ジュンク堂書店、台北忠孝店を3月末で閉店[商業]
丸善CHIホールディングス傘下の大手書店チェーン、ジュンク堂書店は、台北市の太平洋そごう百貨台北忠孝館に設けている「台湾淳久堂書店台北忠孝店」を3月末で閉鎖する。
ジュンク堂書店の台湾法人、台湾淳久堂の広報担当者はNNAに対し、「4月以降の賃料についてそごうと条件が折り合わず、閉店を決めた。現在、台北MRT(台北捷運)の国父紀念館駅や南京三民駅の周辺で新店舗のテナントを物色している」と説明。新たな店舗は1~2カ月後をめどに決定し、年内に開業するとした。台北天母店は従来通り営業しており、台北忠孝店で扱っていた定期購読品の受け取りなどは一時的に台北天母店が引き継ぐという。
26日付工商時報によると、台北忠孝店の閉店後は、書店や生活雑貨店などを展開する誠品生活が入居に意欲を示しているという。ジュンク堂の台北忠孝店は2010年4月、もともと誠品生活が書店を構えていたスペースに入居した経緯がある。誠品生活は新店舗の初年度~3年目の売上高目標を2億6,000万~2億8,000万台湾元(約9億9,000万~10億6,000万円)に設定し、2フロアにまたいだ店舗案を示しているという。ただ太平洋そごう百貨の呉素吟・営運副総経理は工商時報に対し、後継の書店は誠品生活と同業・金石堂のどちらかで検討中と明らかにし、「2店以外の企業が入る可能性もある」と述べた。
ジュンク堂書店は09年5月、台湾初店舗として台北天母店を開業した。同社によると、台北忠孝店と台北天母店を合わせた年間売上高は約1億1,000万台湾元。
紛失の財布が戻ってきた中国大陸旅行客「人こそ台湾で最も美しい風景」
中国大陸からの旅行客が落とした財布が中身そのままの状態で本人の手元に戻り、「この地で暮らす人こそが台湾の最も美しい風景です」と人々の優しさに感動を示す出来事があった。
落とされた財布の発見者は東部・台東のリゾート施設で働く陳ゲイ宇さん。ロビーのソファーで見つけた財布の中に人民元の束が見え、急いで派出所に届けた。警察が確認したところ、入っていた現金は4400人民元(約8万4000円)。身分証などは無かった。(ゲイ=羽の下に廾)
警察がホテルの宿泊客名簿を確認しようとしたその時、財布の落とし物の有無を問い合わせる電話が鳴った。詳細を確認すると、先ほど届いた財布が、電話をかけてきた旅行客のものだと判明した。
受け取りに来た旅行客は落とした時のままの状態の財布を見ると、感激の表情を浮かべながら、陳さんの手を握ったという。
警察の関係者は、「金札を嫌いな人はいない」とした上で、誘惑に負けず警察に届けた陳さんの行動を賞賛。また、警察の積極的なサービス精神により無事に持ち主に返せたことで、全世界に台湾の美しい“風景”をアピールできたと誇らしげだった。
台湾ドラマのロケ地となった村が取り壊しの危機 市民団体が抗議
戦後に国民党とともに台湾に移り住んできた軍人やその家族が住んでいた“眷村”の一つである「嘉禾新村」(台北市)が取り壊しの危機に面している。同所には昔ながらの建築物などが残り、台湾ドラマ「16個夏天~The Way We Were」や「イタズラなKissII~悪作劇2吻~」を始め、数多くの作品のロケ地としても使われた。市民団体は同所を残そうと抗議活動を行っている。
抗議活動は、今月4日に国防部陸軍司令部により同所の取り壊しなどの工事に関する入札が公示されたのをきっかけに勃発。15日には、反対する人々がプラカードを持つなどして同所に集結した。
団体の広報担当者は、同所には眷村スタイルの建築物が残されているほか、樹齢数十年の木もあり、渡り鳥の休息地になっていることを強調。柯文哲台北市長に対して、同所を保存するよう訴えた。
同所に住んで56年になる馬さんは、眷村文化は貴重な文化資産であるとした上で、同所にはユニークな町並みも残るため、政府には文化を重視し、保存に取り組んでほしいと存続を願った。
同所は日本統治時代には公園や砲兵隊の宿舎として使われており、今でも一部に日本式の建物が残っている。同所で育った映画監督の鈕承澤氏も保存へ支持を表明している。
学生らが立法院に突入 中国大陸新設の航空路撤回求め
中国大陸が台湾海峡の中間線付近に設定した新航空路「M503」が29日に運航を始めることを受け、27日午前、航空路の撤回を求める10人あまりの学生らが立法院(国会)の正門に突入した。学生らはその後、同院敷地内で座り込みを行ったが、警察によって強制的に排除された。
立法院議場内でも同日午前、野党の台湾団結連盟の議員らが議長席を一時占拠し、新航空路に対する不満を表明。26日には台左維新、黒色島国青年陣線などの市民団体が、対中国大陸政策を担当する大陸委員会の入居する建物前で抗議活動を行っていた。
新航空路の運航開始をめぐっては、大陸委員会の夏立言主任委員(閣僚)が20日、「民用のものであり、大陸軍の航路使用はない」と安全への影響を否定。一方、最大野党・民進党は24日、政府の対応は国家の利益に反するとして、関係者が政治的責任を負うべきとのコメントを出している。
中国大陸は今年1月、混雑緩和を目的として3月5日に新航空路の運航を開始すると発表。だが、「一方的だ」、「運航に影響が出る」とする台湾側の反発を受けてルートを大陸側に6カイリ(約11キロ)移すことや運航の延期などで合意していた。
国史館、客観的立場で蒋介石氏の年譜を編纂 “神話化”避ける
国史館(台北市)は昨年12月、蒋介石元総統の年譜「蒋中正先生年譜長編」を出版した。同館は26日、同書について肯定、否定双方の資料を取り入れ、蒋氏の一生を神話化せずに歴史上の人物として客観視した書籍であると強調。歴史の真相解明に寄与するとアピールした。
同書は蒋氏自身が記した「蒋中正日記」や、国内外の最新の研究成果を基に、同氏の出生から逝去までの出来事や政治理念、行動の軌跡などについてまとめたもの。
国史館は、過去に出版された同氏の年譜や伝記は、当時の統治者や敵対者のイデオロギー、政治的圧力やプロパガンダの影響を受けており、記述が偏っていると指摘している。
同館は、蒋氏の逝去40年を3日後に控える来月2日に記念イベントを開催する予定。
台湾新幹線の新財務改善案、交通部「民意を反映」と評価
経営破綻に陥ることが懸念されている台湾高速鉄道(新幹線)の新たな財務改善案が、26日に開かれた取締役会で承認された。主管する交通部(国土交通省)は、同案について「民意に応えるもの」だとして評価している。
財閥を利するなどと批判された以前の案と異なり、新改善案では累積赤字の解消を目的とした約60%の減資や300億台湾元(約1144億円)規模の増資、事業権を40年から35年に短縮することが骨子。また、増資に際しての株式購入は国民を最優先とすることが示されている。
この案が立法院(国会)を通過し成立した場合、早ければ来年3月にも改善計画が完了する見込み。高鉄はその際、株式を上場させ、運賃を値上げ前の水準に戻すとしている。
同案は今後交通部の審査を経て、4月中旬にも立法院交通委員会に送られる。
台湾で発覚した日本食品の産地偽装、福島の農業関係者「侮辱だ」と怒り
台湾では24日、福島第1原発事故発生後に輸入が禁止されている福島など5県の食品が産地を偽装されて流通していたことが発覚し、衛生当局が回収を急いでいる。福島県の農業関係者は今回の産地偽装について「侮辱だ」「日本人は絶対にそんなことはしない」と憤りを見せた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は23~27日にかけて、台湾の報道関係者などを東日本大震災の被災地に招き、同地で生産されている農林水産物の安全性についてアピールしている。26日には福島県のトマトとイチゴ農家、農産物直売所を訪れた。
農産物直売所の関係者によれば、原発事故発生後、「福島」の名前が印刷された商品は価格が20%下がり、関西のみならず、関東の一部でもボイコットの動きがあるという。また、この関係者は最初は悔しく思ったが、検査や宣伝を地道にやっていくしかないと語った。
福島県の農林水産部は、同地で生産された食品は全て科学的データによって安全であることが証明されていると強調している。
日ハム・陽、今季もバットで台湾の恵まれない子どもたちを応援
プロ野球・日本ハムの陽岱鋼が、自身の出身地である台湾の恵まれない子どもたちや地方の少年野球部を対象としたチャリティープロジェクト「岱我飛翔、敢夢計画」を今年も実施することが26日、分かった。
このプロジェクトでは、陽が本塁打を打つ度に決まった金額を寄付することになっている。2年目となる今年は、同じ本塁打でも打点が多ければ寄付金も多くなり、満塁本塁打の場合、1本につき5万台湾元(約20万円)。
打点数を問わず本塁打1本につき3万元(約11万5000円)だった昨年は、25本と自己最多を更新した陽が75万元(約285万円)を寄付した。
大人気のチャーリー・ブラウン・カフェ、オープン7日間で店内の備品が次々と姿消す
24日、台湾の高雄市にオープンしたチャーリー・ブラウン・カフェに、連日大勢の客が押し寄せているが、備品のカップや店内のディスプレーが次々と消えている。資料写真。
2015年3月24日、台湾の高雄市でスヌーピーがテーマのチャーリー・ブラウン・カフェがこのほどオープンし、連日大勢の客が押し寄せている。だが、その人気ゆえに困った問題が起こっている。台湾・ETtodayが伝えた。
24日夜、チャーリー・ブラウン・カフェのフェイスブックに、「1階のトイレに置いてあったスヌーピーの人形が消えていた!」との投稿があった。店側によると、スヌーピーやチャーリー・ブラウンなどのキャラクターが描かれた専用のマグカップやディスプレー用のポスターなどが訪れた客によって次々と持ち去られているという。マグカップは18日のオープンからわずか1週間でその約1割が店内から姿を消しており、現在同店ではオリジナルの紙コップで注文に対応している。フェイスブックにはその後、チャーリー・ブラウンが捜索願のビラを配ってスヌーピーを泣きながら探しているイラストが掲載された。
この投稿を見た台湾のネットユーザーからは、「台湾人の資質も落ちたもんだ」「店内に監視カメラを設置するしかない」「マグカップ込みの値段で販売したら?」といったコメントが寄せられている。
日本統治時代の工業研究所跡地、クリエイティブ産業の拠点に変身
台北市の歴史的建造物に指定され、保存が決まった旧台湾総督府工業研究所跡地が25日、クリエイティブ産業の拠点として生まれ変わった。行政院(内閣)の毛治国院長(首相)は、「夢が実現する場所になれば」と期待を寄せている。
同地は日本統治時代に建設された建物が残る。行政院では若者が想像力を育む足場にしたいと整備を進めていた。
新施設の名称は「空総TAF創新基地」。米マサチューセッツ工科大学の研究機関「MITメディアラボ」とも協力関係を結び、スマートシティ、スマートライフの発展に向けて取り組む。
毛院長は、ハイテク産業だけにこだわらず、文化と科学技術などの融合を目指すとしている。