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訪台のAKB高橋みなみ「来れてとってもうれしい」ファンも殺到

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訪台のAKB高橋みなみ「来れてとってもうれしい」ファンも殺到


女性アイドルグループAKB48の高橋みなみ、川本紗矢、向井地美音の3人が16日、台北市内のケーブルテレビ局で行われた記者会見に登場し、開催予定の台湾オーディションや訪台の感想について語った。

今回が3度目の訪台となる高橋。中国語で「大家好」(みなさんこんにちは)とあいさつし、台湾に来られて「とってもうれしいです」と喜びをあらわにした。台湾男性の印象を聞かれた川本は、空港でうちわを持って出迎えたファンの姿を見て、優しい人が多いと思ったと話した。

会見にはバラエティー番組「完全娯楽」のMCを務めるタレントの納豆(林郁智)およびヒッポホップグループ、ダマウス(Da Mouth、大嘴巴)のメンバー、ハリー・チャン(懐秋)とMC40(薛仕凌)も出席。身長158センチとされる小柄な納豆に対し、隣にいた高橋が背くらべをするような動作を見せると、会場に詰めかけた男性を中心とした約100人のファンからため息混じりの声がもれた。

AKB48は先日、台湾オーディションの開催を発表。求める人材について高橋は、夢を持った人やグループにいないタイプの女性だったら嬉しいと語った。

会場の外には、会見への参加券を手に入れられなかったファンら数十人も集結。女性ファンの魏さんは、オーディション開催を「楽しみ」と期待に胸をふくらませていた。

高橋ら3人は16日夜にファンミーティングを開催。翌17日には市内で開催される日本関連イベントに登場する。

ソニー、内部規定で「中華民国」の使用を禁止 ウィキリークスが公開

ソニーグループが中国大陸でのビジネスに影響が出ないよう、内部規定でウェブサイトやマニュアルなどにおける「中華民国」の名称や国旗の使用を禁止していたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」が16日に公開した情報により分かった。

ウィキリークスは、昨年にサイバー攻撃で流出したソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)の17万件以上の電子メールと、3万件以上の内部文書をサイト上で公開。中には台湾の表記に関わる電子メールも含まれていた。

それによると、現在ソニー・エンタテインメントの社長を務めているニコール・セリグマン氏が2013年12月、SPEなどの関係者に対して台湾の名称に関する問題を提起。各部門に対してウェブサイト上での呼称や国旗の使用状況について報告するよう求めていた。

その後、ソニーグループはガイドラインを作成し、「中華民国」やそれに準ずる表現、中華民国国旗の使用を禁止。

また、台湾を表記する際には「国」ではなく「国/地域」を使用するよう求めていたほか、併記が必要な場合は「台湾地区および中国大陸」とするなどと通達していた。

日本の魅力を伝える大規模イベント開幕 最新技術などで来場者を魅了

日本の観光や文化、商品を紹介する台湾最大級のイベント「タッチ・ザ・ジャパン」の17日からの開催に先駆けて16日、パフォーマンスや出展ブースの一部がメディア向けに公開され、台湾では見られない花魁(おいらん)ショーや最新技術などで日本の魅力をPRした。

同イベント実行委員会の安藤俊介エグゼクティブプロデューサーは、東日本大震災に対する台湾からの多額の支援に感謝を示すために同イベントを企画したと説明。台湾の人が初めて見るような品物などを用意したと自信をのぞかせ、「ひとりでも多くの人に楽しんでほしい」と開催をアピールした。

幅約50メートル、高さ5.5メートルの巨大スクリーン上に日本の自然やグルメなどを紹介する次世代高画質の8K映像が映しだされると、来場者らは大迫力の映像を食い入るように見つめていた。安藤氏によるとこの大きさの画面で8K 映像を上映するのは今回が台湾のみならず日本でも初だという。

この日一番の注目を集めていたのは、小型ロボット「ロビ」100体によるダンスパフォーマンス。その息のぴったり合った動作に、カメラを片手に感嘆の表情を浮かべる来場者の姿が多く見られた。

イベントには、日本の各県や企業など60ブース以上が出展。人形焼を販売するブースの担当者によると、機材や食材のほとんどは日本から船便で運んできたものだという。

同イベントは台北花博公園で20日まで行われる。主催者は4日間の会期で8万人の集客を見込む。

台湾で日本ラーメン戦争、2年で54店の出店ラッシュ

海外に新たな商機を求めた日本のラーメン店が台湾で激しい競争を繰り広げている。不動産の賃貸、売買、資産管理などを手がける「信義全球資産」の調査によれば、この2年間に台湾に進出した有名ラーメン店は19社で、店舗数は54店に上る。

新たに進出した19社の7割以上が台北に出店。展開先は繁華街の東区、西区、中山区に集中している。

同社は、日本のラーメン店の台湾進出が相次いでいる理由について、東日本大震災以降、中小企業がリスク分散のために海外進出を進めていることや、日本食が台湾の人々に受け入れられやすいことなどを挙げている。

数年前までは繁華街に積極的な店舗展開を行っていた日系ラーメン店。だが、近年進出した19社中8社が2号店を出さない慎重な姿勢を見せており、台湾における“日本ラーメン戦争”は新しい局面を迎えつつあるようだ。

台湾、日本からの輸入食品への規制強化 5月15日に実施へ

衛生福利部(衛生省)は16日、日本から輸入される全食品に産地証明書の添付、一部の食品には放射性物質の検査を義務付ける規制を、5月15日から実施すると明かした。

対象となるのは来月15日以降に日本の港や空港を出発した食品。産地は都道府県名の記載が求められる。一方、福島、群馬、栃木、茨城、千葉からの食品は引き続き輸入が禁止される。

また、放射性物質検査が義務付けられるのは、▽宮城、岩手、東京、愛媛の水産品 ▽東京、静岡、愛知、大阪のお茶類 ▽宮城、埼玉、東京で生産された乳製品、ベビーフード・幼児食、菓子、穀類加工品。

いずれも日本政府の指定または同部食品薬物管理署が認可した検査機関の報告書が必要になる。

日本統治時代に建築の台東県長公館、今年で100歳 特別開放へ

日本統治時代の1915(大正4)年に建設された台東県長公館が、今年で100周年を迎える。18日には特別に一般公開され、記念イベントが行われる。

台東市内の中心部にある同公館は当初、台東庁長の官舎として建設。花蓮、台東地区の首長関連の建物としては唯一現存しており、全台的にも価値があるとされる。約1000坪の敷地には平屋建ての木造家屋と日本庭園があり、保存状態は良好。

イベントでは今年100歳のお年寄りが来賓として招かれるほか、地元の合唱団のパフォーマンスや抽選会などが実施される。



台湾当局が日本産食品への規制を強化、日本の高官は「科学的根拠に欠ける」

台湾で輸入が禁止されている日本の原発被災地で製造された食品が、産地を偽装して台湾で流通していたことが発覚し、台湾当局が日本の輸入食品への規制を強化した。新規制は、都道府県ごとの産地証明に加え、乳幼児用食品などでは放射性検査証明の添付を義務付ける。これに対し、日本の政府高官は「科学的根拠に欠ける」と疑問を呈している。16日付で台湾紙・自由時報が伝えた。

台湾紙・聯合報によると、日本は台湾に規制緩和を求めるため、安倍晋三首相が15日朝、日本交流協会の大橋光夫会長と会談した。日本の官房長官や農水大臣は定例記者会見で、台湾が取り締まりを強化したことについて、「科学的根拠に欠ける」と疑問を呈した。

交流協会東京本部の小松道彦総務部長は、「産地を偽装したとして売り場から撤去された即席麺などを含め、台湾ではこれまでに1度も日本食品から基準値を上回る放射線量が検出されたことはない」と指摘。昨年は台湾から延べ300万人の観光客が日本を訪れて日本の食事を楽しんだとし、「台湾の政策は不可思議だ」と首をひねった。

ノーベル平和賞受賞のマララさん、8月にも来台へ

台湾民主基金会は16日、2014年にノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身の人権活動家、マララ・ユスフザイさん(17)が早ければ8月にも台湾を訪問する可能性があると明かした。

同基金会は現在、マララさんに賞の授与を計画中で、マララさんも来台に同意しているという。

ノーベル平和賞を最年少で受賞したマララさんは、パキスタンで女性の教育を受ける権利を国内外に訴え注目を集めた。2012年にイスラム過激派の武装勢力タリバーンの銃撃によって重傷を負ったが、英国で治療を受け一命を取り留めている。

今年1月にはマララさんと共同受賞の、児童人権活動家のカイラシュ・サティヤルティ氏が台湾を訪れて講演などを行っている。


パイナップル収穫が最盛期 少雨の今年は甘さ強め

嘉義県民雄郷のパイナップルが収穫期を迎えた。県では昨年から続く少雨の影響で甘みが増しておいしいとアピールしている。

同県下では1329.65ヘクタールの土地でパイナップルが栽培され、総生産量は6万9800トンにも及ぶ。712ヘクタールのパイナップル畑が広がる民雄では、日本や中国大陸などへの輸出も盛んだ。

張花冠県長は、日中と朝晩の大きい気温差、パイナップルの香りと甘みを引き立てると同県産をPR。栄養価も高く、整腸作用もあるという。

県では、たたくと太鼓のような音がする香りの強いパイナップルを選ぶのがよいとしている。

台湾の旅行者、海外での平均宿泊費約1万5000円 節約傾向明らかに

台湾の旅行者が昨年、海外の宿泊施設にかける費用は1泊あたり3952台湾元(約1万5000円)。そんな結果がオンライン予約サイト「ホテルズドットコム」の調査で分かった。対象となった世界29カ国・地域中最低で、海外旅行での節約ぶりが浮き彫りになった。

海外旅行の宿泊費が一番高かったのはアルゼンチンの約2万1000円。日本はアジア最高位の8位。その後中国大陸(11位)、インド(14位)、タイ(18位)、韓国(20位)、シンガポール(24位)、香港(26位)と続いた。

大立光、1Q純利益は前年同期比46.9%増[IT]

光学デバイス大手の大立光電(ラーガン)は16日、2015年第1四半期の業績説明会を行った。同四半期の連結粗利益と営業利益、純利益はそろって前年同期比で大幅増。純利益は44億700万台湾元(約170億円)で、増加幅は46.9%に上った。ただ、過去最高だった14年第4四半期比では40.7%の大幅減だった。

第1四半期の粗利益は57.2%増の59億9,400万元。前期比では29.9%減ったが、粗利率は56.7%と前期から6ポイント改善した。

同社は粗利率上昇の要因として、生産コストが比較的高い、手振れを補正するボイス・コイル・モーター(VCM)の出荷比率が下がったことによるものと説明した。また、顧客の需要に応えるため新たに生産施設を借り受け、第4四半期にも生産を始める考えを明らかにした。発表済みの同四半期の売上高は、前年同期比54.1%増の105億6,700万元。

第1四半期の画素数別レンズの出荷割合は、主力の800万画素が40~50%。次いで1,000万画素以上が20~30%、500万画素が10~20%などとなった。1,000万画素以上の割合は昨年第4四半期が10~20%で、スマートフォンのハイエンド機種向けレンズの出荷が増えていることが分かる。

大立光の林恩平執行長は、第2四半期の業況について「4月は3月に比べ好調。5月は4月とほぼ変わらず、6月については今のところ分からない」と述べた。また、主要顧客の米アップルについて聞かれると、直接の名指しは避けたものの「指摘のあった顧客からの技術的要求はますます厳しくなっている」と答えた。光学式手振れ補正機能を備えたVCMについては「現在も研究開発中」と答えるのみで、量産化と出荷開始の時期には言及しなかった。同社はハイエンドレンズの生産を強化しており、今後の出荷動向が引き続き業績の鍵を握る。

財政部:香港と権利、地位同等ならAIIB参加せず

財政部が、香港と権利、地位が同等ならばアジアインフラ投資銀行(AIIB)へは参加しないとしている。

財政部の張盛和・部長、中央銀行の彭淮南・総裁、金融監督管理委員会の曽銘宗・主任委員は16日、立法院財政委員会に出席、中国大陸が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加申請に関する報告を行った。

3人は合同報告の中で、AIIBに参加した場合、台湾の国際社会への参与の機会が増すこと、ビジネスチャンスが拡大すること、台湾の地域経済統合参与が促されること、台湾海峡両岸の経済貿易協力に新たな方向性が生まれること、台湾企業の国際市場でのビジネスチャンス及び台湾の金融業の発展など、5つのメリットについて説明した。

張盛和・財政部長はまた、中国大陸側の情報が不透明で、台湾がなぜ創設メンバーになれないのかの理由はまだ不明だとしている。張・財政部長によると、創設メンバーを希望しなかったイランが創設メンバーとなった一方で、台湾、香港、ハンガリーは申請したものの57の創設メンバーから外されたという。

張・財政部長はそして、「チャイニーズ・タイペイ」名義で一般会員になれたとしても、権利と地位が香港と同等ならば参加はしないと明言、中華民国政府は友好的な創設メンバーを通じて、枠組み作りの際に台湾が矮小化されることのないよう働きかけていくと考えを示した。

張・財政部長は、「6月末にAIIBの規定が明らかになった段階で検証し、矮小化されていなければ一般会員の申請を行う。今は情報を収集しているのみだ」と説明した。

AIIBに参加した場合、どれほどの資金を拠出するかについて、張・財政部長は、台湾元22億元(日本円にして約84億円)前後との見方を示した。

中経院、通年経済成長率を3.56%に上方修正

中華経済研究院(中経院)が、今年の経済成長率予測値を3.56%に上方修正した。

台湾のシンクタンク、中華経済研究院は16日、最新の経済予測を発表、台湾の2015年の経済成長率を、昨年12月の数値3.50%より0.06ポイント高い、3.56%と予測した。

中華経済研究院では、内需と民間消費の成長率予測値を3.02%に上方修正、また、台湾と民間の投資の成長率も6.02%に上方修正したことが主な理由だとしている。

中華経済研究院の呉中書・院長は、内需拡大に加え、投資についても移動通信製品の高性能チップに対する需要が力強く、年間を通じて見通しは明るいとしている。

一方で、アメリカの利上げのタイミング、各国の量的金融緩和政策の実施効果、原材料価格、米ドルの為替レート、中国大陸の成長鈍化、さらに台湾の水不足など不確定要素も多く、いずれも台湾経済に影響を及ぼす可能性があると指摘した。また、今年の消費者物価指数(CPI)上昇率は昨年より0.83ポイント低い、0.37%と予想した。

伊の議会で台湾に関わる租税法案通過

イタリア議会が台湾に関わる租税法案を通過した。イタリア議会の下院、代議院は15日夜、台湾に関わる租税法案を可決した。二重課税回避と脱税防止を通じて、双方向の投資、貿易を促す。

この法案は、イタリア議会が3度改選するなど可決までの手続きが長引いていたが、昨年11月に上院にあたる元老院を通過、このほど代議院の外交及び財政委員会でも審査され、15日にようやく可決され、法律が制定されることになった。

イタリアにおける中華民国の大使に相当する高碩泰・駐イタリア代表は15日、表決を見届け、議場で高・代表が紹介されると、議員400人あまりから大きな拍手が送られた。

高・代表は、「中華民国台湾とイタリアの双方向の投資、貿易は安定して拡大している。双方の中小企業はこの法律に大きな期待を寄せていた。互いに利益のある経済関係をさらに発展させる契機となろう」と期待した。

d&i 賞に多数の応募=台北国際コンピューター見本市〔BW〕

台湾貿易センターは、6月に開催する台北国際コンピューター見本市で発表する「COMPUTEX d&i賞」に、多数の応募があったと発表した。業界の主要企業から昨年同様に応募があったほか、新興企業からの応募も多数あり、応募件数は約300件に上った。

審査員による審査は今月9日に終わり、受賞企業は会期中の記者会見で発表される。今年はウエラブル技術、スマートホーム、モノのインターネットに関する技術が大部分を占めた。

宮城の水産物も要検査証明=台湾の輸入規制強化策

台湾の食品薬物管理署は16日、5月15日から実施を予定している日本食品に対する輸入規制強化策で、放射性物質の検査証明書の添付義務対象となる食品リストを公表した。日本側は「科学的な根拠に基づかない措置」として新規制の撤廃を求めている。

 対象となる食品は、(1)宮城、岩手、東京、愛媛の水産物(2)東京、静岡、愛知、大阪の茶類(3)宮城、埼玉、東京の乳製品、乳幼児向け食品、ビスケット、あめ、シリアルなどの穀物加工品―の3分野。またこれとは別に、輸入する全食品に都道府県別の産地証明書の添付を求める。

 東京電力福島第1原発事故を受け、台湾は福島など5県からの食品輸入を禁止した。日本は規制解除を求めていたが、3月に5県の食品が生産地を偽装して流通していたことが発覚。規制強化の方針が打ち出された。 

福岡に超高級輸入車ディーラーを開いた台湾企業の勝算

 イギリスの超高級スポーツカーブランドのアストンマーティンとマクラーレンのディーラーが、福岡に同時にオープンするというので、その発表記者会見に行ってきた。このような高級輸入車ディーラーが同時にオープンするのは珍しいことだが、ディーラーを経営する母体企業が台湾の会社だと聞き、あらためて驚いた。

 永三(エイサン)モータース株式会社は、5月にアストンマーティンとマクラーレンそれぞれの仮設ショールームをオープンし、10月には本ショールームを福岡市東区にオープンするという。完成予想イラストを見ると、1階がマクラーレンで2階がアストンマーティンのショールームになっている。

 別棟の工場は同時に10台を整備できるピットが備え付けられた本格的なものとなっている。とても立派なショールームだが、なんとこの永三モータースはこの土地と建物を購入して、ショールーム用にリノベートしているのだという。

 オフィスビルに限らず、不動産の賃貸と分譲にはそれぞれメリットとデメリットがあるが、土地と建物を購入してまでディーラーを始めようという永三モータースの姿勢に強い本気度が現われているではないだろうか。そんな思い切った投資のできる永三モータースとは、いったいどんな会社なのか?

 記者会見で発表されたプロフィールは意外なものだった。同社が台湾で自動車ビジネスに参入したのは2008年。つい最近のことだ。それ以降、2つのベントレー、2つのアストンマーティン、そして1つのマクラーレンと、計5つの超高級車ディーラーを現在、台湾で経営している。短い間にもかかわらず、順調に業績を伸ばし、今では台湾の高級車マーケットの62%を占めるまでに至っている。

 そして、台数やシェアといった“量”だけにとどまることなく、2014年にはマクラーレンからアジア太平洋地域での「ベストディーラー賞」を授かっている。同賞は、販売台数だけでなく、顧客満足度調査やイベントなどによるブランド認知活動などまでが評価基準となっているというから、短期間に大きなシェアを得ることができたというのも十分頷ける。

「私たちが目指すものは、単なるクルマの販売会社ではありません。お客様にアストンマーティンやマクラーレンのブランドを体験していただくためのバトラー(執事)なのです」という張定民会長のスピーチに、永三モータースの経営姿勢がよく現われているような気がした。

■日本の会社は?

 これまで福岡には、アストンマーティンもマクラーレンもディーラーが存在していなかった。どちらも西日本の拠点は大阪だけだった。だから、両社ともディーラー開設のための準備はそれぞれが進めていた。

「福岡には大きな可能性を感じます。台湾と変わらない情熱で福岡に来ました」

 アストンマーティンとマクラーレン、どちらの関係者に聞いても、彼らが最初に口にしたのが、張会長の熱心さだった。台湾で成功を収めた業者が福岡に進出してくれることはありがたいのだが、しかし、日本人としては少々複雑な気持ちになる。アストンマーティンとマクラーレンという、超一流スポーツカーメーカーと一緒に福岡でディーラーを経営してみようという日本企業はなかったのか?

 業者は存在しないわけではないが、すでに別の高級車ブランドディーラーを手掛けていたり、輸入車ビジネスに関して未経験だったりと、最終的に実現には至らなかった。さらに、疑問は生まれる。勢いのある台湾の企業なら、なぜ、日本ではなくアジアの他国へ投資を行わないのだろうか? 日本はまだ投資に値する国なのか?

「もちろんです。日本は成熟した国で、アストンマーティンやマクラーレンの持つ価値を十分理解してもらえる」

 たしかに。

「それに日本はビジネス環境の透明性が非常に高いので、安心して投資を行なうことができます。長期間に渡って安定的な投資を行なう場合に、この点はとても重要になってきます」

 張氏は東京の原宿や吉祥寺でファッションのセレクトショップを経営していることもあり、日本の事情はよく知っている。ショールームの建設とともに現在、急ピッチで進められているのが、スタッフの採用だ。経験豊富なセールスマンとメカニックを探しているという。

■グローバライゼーション

 他の業種では、海外の企業が日本で事業を展開することは不思議でも何でもないことなのに、ことクルマのこととなると、いちいち訝ってしまう。自動車ビジネスは売っただけで終わるのでなく、末永くサービスを提供しなければならないため、地元に密着した企業でなければならない、と決めつけてしまっていたからだ。そんな僕の偏狭な思い込みも、明るく前向きにビジョンを語る張氏の言葉を聞いて吹き飛ばされた。

 資本と意欲が軽々と海を越えてやって来るのが“グローバライゼーション”ということなのだろう。時代の賜物だ。永三モータースには、ぜひ福岡と日本に新風を吹き込んでもらいたい。






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