台湾がNZと経済協定、先進国とは初めて
台湾とニュージーランド(NZ)は10日、経済協力協定(ANZTEC)に署名した。双方の貿易額は約12億ドル(2012年)と規模は大きくないが、台湾が国交のない先進国と正式な経済協定を結ぶのは初めてで、外相や経済相は「TPPやRCEP参加の足がかりになる」と意義を強調した。ANZTECでは、コメなど一部を除くほぼすべての品目を開放、サービスと投資もほぼ全面的に自由化する。さらに、航空自由化や電子商取引の促進、検査・検疫や知的財産権保護での協力、映画の共同制作や原住民族の交流強化なども取り決めている。
真田は球宴出場、鎌田は引退式=台湾野球
元巨人で今年は台湾野球の兄弟エレファンツに所属する真田裕貴投手が、今月28日に開催のオールスター戦にメンバーに監督推薦で選ばれた。真田投手は10日時点で41試合に登板、リーグトップの19ホールドを挙げている。一方、昨年、統一ライオンズで年間最多勝を挙げた鎌田祐哉投手の引退セレモニーが14日、同チームの本拠地の台南球場で行われることになった。当日午後には球場前で鎌田投手のサイン会もある。
サラリーパーソンの約5割が肥満
台湾のサラリーマンについての調査で回答者の48%が肥満、20%近くがウエストが太りすぎていると考えており、22%が肥満指数BMIが基準値(25未満)を上回り27となっていることがわかった。回答者の半数近くに夜食・間食の習慣があり、でん粉や糖分、油脂を多く含む食物を好んで摂取しているのに加えて、運動不足が背景にあると指摘されている。今回の調査は104市調中心が5月に25〜40歳の1068人(男女半分ずつ)を対象に実施した。
台北は世界21位、留学生を引きとめやすい都市
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が9日に中国・交通銀行と共同で発表した「海がめ族指標(留学生引きとめ指数)」で、台北は対象となった世界80都市のうち、東京や豪州のブリスベン、キャンベラ、メルボルンと並び21位だった。アジアでは、3位の香港や12位のシンガポールに遠く及ばなかったが、27位の北京を上回った。この調査は外国人留学生が、卒業後も帰国せずにとどまり働くことを選びやすいかを比較した。
日本時代の高級料亭修復、台南市が一般開放
台湾で日本統治時代から残っている数少ない料亭の建築、「鴬料理」が修復された。台南市では今月末の一般開放する予定。「鴬料理」は天野久吉が1923(大正12)年に土地を購入して建てた。当時は200坪ほどあったが、現在は3分の1ほどになっている。「鴬料理」は当時、台南の政治経済の中心地に位置し、近くに州庁や市役所などがあった。1923年4月に台湾を視察に来られた皇太子、のちの昭和天皇もここで食事をされたという。
ハウステンボス、台北に出張所開設
ハウステンボス(長崎県佐世保市、HTB)は9日付で台北市内に出張所を設けた。海外出張所は韓国・釜山に次いで2カ所目。これまで台湾についてHTB本社が営業を担当していた。現地に出張所を設けることで集客力の向上を狙う。HTBは今月、熊本市内にも出張所を開設済み。
鴻海が1・7兆元で首位=上場企業の上半期売上高
株式の上場・店頭公開企業の上半期の業績が10日に出そろい、鴻海精密工業グループが連結売上高1兆7465億台湾元で首位だった。米アップルからの受注増が増収に寄与したもようだ。IT関係では液晶パネル大手の友達(AUO)が2728億元、華碩電脳(エイスース)が2189億元といずれも2000億元台を超えた。従来型産業では台湾プラスチックグループが9210億元に増やしている。
馬総統「習氏との会談排除しない」、条件次第で
馬英九総統は10日に出演したテレビ番組のインタビューで、中国の習近平・国家主席とのトップ会談について、一定の条件が満たされれば「排除しない」と述べた。馬総統は「台湾住民の支持に加え、中華民国の尊厳は損なわれないとの保証があれば、中台関係をさらに発展させるために習氏と会談する可能性を排除しない」と説明した。また、経済関係の強化が中国との統一につながるとの見方にも反論した。
台風7号「ソーリック」が午後にも台湾を直撃…非常に強い
「非常に強い」台風7号(アジア名はソーリック)が12日午後から13日ごろにかけて、台湾を直撃する可能性が高まった。午後から風と雨が強くなり始め、夕方には暴風圏が台湾本島の陸地に到達する見込みだ。
気象庁(日本)によると、台風7号の中心の位置は12日午前8時現在、石垣島の南東約260キロメートルで西の方向に時速20キロメートルで移動している。このまま進むと台湾の中部または北部に上陸する公算が高い。
同時点における中銀気圧は945ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は45メートル、瞬間最大風速は60メートルだ。台風の進行速度が遅いため、台湾北部の基隆、台北、宜蘭などでは、現地時間午後2次から13日午前8時にかけて、風速15メートル以上の暴風圏に入る確率が、いずれも90−99%と予測されている。
台北など台湾北部はこのところ台風の直撃を受けたことがなかったため、専門家は「建物の看板などの安全性を確認し、丈夫でない樹木の防護策を心がけてほしい」と呼びかけている。
12日午前、非常に強い勢力から強い勢力に変わった台風7号は北東部・宜蘭の東南東約400キロの海上にあり、時速23キロの速さで西北西に進んでいる。台湾東部の海域が次第に暴風域に入り、中央気象局は各地で強風、豪雨に警戒するよう呼びかけている。
台風7号は12日午前12時時点で、中心気圧935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速48メートル、瞬間最大風速58メートル。
離島の緑島、蘭嶼、澎湖、馬祖を含む台湾全体のほか、北部・北東部・南東部の海上、台湾海峡、バシー海峡で操業中の船舶も暴風や大雨に厳重な警戒が必要となる。
宜蘭県、基隆市、台北市、新北市、桃園県、新竹県、新竹市、苗栗県、台中市、彰化県、南投県、雲林県、嘉義県、嘉義市、台南市、高雄市、屏東県、花蓮県では24時間の雨量が350ミリに達すると予測されている。
13日午前11時、台風の中心位置は台北の西北西約90キロの海上にまで近づく見込み。
台風襲来に備え、中央災害対応センターで各関係省庁から報告を聴取した馬英九総統は、災害を最小限にとどめるために万全を期すよう指示した。
動 画
台湾・中華電信、モバゲーと提携でゲームアプリの配信開始
台湾最大の電気通信事業者、中華電信は11日、日本のインターネットサービス大手、DeNAが運営するプラットフォーム「Mobage(モバゲー)」と提携し、欧米でも売り上げ上々のRPG「ブラッド・ブラザーズ」などモバイル向けゲームアプリの配信を同日より始めたと発表した。
ゲームアプリは、中華電信が運営するプラットフォーム「Hami」を通じて配信される。同社によると、「Hami」の現在の登録会員数は155万人に達しており、コンテンツのダウンロード回数は650万回にのぼる。有料コンテンツは全体の約6割にあたる4800件で、「基本無料・アイテム課金あり」のゲームは80種類を超えている。
台湾の政府系シンクタンク、「資訊工業策進会」によると、スマートフォンやタブレットPCの普及を背景に、世界全体のモバイル向けゲームアプリの市場規模は2年後の2015年に152億ドル(約1兆5050億円)にまで膨らむという。台湾では、有料ゲームアプリの主な客層は、30歳以上の既婚男性で、彼らに人気のゲームジャンルとして、パズルゲームやスポーツゲームなどが挙げられる。
韓中FTA“迅速”に“狭く”しよう
FTAには2種類の方式がある。1つは米国式で一度に最大限包括的で高い水準の開放を妥結する方式であり、もう1つは中国方式で、ひとまずデリケートな分野を除いて妥結した後に、後続交渉で開放の幅を徐々に広めていく方式だ。長期的な不確実性を考慮する時、韓中間にも後者の方式、つまり両国がデリケートだと考える分野はみな除いて最小限に互いに大丈夫だという部分だけを含む狭い範囲のFTAが実用的な代案だ。すなわち米国式の“高い水準”ではなくアジア式の“狭い範囲”が安全な選択だ。中国本土・台湾間の協定がこのような方式の代表的な事例だ。双方はデリケートなサービス分野は後回しにして製造業分野だけを先に開放するいわゆる“early harvest”方式でFTAを締結した。それで初期には意味が少ないと批判を受けていたが、何年が過ぎて、すでにサービス部門を含む形に拡大している。
このような形だけで締結しても、先進製造業国の中で初めて中国とFTAを締結するという市場先行獲得効果は発生する。FTAを1回限りで終わるイベントではなく、初期成果を根拠に追加的な開放と包括範囲を次第に拡大するためのプラットホームとして見るということだ。部門別の選択基準は長期的でなければならない。現在、競争力が高い部門の立場から見るよりは、今後競争力の変化が予想される分野の立場で交渉を展開しなければならない。台湾の場合、韓国とは条件が違うが経済的効果のほかに色々な方面にわたって本土の急速な影響力の拡大に対する憂慮が増大している。
10年間で韓半島の情勢は激変した。韓中FTAについても過去の中国は政治的利益を、韓国は経済的利益を主に見ていたが、これからは韓国の立場における経済的利益の不確実性が大きくなった一方で北朝鮮問題など国際政治的効果の比重が大きくなった。このような状況での適切な選択は“迅速な、しかし狭い範囲”の妥結だ。
外交部:独の汚職監視団体の評価は不正確
ドイツの国際的な汚職監視団体、トランスペアレンシー・インターナショナルが公表した「2013年世界汚職指数」で、中華民国台湾が、アジア太平洋地域の国と地域の中でワースト3と評価された。これに対し、外交部の高安・スポークスマンは、11日、「ドイツ駐在の代表処が、トランスペアレンシー・インターナショナルとコンタクトを取り、今回の調査の基準について理解し、この団体と話し合うことで、状況を把握した上で誤解を解く」と述べた。
同調査の結果で、台湾の回答者の36%が贈賄の経験があるとされていた事に対し、法務部の曽勇夫・部長は11日、「今回の調査は、香港で登記された上海の会社が電話調査を行ったようだが、中国語の訛りや話し方が異なる調査員からの電話に、電話を受けた人は疑問を生じ、その結果、誤差が生まれたのではないか」との見方を示し、「36%といえば、3人に1人がわいろを渡したということで、どう考えてもこれほど高いわけはない。上海の支社から電話をかけた調査員は、中華民国台湾最大の方言であるビン南語、台湾語を聞き取れたのだろうか。それに調査員の訛りを、電話を受けた台湾の人は果たして受け入れたのだろうか。この点から、結果に誤差があったと考えられる」と述べた。
曽・法務部長はさらに、「これまでの調査では香港やシンガポールなど、アジアの国、地域も調査対象となっていたのに、今回は中華民国台湾と日本、韓国のみである。法務部として、疑いのある部分については、トランスペアレンシー・インターナショナル側に説明を求めて行くことになるが、現時点では抗議を行うつもりはない」と述べた。
総統:NZとの経済協力協定はTPP参加の第一歩
馬英九・総統が、中華民国台湾とニュージーランドとの経済協力協定を評価、将来のTPP参加に期待した。馬英九・総統は11日、アメリカ・ハワイ州のニール・アバクロンビー知事と会見。馬・総統は会見のスピーチの中で、昨日10日、ニュージーランドと締結した経済協力協定に触れ、「昨日、我々とニュージーランドは経済協力協定を締結した。これは高レベルの自由貿易協定だ。我々の目標はあくまで、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加であり、今回の協定は第一歩にすぎない。そのため、我々とアメリカ、ハワイとの関係は今後より深まっていく」と述べた。
一方、江宜樺・行政院長は11日に行われた閣議の中で、今回の経済協力協定が、中華民国にとって国交のない国と締結した初の自由貿易協定であり、意義が大きいことを指摘、今後、中華民国が他の経済貿易協定を推し進める上で、有利に働くとの見方を示した。また、ニュージーランドはTPPの最初の加盟国である事から、江・行政院長はこの点も、中華民国のTPP参加に有利な環境づくりに役立つとしている。
行政院の鄭麗文スポークスマンは、江・行政院長の考えとして、「協定締結により、我々が自由、開放という路線を堅持していること、地域経済の統合への参加による影響で、保護主義に走ったり、後退する事のない事を、国際社会に知ってもらえる。これまでの発展を振り返れば、自由、開放という路線は我が国の競争力を向上させ、国家と人々に最大の利益を生み出す」と述べた。
江・行政院長はまた、「国際協定では利益を得る産業がある反面、マイナスの影響を受ける産業もあると指摘。政府はマイナスの影響を受ける産業を支援していく」と強調した。
亜東関係協会、日本の県知事訪台を歓迎
台湾の対日本窓口機関・亜東関係協会の李嘉進・会長が、日本の県知事が二人相次いで台湾を訪れるのにあたり、双方の友好的な関係を深めていくと述べた。
日本の香川県の浜田恵造知事と、宮崎県の河野俊嗣知事はこのほど、それぞれ代表団を率いて中華民国台湾を訪問。亜東関係協会の李嘉進・会長は11日、二人の知事の表敬訪問をそれぞれ受け、座談会を通じて実質的な交流の具体的な方向について意見を交換する。
李・会長は、亜東関係協会は今後、台湾と日本の交流のプラットフォームとしての役割をより積極的に果たし、政府が日本との関係をさらに深め、友好的な関係をよりレベルアップできるよう協力していくと述べた。
李・会長はまた、浜田氏と河野氏には、国立故宮博物院の収蔵品が来年日本の東京と福岡で展示されることなどを紹介し、台湾と日本の文化交流における重要な意義をアピールするという。
民主活動家、陳光誠氏 「台湾の民主感じた」
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中国大陸で軟禁され、昨年アメリカに渡った盲目の民主活動家、陳光誠氏が11日、18日間の台湾初訪問を終えて離台。陳氏は、台湾の人たちの情熱的な点が深く印象に残ったと語ると共に、台湾は世界の民主社会と同じ自由と民主を有していると称えた。
台湾桃園国際空港には台湾での友人らが大勢駆けつけて陳氏を見送った。陳氏は、台湾の人たちの情熱的なところは、台湾を離れたくないと思わせると話した。陳氏は、台湾では民主のために自由を犠牲にした人たちに会ったとし、それらの人の一部は台湾の民主は完璧ではないと言ったが、自分は台湾はすでに重要な一歩を踏み出していると感じたと述べた。
陳氏はまた、台湾で見たすべては中華民国政府がアレンジしたものだという人もいたが、そう話せることこそ言論の自由が保障されていることと指摘。今後も自由、人権、民主のために努力していくとして各国への訪問にも意欲を示した。
復興航空、9月に成田便就航[運輸]
復興航空(トランスアジア)の林明昇董事長は10日、台湾桃園国際空港と成田国際空港を結ぶ便を9月に就航する計画を明らかにした。同社は台湾と北海道4カ所、大阪、那覇、石垣島を結ぶ便を運航しており、成田は日本の就航地では8カ所目。関東では初めてとなる。
11日付工商時報によると、現在は就航に向け準備中で、日台双方で手続きが終わり次第、9月中に運航を開始する。昨年夏から運航している日本便は好調で、昨年末には中・長距離機のエアバスA330―300型機を導入。輸送能力を約2倍に増やした。
同社は第1四半期に、原油価格の高止まりや台湾元安の影響で赤字を計上。証券筋は路線拡充により、下半期に黒字転換すると予測している。
ロボット型のキティ展、7/12〜10/20台北で開催
台湾でも多くのファンを持つ人気キャラクター、ハローキティ型のロボット展示イベントがあす12日から3カ月にわたって台北市内の松山文創園区で行われる。
700坪の展示エリアはデザインやメンテナンス、クオリティチェック、チャージなどの部門からできており、入場者が園内に設置された“未来の研究所”Sanrio Robotics Institute(S.R.I)でのロボット作りを実際に体験できる回遊型のイベントとなる。
会場では鎧を身にまとったデザインや注射器を手にした“白衣の天使”のデザインなど、台湾の人気デザイナー、蕭青陽やタレントのアンバー・アン(安心亜)などが手がけたキティ型ロボット作品も展示され、この夏休み、来場した台湾の人々はキティの世界にたっぷり浸かれそうだ。
日台の元政府関係者、早大講演会で日中の関係改善呼びかけ
中華民国(台湾)政府が米グーグル社と協力して立ち上げた台湾版「グーグル・クライシス・レスポンス」は10日から利用可能となり、スマートフォンなどで台湾の最新の災害情報を得られるようになった。
グーグルによる災害情報のサービス提供は、アジアで日本に次いで2番目。タブレットPCなどモバイル端末でTaiwan Crisis MapやGoogle Nowなどのツールを利用すれば、中央気象局や経済部水利署などの発表する台風、豪雨、土石流、浸水状況、河川水位についての最新情報をいつでもどこでも手に入れることができるという。
日台の元政府関係者、早大講演会で日中の関係改善呼びかけ
日本の早稲田大学で10日、「東アジアの平和的発展を求めて〜日台による新視点からの提言〜」と題した特別講演会が行われ、台湾の元経済部長(経産相)で対中国大陸窓口、「海峡交流基金会」前理事長の江丙坤氏と、日本の前駐大陸大使の丹羽宇一郎氏は、釣魚台(日本名:尖閣諸島)問題で悪化した日中関係の改善と修復を呼びかけた。
江氏は今回、財界団体「台湾三三企業交流会」のトップとしてシンポジウムに参加、釣魚台問題をめぐる日中の対立について、「(台湾としては)対話を通じた問題の平和的解決で関係が修復され、共にアジア全体の発展の牽引役になってほしい」との期待を表明した。
丹羽氏は、「40年で最悪の状態にある」として日中関係の現状に懸念を示し、指導者同士が相手への武力不行使を保証することなどを提案した。
また、安倍晋三首相がテレビ番組の中で「中国は尖閣で歴史認識問題を活用している」との見方を示していることについては、日中とも大局的見地から問題に対処し、相手を刺激するような発言を控えるよう希望した。
中国出張の日本人男性、トランクを拾ってくれた台湾男性に2年越しの「謝謝」
2年前、中国大陸・上海でうっかり置き忘れたトランクがなくなることなく、すぐに持ち主の日本人ビジネスマンのところに戻って来た。トランクの中には札束や重要書類が入っていて大変なことになるところだった。拾い主は同じく大陸に出張していた台湾の闕(けつ)福栄さん。落とし主の日本人はこの時のお礼をまだちゃんと言っていなかったとして先日わざわざ台湾を訪れ、闕さんに感謝の言葉を伝えた。聯合報が伝えた。
台湾・新竹市在住の闕さんは、おととし出張先の上海のホテルで朝食をすませると、隣の椅子に持ち主のわからないトランクが置かれたままなのに気がついた。そのまま10分ほど待ってみたが誰も現れる様子はない。中身は大量の人民元に米ドル、それに契約書だった。そのうち仕事先に出るため呼んであったタクシーが到着。そこで、闕さんはトランクが簡単に開けられ手がつけられたりしないようビニール袋に入れて口を縛り、「中身は私も確認してあるから」と念を押し、自分の連絡先とともにホテルのフロントに預けた。
それからほどなくして落とし主から無事トランクを手にしたとの電話が入り、闕さんはようやくほっとした。落とし主は日本人の鍛(かじ)邦雄さん。翌日、「重要書類が見つかって非常に助かった。ぜひしっかりお礼がしたい」と申し出た。しかし、闕さんは「やるべきことをやったまで。お礼をしていただくほどのことではありません」と断った。
あれから2年。やはりお礼がしたいと突然届いたまさかの電子メールに闕さんは驚き喜んだ。先月初め、通訳に伴われ台湾の空港に降り立った鍛さんはそのまま新竹へ。闕さんの手を固く握りしめ、「謝謝[イ尓]」(ありがとうございました)。言葉は通じなくても笑顔が心をつなぐ。鍛さんはこの2年間ずっと恩人の闕さんに何もお礼をしていなかったことを心苦しく思い、夜など思い出しては眠れないことも。このままではいけないと来台を思い立った。鍛さんは特別に選んだ茶器を贈り、闕さんは鍛さんを新竹市内の城隍廟やショッピングモールに案内し楽しいひと時を過ごした。
2年前の上海での出来事について、闕さんは自分も海外出張時に財布や携帯をなくして手元に戻って来なかった経験があり、「物をなくして困っている人のことを考えると、人の物を自分の物にしたりなど絶対にできない」と語った。「台湾の人々は本当にすばらしい」と鍛さん。今度はぜひ闕さんに日本に来てもらい、あちこち案内したいと語っていた。当たり前のようでなかなかできない行いが、またも日本と台湾のきずなを強くした。
台湾の国会議長、21日から訪日 岩手県の復興状況視察も
台湾の王金平立法院長)は8日、21日から5日間の日程で日本を訪問すると発表した。
21日に投開票される参院選後の政界の動きを把握する目的で日本の有力政治家と会見するほか、2年前の震災・津波で大きな被害を受けた岩手県への視察も計画されている。
日本の被災者にエールを送ろうと、王氏は昨年7月にも宮城県と福島県に足を運び、東北三県への観光などをアピールした。
台湾・台南の高級ドライマンゴー、日本で売れ行き上々
台南の高級マンゴー、愛文(アップル)で作られたドライマンゴーが今年、初めて日本進出を果たした。台湾の2倍以上となる一枚330円ほどの高価格だが、すでに10万枚の注文が入るなど、売れ行きは上々のようだ。
台南市政府では現在、生産量が昨年より36%増えた市産マンゴーの付加価値を高め、市場価格を安定させようと、ジュースやピューレ、ドライマンゴーなど愛文の加工食品に力を入れている。
10日、工場を視察した同市の頼清徳市長は、これまでは加工に回されるのは二級品とのイメージがあったが、日本向けのマンゴー加工品には最高級の素材を使用していると違いを強調、競争力に自信を見せた。
ドライマンゴー作りに使われた愛文マンゴーは重さ400〜500グラムのクラスで、マンゴー1個から最高で2枚までしか作らないという高級志向。添加物は一切使用していない。
台南市では、東京ディズニーリゾートへの市産マンゴージュース輸出も実現している。
日本時代の高級料亭「鴬料理」、一般開放へ/台湾・台南
台湾で日本統治時代から残っている数少ない料亭の建築、「鴬料理」が修復された。台南市では今月末一般に開放する予定。
台湾で現在保存されている日本時代の建築はほとんどが当時の公的機関が所有していたレンガ造りのもので、民間の木造建築は大変少ない。さらにお座敷や酒場、遊廓など娯楽業の建築はもっと少なく、台北の江山楼、蓬莱閣などはとうの昔に解体されてしまっており、現在、台南柳屋、新竹湖畔料亭などいくつかの高級料亭跡が残っているだけだ。
台南の高級料亭、「鴬料理」は天野久吉が今からちょうど90年前の1923(大正12)年に土地を購入して建てた。敷地は当時は200坪(661平方メートル)ほどあったが、現在は3分の1ほどになっている。
中には日本式の庭園があり、左側には当時「表棟」とよばれた、本来は2階建ての建物の土台と階段が残っている。中間には2階建ての「中棟」があり、1階は厨房、2階は座敷だった。そこから右側に延びている廊下の先に今は何もない。そして裏手の「裏棟」は店の経営者と芸子たちが寝泊りしている場所だった。
「鴬料理」は当時、台南の政治経済の中心地に位置し、近くに州庁や市役所などがあった。その立派な建築とすばらしい庭園の料亭で、提灯に灯がともると玄関前には次々と人力車が横づけされ、政界や財界の大物がここで杯を酌み交わし密会が行われた。1923年4月に台湾を視察に来られた皇太子、のちの昭和天皇もここでお食事をされているという。