注目を集め、中にはカメラを構える人の姿もあった。
この日は電気系統の試験も行われ、今後の車両試験のためのデータを収集するという。
TKP、台北で貸会議室事業を開始[商業]
ホテルの宴会場や貸会議室を運営するティーケーピー(東京都新宿区)は23日から、台湾で貸会議室「TKP台北会議中心(TKPカンファレンスセンター台北)」の運営を開始した。同社は日本のほか、中国、米国、香港、シンガポール、ミャンマーの海外5カ国・地域で貸会議室事業を展開しているが、台湾では初めて。
センターは、上場企業の情報開示やIR(投資家情報)実務の支援業務などを手掛けるプロネクサスの台湾法人、台湾普羅納克廈斯のオフィス内に開設した。プロジェクターやスクリーン、オーディオシステムを完備した小会議室(6人用)、大会議室(6~12人用)、セミナールーム(12~15人用)の3室を設け、1時間当たりの使用料金は、小会議室が1,000台湾元(約3,800円)、大会議室とセミナールームが2,000元。台湾のランドマークである高層ビル「台北101」に近く、台北MRT(台北捷運)の台北101/世貿駅から徒歩5分という地の利を売りとしている。
同社の広報担当者はNNAに対し、「ミャンマーのヤンゴンに開設した貸会議室と同様、日系企業が賃借しているオフィスの会議室を、当該企業が使用していない時間帯に限って貸し出す」と説明。需要を見極めつつ、将来は台北市内に直営の貸会議室を設ける意向を示した。
台湾と日本のコンビニの違い、日本は「成人向け雑誌が売られている
世界一のコンビニエンスストア密度を誇る台湾で、日本人女子留学生が「台湾と日本のコンビニの違い」について語った動画を公開したところ、短時間に延べ3万人がアクセスした。22日付で台湾紙・自由時報が伝えた。
外国人から見た台湾の姿を動画で紹介する「不要鬧工作室(STOPKIDDIN’STUDIO)」が制作したショートフィルムで、日本人女子留学生のサユリさんが「台湾と日本のコンビニの違い」について紹介した。サユリさんは「茶卵や火鍋の素は日本にはない。その代わりに日本では冷蔵庫いっぱいの栄養ドリンクと揚げたてのフライドチキンがある」と語った。
それぞれの特長について、台湾のコンビニは「かわいいグッズと交換できる」ポイント制があり、日本のコンビニでは「成人向け雑誌」が売られ、それを立ち読みしている人もいると紹介した。
動画は20日に公開され、わずか2日間で延べ3万人がアクセスした。視聴者からは「日本に行ったら成人向け雑誌コーナーをのぞいてみる」「チョー買いたいけど、母親に見られたら恥ずかしいから買えない」「動画で1番言いたかったのは、成人向け雑誌が売られていること」などのコメントが寄せられた。
台湾個人旅行対象都市に11都市が追加
2015年3月25日、新たに台湾個人環境政策の対象となる、中国大陸部都市のリストが公開された。
中国では2011年から大陸部一部都市の住人に対して、台湾個人観光旅行を試験的に解放している。
既に北京市、上海市、アモイ市、天津市、南京市、重慶市、成都市、広州市、杭州市、深セン市、福州、済南市、西安市、青島市、沈陽市、鄭州市、武漢市、蘇州市、寧波市、鄭州市、瀋陽市、長春市、長沙市、石家荘市、昆明市、南寧市、合肥市、泉州市が政策対象都市に指定されており、2014年にはハルビン市、大連市、南昌市、太原市、貴陽市、無錫市、煙台市、温州市、ショウ州市、中山市が追加された。
発表によると、今後、銀川市(寧夏回族自治区)、海口市(海南省)、フフホト市(内モンゴル自治区)、蘭州市(甘粛省)、常州市・徐州市(江蘇省)、舟山市(浙江省)、恵州市(広東省)、威海市(山東省)、竜岩市(福建省)、桂林市(広西チワン族自治区)市民に、台湾個人旅行が解禁される予定とのこと。
「抗日戦を主に戦ったのは蒋介石軍だ」…勝利70周年めぐり中台が綱引き
「抗日戦争勝利70周年」をめぐり、中台双方の当局が微妙な綱引きを演じている。中国が9月に北京で軍事パレードを行うのに対し、台湾当局は「抗日戦争を主に戦ったのは中華民国の国軍だ」(国防部報道官)と反発し、対抗する各種イベントを積極的に広報している。ただ、親中的な政策を進めてきた馬英九政権だけあって、その対応の中にも「中国への配慮」があると指摘する声もある。
■台湾も記念大会
台湾の行政院(内閣に相当)は9日、抗日戦争70周年を記念して7~10月に行う活動を発表した。盧溝橋事件が起きた7月7日にシンポジウムを行うほか、日本が降伏文書に署名した9月2日には、馬英九総統(64)が出席して記念大会を行う。大会では、1937年12月の南京陥落時に「安全区国際委員会」の委員長を務めたジョン・ラーベ(1882~1950年)らの家族を招いて、民間人保護などの業績を顕彰するという。
行政院の報道官は、一連の活動の目的を「中華民国が抗日戦争で果たした貢献を国際社会に正視させ、歴史問題での発言権を確立することにある」と強調。「虐殺」の記録を残したラーベの顕彰も、中国政府が近年、南京事件の被害を宣伝していることへの対抗であることをうかがわせた。
■戦ったのは蒋介石軍
台湾の中国国民党政権には、抗日戦で勝利したのは、国共内戦で敗れて49年に台湾に逃れる前の蒋介石政権だとの自負がある。国防部の報道官は今年に入り、抗日戦での中国共産党の役割を強調する中国政府に対し、不快感を表明している。
「抗日戦に参加した老兵に隊列行進させる計画はないのか」
立法院(国会に相当)外交・国防委員会では9日、国民党の林郁方立法委員(63)が高広圻国防部長(国防相)にこう迫った。中国は9月に北京で行う軍事パレードに、抗日戦に参加した退役将兵を台湾から招待する方針だとされる。林氏の発言は、中国ではなく台湾こそが元将兵によるパレードを行うべきだとの立場を示したものだ。
これに対し、中国で対台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の報道官は11日、「抗戦勝利は全民族の勝利であり、台湾同胞が記念行事に参加することを歓迎する」と余裕の態度を示した。この発言は、元将兵だけでなく、馬英九総統や国民党の朱立倫主席(53)の出席も「歓迎」したものと受け止められている。
■中国への配慮も
元将兵の参加について、台湾で対中政策を主管する行政院大陸委員会の報道官は5日、「現職の政府職員は大陸(中国)が主催する記念活動やパレードに参加しない方がよい」と述べるにとどめている。台湾で存命の元将兵は約3万人にも上るといい、台湾当局が禁止しない限り、一定数が北京でのパレードに参加するとみられる。
表面上、「抗日戦争勝利70周年」をめぐって中国と対立する馬英九政権だが、その中でも中国への配慮があるとの見方もある。中国が軍事パレードを行うとの報道が出た直後、立法委員の林氏は高国防部長に台湾も総統府前でパレードを行うべきだと提言した。国防部の報道官は3日、提言のあったパレードではなく、基地内で演習の模様を紹介する「戦力展示」を計画していると明らかにした。
国防部は理由として予算や準備期間の不足を挙げているが、国民党に批判的な自由時報は9日、パレードを行わないことで、馬政権が中国への「善意」を表すことになっているとの研究者の見方を紹介している。(台北支局 田中靖人)
■中国の戦後70年行事 今年を「反ファシズム戦争と抗日戦争(日中戦争)勝利70年」と位置付ける中国は、第二次大戦の戦勝国としての立場や日本の戦争責任を国内外に訴える記念行事を計画している。9月3日の「抗日戦争勝利記念日」には北京で軍事パレードを行うと報じられているほか、「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」と定めた12月13日にも大規模な式典を開く見通しだ。ロシアや韓国とも戦後70年の記念行事を行う予定。