米オレゴン州ローズバーグで1日、あるコミュニティカレッジで銃乱射事件が起き、多数の死傷者を出した。またしてもと言わざるを得ないのは、この事件の犯人も内向的で自己否定的な性格でありながら、人々をあっと言わせるようなことをして目立ちたいという面をも持ち合わせていたことである。
オレゴン州のローズバーグにある「アンプクワ・コミュニテイ・カレッジ」で、1日午前10時半ごろに起きた銃乱射事件。クリス・ハーパー・マーサー容疑者(26)が授業中であった教室に乱入し、生徒に信教を尋ねては発砲。ライティングを教えていた男性教師も頭を撃たれて死亡している。現場からは複数の銃が発見されており、計画的な犯行であったことは明白だという。
銃撃戦で死亡したマーサー容疑者についてその後に話題になったのは、事件前にMyspaceに自分の思いを綴っていたこと。アイルランド独立闘争を続けてきた武装組織「アイルランド共和軍(IRA)」を称える一方で、母親と暮らしている自分については「子供は苦手だから作る気にもならない。恋人も要らない」などと人との関わりが苦手で内向的な面を漂わせた。またこのたびの事件につながる大きなヒントと言えるのが、今年8月にバージニア州でTVリポーターら取材班をいきなり射殺したヴェスター・フラナガン容疑者についての感想であった。
「こういう犯行を起こす人はみんな孤独、誰からも注目されなかったタイプだ。それがちょっと流血のニュースが流れると国民は大騒ぎし、彼は一躍注目の的だ。つまり、たくさんの人を殺せば殺すほど世間からは注目が集まるってことなんだろうな。」
マーサー容疑者の人物像について複数のメディアがさまざまなエピソードを報道する中、警察当局は2日夜、同容疑者だけで6丁(拳銃5、ライフル1)、家族と合わせるとなんと13丁もの銃を登録していたことを明らかにした。また毎日Tシャツの下に迷彩色のアーミーパンツを合わせて軍用ブーツを履くなど、アーミーファッションにこだわっていたこともわかってきた。アメリカで起きる銃乱射事件の犯人については、精神疾患、薬物の影響、宗教・人種・人間関係によるトラブルのほかに、過去にいじめに遭った者が、世の中を見返してやりたいと銃の力を借りて尊大になった上で犯行に及ぶ例が少なくない。