爆買いの次は…タイ旧正月に注目 訪日客は右肩上がり
タイの旧正月「ソンクラーン」(13~15日)の休暇に合わせ、訪日するタイ人が急増している。査証(ビザ)免除などを背景にタイからの訪日客数はここ3年、右肩上がりだ。2月には「春節(旧正月)」の休暇で訪日した中国人の「爆買い」が話題になったばかり。新たな波に観光業界などが注目している。
日本政府観光局によると、訪日タイ人は東日本大震災以降に増加し、平成24年の約26万人から昨年の約66万人に伸びた。背景にはビザ免除のほか、円安、LCC(格安航空会社)の就航がある。
タイ人向けに旅行の手配を行うトラベルイノベーションジャパン(横浜市)では、旧正月を含む時期の個人旅行者の取扱件数が、昨年の3倍になる見込み。木地本健太郎社長は「リピーターの増加で、これまで行かなかった九州旅行も売れている」と話す。
旅行大手エイチ・アイ・エス(東京都新宿区)は3月、外国人旅行者専門カウンターを都内3カ所にオープンし、タイ語でも対応している。これまでもタイ国内の支店がCMや東京情報を紹介するスマートフォン・アプリの配布で集客に努め、「25年7月のビザ免除から2年近くたち、個人旅行者が増えた」と話す。小田急トラベル(渋谷区)も今年、外国人に人気の観光地、神奈川県小田原市と箱根町に外貨両替窓口を開設し、タイ通貨バーツの取り扱いを始めた。
訪日外国人ビジネスコンサルタントの村山慶輔さんは「タイ人の食事や宿泊の購買単価は中国人と差がない。一時の現象で終わらせないよう、旅の満足度を高めてもらう努力が大切だ」と指摘している。