【台湾ブログ】日本人に失望! イメージ崩れた実態 「破天荒」な人がいた
日本人にあこがれ、日本人を装うことを目標にしていた台湾人が、裏切られた思いをブログにつづった。仕事を通して実際に日本人に接したことで、失望したようである。礼儀正しく保守的で、規律正しく細部にまでこだわりを持っているのが、石上三年(ハンドルネーム)さんが抱く日本人のイメージだったという。
それらのイメージは「気遣いながら勉強を教えてくれた、先生たちのおかげ」とのことで、ねばり強い指導に感銘を受けたようだ。「我々生徒は台湾の皮をかぶった日本人だ」と意識し、「日本人のように振る舞えるように」と、学生時代に努力を重ねた。そんな筆者は大学卒業後、日本と台湾の企業をつなぐ“仲介関連”の企業に就職したとのこと。
仕事でかかわった日本人は100人近くいたという。「毎日朝から晩まで日本人に付き合い、通訳から食事の案内までなんでも世話をした。深く関わった20数名の日本人顧客のせいで、私のイメージは徹底的に崩れた」と筆者は述べており、「一人とて同じ人間はいないのだ」と痛感せざるを得ない状況におちいったそうだ。
世間には繊細な人、自由な人、自己中心的な人など、様々な性質や性格を持った人間がいることを筆者は当然理解しており、「台湾人だろうがどこの国の人だろうが一緒だ」と納得しなければならない現実にぶち当たったようだ。だが日本の社会生活に於いては暗黙のルールがあり、「そのルールを貫く人材は昇進が早かったり、海外勤務に就き他国の人と接する機会があったりなどチャンスを得る」と感じた。
暗黙のルールとは、重箱の隅をつつくような細かなこだわり、礼儀正しさ、順序良く物事を進めるなど、筆者から見た日本人精神とのことだ。だが仕事で関わった日本人は大胆でおおらか、はっきりと意思表示するなど日本人の精神を感じさせず、「国際舞台で揉まれた人は、典型的な日本人にはほど遠くなる」と実感したそうだ。
代表的人物が2人程いたそうで、1人は若い頃にロシア軍に中古車を販売した、野心ある九州の老人だった。老人は「九州各地に愛人を持ち、色恋沙汰のエピソードが絶えなかったが、妻に敬意を払う。散歩の時や社内会議にも甚平で出席していた人だった」など、女性好きでマイペースな人物だったようだ。個性的すぎて呆気にとられる存在だったようだが、「眼光の鋭さだけは印象的だった」と筆者は伝えた。
その人物は、巨額な投資を行い中古車を中国の工場に運び解体する作業を進めたそうだが、自己責任の下で初志貫徹し有言実行を続けるなど、立派な態度だったとのこと。筆者は「任侠の心を感じた」と述べ、影響されたようだ。浮気癖がありギャンブル好きな素顔は褒められないが、義理人情に厚いなど「非典型的な日本人で男気のある人だった」と説明した。
もう1人は仕事柄筆者とつながりが深い日本人社長、とのことだが述べられていない。近過ぎる人物で暴露が難しいのか、もしくは前者の老人の方が強烈なキャラクターだったのか詳細はわからない。だが両者とも、「日本人とは思えない」破天荒な人物で、出会いは衝撃的だったであろうと想像できる。
日本が好きで仕事で使える位に語学力を磨き、日本人との縁を築いていった筆者。近づけば近づくほど実態を知り、抱いていた真面目なイメージがガラガラと崩れ落ちていった。日本人すべてをひとくくりにしてはいけない点と、人柄や性格や国籍を問わず“個人の要素”であることを身を持って痛感したことだろう。また台湾人が描く日本人像に当てはまらない人物もいることを、広く伝えたかったのではないか。ただイメージダウンしつつも、親しみを覚える感覚が伝わってくる内容であった。