中国人のマナー問題はときに海を隔てた日本でも話題になることがあるが、先日、公共バス車内で目撃されたある標語が「あまりにも過激だ」として、中国人の怒りを買う出来事があった。どうやら運転手が独断で貼り出した標語らしく、最終的に会社から処罰を受けるハメになったという。
中国メディア重慶商報などによると、この標語が確認されたのは重慶市合川区の公共バス601路線の車内。ネットユーザーが投稿した2枚の写真には、座席の背もたれに貼られたA4サイズ程度の紙が写し出されており、そこには「車内でみだりに痰を吐いたり、ごみを捨てたりしないでください」と記されていた。
これだけならば普通に見かける標語と何ら変わりはないのだが、物議を醸したのはその後の文句。「もしそれでも痰を吐いたり、ごみを捨てたりするならば、あなたは犬豚以下の存在」と記されるとともに、さらに小さな文字で「もしこの紙を引き裂いたりすれば、(あなたの)家族は全員死ぬぞ」と脅しのような言葉も付け加えられていた。
もちろん、乗客の立場になれば、このような標語を見せられて良い気持ちがするはずはない。同時にこの標語は別のバスには提示されていなかったことから、バスの運転手による独断行為であることが疑われるようにもなった。
実際、地元メディアの報道によると、バス会社はすでに運転手による独断行為であることを認めており、当該の運転手には100元(約1,990円)の罰金処分も科したそう。また、運転手も「言葉が過激でした」と謝罪の意を表明したそうだ。
とは言え、この運転手にも多少なりとも“言い分”があるようで、「車内にはゴミ箱が設置してあるのに、痰を吐いたり、ゴミを捨てたりする乗客があとをたちません」とし、乗客のマナーの悪さに対する積もりに積もった感情が、この標語掲出に繋がったのだという。